2 国民に開かれた警察活動
(1)警察署協議会
警察は、地域の犯罪や交通事故を防止するなどの様々な活動を行うに際して、地域住民の意見、要望等を十分に把握するとともに、地域住民の理解と協力を得ることが必要である。
このため、原則として全国の全ての警察署に警察署協議会が置かれており、警察署長が地域住民の意見を聴くとともに、理解と協力を求める場として活用されている。その委員については、都道府県公安委員会が、警察署の管轄区域内の住民のほか、地方公共団体や学校の職員等、地域の安全に関する問題について意見、要望等を表明するにふさわしい者に委嘱しており、外国人や学生を含む幅広い分野等から委嘱された19歳から89歳までの幅広い年齢層の委員が全国で活躍している。平成31年4月1日現在、1,157署に協議会が設置され、総員数は1万395人の委員が活動している。


MEMO 地域と警察の架け橋(警視庁野方警察署協議会会長 浦野雅晴)
野方警察署協議会は、同署管内の地域や職域から男性5名と女性4名の計9名で構成され、委員各々の立場から警察業務に対し様々な意見要望を述べ、地域と警察の架け橋となっています。
野方警察署管内では刑法犯認知件数が年々減少している中、特殊詐欺対策と自転車が関与した交通事故対策が大きな課題となっています。
特殊詐欺については、協議会の要望としてメディアによる広報啓発を要望したところ、早速地元のケーブルテレビ局において特殊詐欺の被害防止を内容とする放送が実現したほか、還付金詐欺を未然防止した事例が新聞に掲載されるなどして、広報啓発上の大きな効果が得られました。
また、自転車利用者への安全指導と悪質違反者の取締りがより積極的に実施され、徐々にではありますが、自転車利用者の遵法意識の向上を実感しているところです。
私としては、このように、協議会からの意見要望が警察業務に反映され、地域の安全安心に少しでも貢献できたことを誇りに思っており、これからも協議会が地域と警察を結びつける重要な役割を担っていくものと確信しています。

地元ケーブルテレビ局による報道の様子(取材協力 J:COM)
(2)情報公開制度
警察庁では、警察庁訓令・通達公表基準に基づいて、訓令及び施策を示す通達を原則として公表することとし、ウェブサイトに掲載している。また、窓口を設置し、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づく開示請求を受け付けるとともに、警察白書や統計、報道発表資料等の文書を一般の閲覧に供している。

(3)個人情報保護
警察庁では、警察庁における個人情報の管理に関する訓令を制定し、個人情報の管理体制を定めるなどして保有する個人情報の適正な取扱いに努めている。また、窓口を設置し、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求を受け付けている。

(4)政策評価
国家公安委員会と警察庁は、「国家公安委員会及び警察庁における政策評価に関する基本計画」を策定し、同計画に基づき策定した政策評価実施計画に従って、毎年度、政策評価を実施している。平成30年度は、計画期間を5年とする新たな基本計画を策定するとともに、その実施に当たっては、評価の実施体制、業務量、緊急性等を考慮し、また、内閣としての重要政策を踏まえつつ、重点的、効率的かつ計画的に行うこととした。
平成30年度は、図表7-29のとおり、7の基本目標について18の業績目標を設定し、その全てについて目標管理型の政策評価を実施したほか、平成20年5月に成立した暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い新設された規制について、事後評価を実施した。
また、政策評価の実施に当たっては、警察庁政策評価研究会を開催し、政策評価や警察行政に知見を有する有識者の専門的な意見を取り入れることで、客観性の確保に努めている。なお、同研究会における議論の内容及び作成した評価書等については、警察庁ウェブサイト(注)において公表している。
