特集 近年における犯罪情勢の推移と今後の展望

第3節 新たな課題への対応と今後の展望

街頭犯罪及び侵入犯罪に重点を置いて官民一体となった犯罪対策を推進した結果、刑法犯認知件数がピーク時の3分の1以下にまで減少するなど、治安情勢に一定の改善がみられた一方で、これまでの街頭犯罪及び侵入犯罪に重点を置いた犯罪対策では捉えられない治安事象が生じていると考えられる。近年、人身安全関連事案が増加傾向にあるほか、振り込め詐欺をはじめとする高齢者を標的とした特殊詐欺(注1)の被害が深刻な状況にある。また、サイバー犯罪(注2)が多発するなどサイバー空間における脅威が増大し、こうした犯罪に対する国民の不安も高まっており、対策が求められている。本節では、治安に関する国民の意識を紹介するとともに、これらの犯罪の現状及び対策を概観する。

注1:被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振り込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪(現金等を脅し取る恐喝を含む。)の総称

注2:高度情報通信ネットワークを利用した犯罪やコンピュータ又は電磁的記録を対象とした犯罪等の情報技術を利用した犯罪



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