第7章 警察活動の支え

第2節 国民の期待と信頼に応える強い警察

1 国民の期待と信頼に応える強い警察

(1)国民の期待と信頼に応える強い警察の確立のための取組

① 積極的かつ合理的な組織運営

警察では、平成25年に「国民の期待と信頼に応える強い警察」の確立に向けた取組を強化するとの方針を示し、警察署の業務を中心に大胆な合理化・効率化を進めるとともに、若手警察職員の早期戦力化、女性の新たな分野への登用等を含めた人的基盤の強化に取り組んでいる。

また、警察職員の規律違反行為に対して厳正に対処するとともに、その原因・背景の分析に基づき、規律違反行為の防止に資する業務の仕組みの構築を行っている。

さらに、勤務時間の柔軟化に資する制度の整備や部外講師による研修の実施等により、ワークライフバランスを推進するとともに、ハラスメントの防止に関する要綱の策定や研修の実施、苦情や相談を受け付ける職員の指定等により、職場におけるハラスメントの防止を図るなどしている。

 
若手警察職員による小集団討議
若手警察職員による小集団討議

CASE

広島県警察では、意欲と適性を有する警察署の若手警察官を警察本部の刑事部や交通部等に一定期間配置し、当該警察本部の警察官から現場で直接指導を受けながら経験を積む「武者修行制度」を推進し、若手警察官の実務能力の向上を図っている。

また、警察署において若手警察官の指導を担当する警察官の指導能力向上等を目的とした「実戦的総合訓練指導技法競技会」を開催し、採用時教育を受けている若手警察官に見学させるなど、当該指導を担当する警察官及び若手警察官双方の育成に積極的に取り組んでいる。

 
「実戦的総合訓練指導技法競技会」
「実戦的総合訓練指導技法競技会」
② 監察の実施と苦情を活用した業務改革の推進
ア 監察

警察では、その能率的な運営及び規律の保持に資するために、警察庁、管区警察局及び都道府県警察において、国家公安委員会が定める監察に関する規則に基づき、厳正な監察を実施している。

29年度中、警察庁及び管区警察局においては、都道府県警察等に対し、1,769回の監察を実施し、取調べの適正確保及び高度化の推進状況について指導するなど業務改善を図った。

 
図表7-22 監察に関する規則(平成12年国家公安委員会規則第2号)
図表7-22 監察に関する規則(平成12年国家公安委員会規則第2号)
イ 苦情を活用した業務改革の推進

都道府県警察では、職員の職務執行に対する苦情に誠実に対応するとともに、個々の苦情やその傾向を踏まえた業務改善策を策定するなど、苦情を活用した組織的な業務改革を推進している。

(2)適正な予算執行の確保

警察では、適正な予算執行を確保するため、次のような取組を行っている。

① 警察が行う会計監査

国家公安委員会が定める会計の監査に関する規則に基づき、警察庁長官、警視総監、道府県警察本部長及び方面本部長は、監査手法に改善・工夫を加えながら、一層適正な会計経理を推進するため、会計監査を実施している。

平成29年度は、図表7-23のとおり、警察庁の会計監査実施計画を作成し、80部署を対象に会計書類の点検を行うとともに、捜査費の執行に直接携わった捜査員1,122人を含む2,612人に対して聞き取りを実施するなどした。

 
図表7-23 会計の監査に関する規則(平成16年国家公安委員会規則第9号)と平成29年度会計監査実施計画
図表7-23 会計の監査に関する規則(平成16年国家公安委員会規則第9号)と平成29年度会計監査実施計画
② 会計業務の改善に係る取組

警察庁では、会計業務の改善に関する各種取組を全庁を挙げて推進するため、関係職員から構成される「警察庁会計業務改善委員会」及び外部有識者から構成される「警察庁会計業務検討会議」を開催して、行政事業レビュー、調達改善の取組等を通じ、会計業務の改善に努めている。

 
監査における職員からの聞き取り
監査における職員からの聞き取り

(3)情報公開制度

警察庁では、警察庁訓令・通達公表基準に基づいて、訓令及び施策を示す通達を原則として公表することとし、ウェブサイトに掲載している。また、窓口を設置し、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づく開示請求を受け付けるとともに、警察白書や統計、報道発表資料等の文書を一般の閲覧に供している。

平成29年度中の国家公安委員会と警察庁に対する同法に基づく開示請求及びその開示決定等の件数は図表7-24のとおりである。

 
図表7-24 平成29年度中の開示請求等の件数(情報公開)
図表7-24 平成29年度中の開示請求等の件数(情報公開)
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(4)個人情報保護

警察庁では、警察庁における個人情報等の管理に関する訓令を制定し、個人情報の管理体制を定めるなどして保有する個人情報の適正な取扱いに努めている。また、窓口を設置し、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求を受け付けている。

平成29年度中の国家公安委員会と警察庁に対する同法に基づく開示請求及びその開示決定等の件数は、図表7-25のとおりである。

 
図表7-25 平成29年度中の開示請求等の件数(個人情報保護)
図表7-25 平成29年度中の開示請求等の件数(個人情報保護)
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