2 警備実施
(1)警衛・警護警備
① 警衛警備
警察では、皇室と国民との親和に配意した警衛警備を実施し、御身辺の安全確保と歓送迎者の雑踏等による事故防止を図っている。
平成29年中の国内での主な行幸啓は図表6-17、行啓は図表6-18のとおりである。海外へは、同年2月から同年3月にかけて、天皇皇后両陛下が国際親善のためベトナム(タイお立ち寄りを含む。)を御訪問になったほか、皇族方が合計12回御訪問になった。
図表6-17 主な行幸啓(平成29年)
図表6-18 主な行啓(平成29年)
第72回国民体育大会に伴う警衛(9月、愛媛県)
② 警護警備
警察では、テロ等違法事案の発生が懸念される厳しい警護情勢の下、的確な警護警備に向けた取組を推進して要人の身辺の安全を確保している。
29年中の首相の海外訪問は図表6-19、主な外国要人の来日は図表6-20のとおりである。
また、同年10月に施行された第48回衆議院議員総選挙では、多数の警護対象者が全国で遊説活動を行った。
図表6-19 首相の主な海外訪問(平成29年)
図表6-20 主な外国要人の来日(平成29年)
トランプ・米国大統領来日に伴う警護警備(11月)(AFP=時事)
(2)機動隊の活動
都道府県警察には、集団警備力によって有事即応体制を保持する常設部隊として機動隊が設置されているほか、管区機動隊、第二機動隊等が設置されている。
また、各種警察事案に対応できるよう、爆発物処理班や水難救助部隊、銃器対策部隊等の機能別部隊が編成されており、その専門能力をいかした人命救助活動や捜査活動等に従事している。
図表6-21 機動隊の概要
図表6-22 機動隊の活動
機動隊の訓練
(3)雑踏警備
祭礼等の行事に際して多数の人が集まることにより事故が発生するおそれがある場合には、雑踏事故の未然防止を図るため、警察ではあらかじめ行事の主催者や施設の管理者に対して必要な安全対策をとるよう要請しているほか、警察部隊の投入が必要と判断される場合には、所要の体制を確立し雑踏警備を行っている。
図表6-23 雑踏警備の流れ
雑踏警備の状況