第5章 安全かつ快適な交通の確保

3 高齢者の安全確保

(1)高齢者が関係する交通事故の状況

平成29年中の65歳以上の高齢者の死者数は2,020人であり、これを状態別にみると、歩行中が48.1%、自動車乗車中が28.7%、自転車乗用中が16.1%を占めている。また、歩行中死者数については、65歳以上の高齢者が全体の約7割を占めており、人口10万人当たり死者数を年齢層別にみると、おおむね年齢層が高いほど多くなる傾向にある。

 
図表5-20 歩行中死者数の推移(平成20~29年)
図表5-20 歩行中死者数の推移(平成20~29年)
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図表5-21 年齢層別人口10万人当たり歩行中死者数の推移(平成20~29年)
図表5-21 年齢層別人口10万人当たり歩行中死者数の推移(平成20~29年)
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(2)高齢者の交通事故防止対策

警察では、運転免許を保有していない高齢者を含め、交通ルールの遵守や交通安全意識の醸成を促すため、関係機関・団体等と連携し、交通事故が多発している交差点等における交通ルールの遵守の呼び掛けや、医療機関、福祉施設等における広報啓発活動を行っているほか、高齢者が加齢に伴う身体機能の変化が行動に及ぼす影響等を理解し、自ら納得して安全な交通行動を実践することができるよう、シミュレーター等の各種教育用機材を積極的に活用した参加・体験・実践型の交通安全教育を実施している。また、夜間に横断中の死亡事故が多いという高齢者の交通行動の傾向等を踏まえ、これを周知するとともに、反射材用品等の着用促進を図っている。

さらに、高齢運転者に対する教育、安全運転サポート車(注1)の官民一体となった普及啓発等の高齢運転者の交通事故防止対策(注2)や交通環境の整備による高齢者の安全確保に向けた取組(注3)を推進している。

注1:169頁参照

注2:168、169頁参照

注3:175頁参照

 
参加・体験・実践型の交通安全教育
参加・体験・実践型の交通安全教育


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