特集 国際テロ対策

第3節 今後の展望

警察では、これまで、我が国に関連するテロ事件や海外におけるテロ事件の発生等を受けて、関係機関とも連携しつつ、テロの未然防止及びテロへの対処体制の強化のため、様々な取組を進めてきた。例えば、各国治安情報機関との緊密な関係の構築や質の高い情報の交換を行うため、警察庁警備局に外事情報部を設置するなど、情報の収集・分析機能の強化を図ってきた。また、テロリストの入国を阻止するため、関係機関と連携した水際対策を強化するとともに、近年の厳しい国際テロ情勢を踏まえて、政府関連施設や米国関係施設等の重要施設に対する警戒警備を強化してきた。さらに、万一テロが発生した場合にその対処及び被害拡大の防止に万全を期すため、特殊部隊(SAT)やNBCテロ対応専門部隊の装備資機材の整備や関係機関と連携した訓練等を通じて、その対処能力の強化を図ってきた。

他方で、各国がテロ対策を強化しているにもかかわらず、欧米諸国を始めとする国々でテロ事件が多発するなど、現下の国際テロ情勢は非常に厳しい状況にあり、ホームグローン・テロリストによるテロの発生や、ISILを始めとする国際テロ組織に参加した外国人戦闘員が自国においてテロを引き起こすことが懸念されるなど、様々な国際テロの脅威に、日本を始め国際社会は対峙(じ)しているといえる。

このような情勢の中、我が国において平成32年に2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることを踏まえると、今後更なるテロ対策の強化が必要となる。

本節では、今後の国際テロ対策について展望するとともに、同大会を見据えたテロ対策に触れる。



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