5　振り込め詐欺・恐喝

(1)現状
　平成17年中の振り込め詐欺(いわゆるオレオレ詐欺^(注1)、架空請求詐欺^(注2)及び融資保証金詐欺^(注3)をいう。)及び振り込め恐喝(振り込め詐欺と同様の手口による恐喝をいう。)の認知件数は、融資保証金詐欺は増加したものの、いわゆるオレオレ詐欺・恐喝は大きく減少したため、全体としては2万1,612件と、前年より4,055件(15.8％)減少した。また、被害総額は約251億5,000万円と、前年より約32億3,000万円(11.4％)減少したものの、依然として憂慮すべき状況にある。

　振り込め詐欺・恐喝の取締りを強化するため、警察庁は、16年12月、刑事局捜査第二課長を長とする緊急対策チームを設置し、17年1月からは、各道府県警察から派遣された捜査員を集中運用するなど、各種対策を進めており、同年中の検挙件数は2,539件、検挙人員は819人と、それぞれ前年より1,234件(94.6％)、271人(49.5％)増加した。
　また、振り込め詐欺・恐喝事件に使用される預貯金口座の流通を防止するため、他人名義を使用するなどして通帳やキャッシュカードを金融機関からだまし取る詐欺や、そのような通帳等であることを知りながら買い取る盗品譲受け等についても、取締りを強化している。
　さらに、16年12月に改正された金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律を積極的に活用し、17年中には71人を検挙した。

(2)被害防止活動
　警察では、ウェブサイト、ポスター、パンフレット等で犯行手口、被害に遭わないための注意事項を紹介するなど、被害防止のための広報啓発活動に取り組んでいる。
　また、金融機関に対して犯行に使われた預貯金口座の凍結を依頼しているほか、日本郵政公社に対し、平成18年2月には警察が犯罪に使用されているおそれがあるとして通知した者を受取人とする電信為替等の送金の停止を、同年4月には現金書留の受付時における注意喚起を、それぞれ依頼し、被害の拡大防止に努めている。
　さらに、17年4月、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律が成立し、同年5月、犯罪に利用された携帯電話等について、警察署長から事業者に対し、契約者の確認を求めることができる規定や不正な貸与行為を処罰する規定が施行され、また、18年4月、事業者からあらかじめ承諾を得ることなく、業として有償で携帯電話等を譲渡した者を処罰する規定等が施行されたところであり、その活用に努めている。