第6章 安全かつ快適な交通の確保 

(3) 交通事故事件捜査の科学化・合理化

 ち密で科学的な交通事故事件捜査を求める国民の声を踏まえ、高度な知識及び技能を有する交通捜査員を養成するため、衝突実験に基づく事故解析等の専門的教養を行う交通事故鑑定専科を開催している。
 また、事故当事者の負担軽減や迅速な事故処理による交通渋滞の早期解消を図るため、交通事故自動記録装置等の各種捜査支援システムや、一定の軽微な物件事故の現場見分を省略する制度を活用している。

 
交通事故鑑定専科

交通事故鑑定専科

〈交通事故自動記録装置の概要〉
 この装置は、センサー部(ビデオカメラ、マイク)及び制御機(音源識別部、画像メモリー、VTR)から構成され、交差点内で交通事故が発生すると、衝突音やスリップ音を感知して、その前後の状況(車両の走行状況、信号の表示等)をVTRに自動的に記録する。
 この装置により、客観的な資料に基づいて交通事故の状況を早期に把握することが可能になり、また、事故当事者の現場立会い時間の短縮や事故に伴う交通渋滞の早期解消が図られている。

 
交通事故自動記録装置による撮影画像の連続写真

交通事故自動記録装置による撮影画像の連続写真

事例
平成15年4月、信号交差点における直進二輪車と右折普通乗用車との事故で、一方の当事者が死亡しており、また、目撃者もいなかったため、事故時における信号の表示が判然としなかったが、交通事故自動記録装置の録画画像により、事故時に右折青矢印は表示されておらず、右折車が直進車の安全な通行を妨害していたことが判明した(三重)。

 12 適正かつ科学的な交通事故事件捜査

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