第6章 公安の維持 

日本共産党等の動向

(1)党活動の動向

1)党創立80周年に係る取組み
○新党本部ビルの建設
 日本共産党は,党創立80周年に向け,新党本部ビルの建設に着工していたが,創立記念日当日の平成14年7月15日,第1期工事が竣工した。この新党本部ビルは,総工費約85億円で17年初めに完成を予定している。

○記念講演会の開催
 14年7月には東京都内に約5,000人を集めて「党創立80周年記念講演会」を開催し,不破議長及び志位委員長が講演した。

○「日本共産党の80年」を発表
 15年1月には,6年4月に党史である「日本共産党の70年」を発表して以来約9年振りに「日本共産党の80年」を発表した。この80年党史は,前回の4分の1以下の分量となり,内容的にも,革命が平和的となるか非平和的となるかは結局敵の出方によるという「敵の出方」論に係る記述を削除したり,宮本前議長の功績にわたる記述を大幅に削除している。

2)一進一退を続ける党勢拡大
○党員拡大
 日本共産党は,11年6月以降,3年連続で党勢拡大の大運動に取り組み,2年7月の第19回党大会以来,12年ぶりに党員が40万1,191人と40万人台となり(14年5月9日付け「しんぶん赤旗」),その後も引き続き微増(40万2,252人,14年6月「第四回中央委員会総会」公表)しているとみられる(図6-3)。

 
図6-3 日本共産党の党員数と機関紙数

図6-3 日本共産党の党員数と機関紙数
Excel形式のファイルはこちら


○機関紙読者拡大
 機関紙読者の拡大では,「200万ちかい」赤旗読者(同総会)と公表したものの,実態は「4か月連続して後退」(14年9月5日付け「しんぶん赤旗」)するなど,減少傾向が続いているものと思われる。

○全国地方議員代表者会議の開催
 日本共産党の地方議員総数は,12年の第22回党大会時,4,455人を数えたが,その後の中間選挙で減少(14年12月22日現在4,375人,党大会時比80人減)し続けていることから,14年8月,埼玉県内に,同党が議席を持つ約2,300の自治体の地方議員の代表を集め,「全国地方議員代表者会議」を開催し,次期統一地方選等での奮起を訴えた(図6-4)(注)

 
図6-4 日本共産党地方議員数

図6-4 日本共産党地方議員数
Excel形式のファイルはこちら



(注)地方議員の全国集会としては,10年4月に横浜市で開催した「全国地方議員会議」以来4年ぶり。

3)中国,北朝鮮との関係
○中国との関係
 14年7月,日中友好議員連盟に不破議長ら20人が初めて加入し,志位委員長が同連盟の副会長に就任した。また,同年8月,不破議長が4年ぶりに中国を訪問し,江沢民総書記との会談や中国社会科学院での講演(「レーニンと市場経済」)等を行った。江沢民総書記との両党首脳会談は,中国側が国際共産主義運動の現状と見通し等の12項目の会談項目を事前に提起した上で行われた。

○北朝鮮との関係
 日本共産党は,日朝国交正常化交渉の再開が合意されたことに関して,「重要な前進の一歩だ」などと賛成の態度を表明した。これまで同党は,朝鮮労働党と「プロレタリア国際主義によって結ばれた兄弟党」として友好交流を図ってきたが,大韓航空機爆破事件(昭和62年11月)以降,両党の関係は断絶していた。その後,12年に朝鮮総聯との関係について,日本共産党と朝鮮総聯の双方が「「歴史問題」が解決したことを確認した」として関係を正常化し,第22回党大会には朝鮮総聯幹部が18年ぶりに来賓出席している。


 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む