第3章 犯罪情勢と捜査活動 

(3)捜査体制の整備

 犯罪の広域化・スピード化が進むなかで,迅速・的確な初動捜査により,犯人を現場やその周辺で逮捕し,あるいは現場にある証拠物や参考人等の証言等を確保することが,より重要となっている。
 各都道府県警察本部には,初動捜査における犯人の検挙等を目的として,機動捜査隊が設置されている。機動捜査隊には,身の代金目的誘拐事件や人質立てこもり事件等に対する専門的捜査技術と広域的な機動捜査力を有する広域機動捜査班が設置され,広域犯罪に係る初動捜査力を強化している。さらに,都道府県警察の単位を越え,広域的に捜査,訓練等を行う関係都道府県警察で構成される広域捜査隊を編成するなど,初動捜査強化のための体制づくりが行われている。
 また,広域重要犯罪の発生時には,指揮系統を一元化し,関係都道府県警察が一体となって捜査を行う「合同捜査」や,指揮系統の一元化までは行わないが,捜査事項の分担やその他捜査方針の調整を図りつつ捜査を行う「共同捜査」を積極的に推進している。

 

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