第3章 犯罪情勢と捜査活動 

(2)強盗の認知・検挙状況

 強盗の認知件数は増加傾向にあり,過去10年間で2.8倍と急増している。検挙件数,検挙人員ともに増加している(図3-8)。

 
図3-8 強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)

図3-8 強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)
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 金融機関対象強盗事件については,平成13年には,青森県で発生した消費者金融における強盗殺人・放火事件を契機に,金融機関においてガソリン等をまくなどして脅迫し,金品を強取する事件が多発するなど,認知件数が12年の約2倍となったが,前記青森県の事件の被疑者を検挙した翌14年には,大幅に減少した(図3-9)。

 
図3-9 金融機関対象強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)

図3-9 金融機関対象強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)
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 また,10年から急増していた深夜スーパーマーケット対象強盗事件(注)は,14年には減少したが,来日外国人による広域的,組織的な事件が発生するなどしている(図3-10)。


(注)深夜スーパーマーケット対象強盗事件とは,午後10時から翌日午前7時までの間に,営業中のコンビニエンスストア等のスーパーマーケットの売上金等を目的として敢行された強盗事件をいう。

 
図3-10 深夜スーパーマーケット対象強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)

図3-10 深夜スーパーマーケット対象強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)
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事例1
 14年3月,さいたま市内の郵便局において,男(38)は,窓口業務中の局員に対し,ガソリンが入ったペットボトルを示すなどして脅迫し,現金約200万円を強取した。同月,男を強盗罪で検挙した(埼玉)。

事例2
 14年7月,男(34)は,東京駅構内のコンビニエンスストアにおいて,店長に商品を万引きしたのを発見され逃走し,追跡してきた店長を殺害した。同月,男を強盗殺人罪で検挙した(警視庁)。

事例3
 14年2月から4月までの間,ブラジル人の男(20)他8人は,中部,近畿圏の深夜スーパーマーケットにおいて,金属バットにより店員を脅迫し,現金を強取するなどの強盗事件等を敢行していた。9月までに,9人のうち,8人を強盗罪等で検挙し,4県下における強盗等11件,被害総額約1,000万円の犯行を確認した(愛知,三重,滋賀,岐阜)。

 

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