第2章 生活安全の確保と警察活動 

第2章 生活安全の確保と警察活動

第1節 街頭犯罪及び侵入犯罪の発生を抑止するための総合対策

総合対策の背景と方針

(1)街頭犯罪及び侵入犯罪の情勢

 我が国の刑法犯認知件数は,平成8年以降,7年連続で戦後最多を更新しており(第3章「厳しさを増す犯罪情勢」参照),なかでも,街頭において敢行される犯罪(街頭犯罪)や住宅等に侵入して行われる犯罪(侵入犯罪)(以下「街頭犯罪等」という。)が急激に増加している(図2-1,図2-2)。過去5年間における刑法犯認知件数の増加数は約80万件であるが,このうち街頭犯罪の増加数は約50万件,侵入犯罪の増加数は約10万件であり,ここ数年の増加傾向はまさに街頭犯罪及び侵入犯罪の増加によるところが大きい。

 
図2-1 主な街頭犯罪の認知件数の推移(平成10~14年)(グラフは指数)

図2-1 主な街頭犯罪の認知件数の推移(平成10~14年)(グラフは指数)
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図2-2 主な侵入犯罪の認知件数の推移(平成10~14年)(グラフは指数)

図2-2 主な侵入犯罪の認知件数の推移(平成10~14年)(グラフは指数)
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 街頭犯罪は,その多くが少年によって敢行されており,街頭犯罪8罪種(注)の検挙人員における少年の割合は約7割に達している。また,多くの街頭犯罪が,交番等に勤務する地域警察官によって検挙されており,街頭犯罪8罪種全体では4万人強と8割を超えている。


(注)統計上,街頭犯罪検挙人員に占める少年の割合及び地域警察官等により検挙されたものの割合を算出できる罪種は,8罪種(路上強盗,ひったくり,部品盗,車上ねらい,自動販売機荒し,自動車盗,オートバイ盗,自転車盗)に限られる。

 侵入犯罪は,とりわけ住宅を対象とした侵入窃盗の増加が著しく,13年から14年の1年間で17.0%の増加となっている。侵入強盗は,住宅のほか店舗を中心に被害が拡大しており,5年間で2倍近く増加している。

 

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