第1章 組織犯罪との闘い 

ウ 暴力団の国際化への対応

 第1節で述べたとおり,暴力団員が,日本国内の来日外国人等によって構成された犯罪組織,海外に本拠を有する国際犯罪組織等と連携して,各種犯罪を敢行する現状に対応するためには,捜査機関においても国際的な協力体制を強化し,情報交換等を積極的に推進していく必要がある。
 警察庁では,元年以後,「アジア地域組織犯罪対策セミナー」を毎年開催し,東南アジア,中国等のアジア諸国と組織犯罪対策の手法等について情報交換,協議等を行ってきた。
 また,多数の暴力団員の渡航先となっている韓国とは,情報連絡担当者を両国の警察当局に相互派遣し,平素から,犯罪組織の動向等に関する情報交換を緊密に行っている。
 さらに中国とは,11年以後,中国公安部長と我が国の国家公安委員会委員長が,集団密航事件への暴力団の関与,国際組織犯罪に対する両国の協力等について,継続的に意見交換を行っている。
 暴力団の国際化へ対処するためには,このような国際的な協力関係の構築を一層緊密化させていく必要がある。

 
アジア地域組織犯罪対策セミナー

アジア地域組織犯罪対策セミナー

 

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