第1部 | 犯罪被害者等のための施策と進捗状況 |
第1章 犯罪被害者等施策の総合的かつ計画的な推進の枠組み
犯罪被害者等基本計画に基づく3つの「検討会」の開催 犯罪被害者等基本計画の「重点課題に係る具体的施策」のうち、経済的支援の拡充等、支援ネットワークの構築等、民間団体に対する援助の拡充等という3つの課題(第1の2「給付金の支給に係る制度の充実等(基本法第13条関係)」(3)、第4の1「相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)」(3)、第4の3「民間の団体に対する援助(基本法第22条関係)」(1))について検討するため、平成18年4月10日、「経済的支援に関する検討会」、「支援のための連携に関する検討会」、「民間団体への援助に関する検討会」の開催が、第4回犯罪被害者等施策推進会議により決定された。また、併せて、基本計画に盛り込まれた施策の実施状況、検討状況の総合的な監視とともに、3つの検討会における調査審議を束ねる役割を担う基本計画推進専門委員等会議の開催も決定された。 そして、平成18年4月12日、基本計画推進専門委員等会議(第1回)及び経済的支援に関する検討会・支援のための連携に関する検討会・民間団体への援助に関する検討会(第1回)合同会議が開催され、各検討会における検討が開始された。 〈経済的支援に関する検討会〉 経済的支援に関する検討会においては、基本的検討事項として、 1)社会保障・福祉制度全体の中における犯罪被害者等に対する経済的支援制度のあるべき姿(犯罪被害者等に対する経済的支援の理論的根拠と理念及び既存制度との整理、犯罪被害者等に対する新たな経済的支援制度の検討(対象・範囲・支援水準・支援方法)、医療費等(医療費、カウンセリング費用、介護費用)の無料化) 2)犯罪被害者等が行う損害賠償請求に対する国の補償等の在り方 3)犯罪等の被害による後遺障害者に対する経済的支援及び福祉サービスの在り方 4)財源 が掲げられた。また、 1)損害賠償債務の国による立替払及び求償等の是非 2)公費による弁護士選任、国による損害賠償費用の補償等の是非 3)児童虐待、配偶者等からの暴力、人身取引以外の犯罪等による被害者等に対する被害直後の保護及び再被害の危険回避のための施設 4)犯罪被害者等の生活の立直しを図るための中期的な居住の確保 5)被害直後の保護及び再被害の危険回避のための施策に関する検討 6)公的弁護人制度の導入の是非 が、併せて検討する事項とされた。 第1回の合同会議以降、これまで、7回の検討会が開催されている(平成18年9月末現在)。第2回検討会から第5回検討会までは、我が国の経済的支援、我が国の社会保障・福祉制度、海外の実情について、有識者及び関係省庁からのヒアリング等が行われた。第6回検討会では、ヒアリングを踏まえた論点整理とともに、経済的支援制度のあるべき姿について議論が行われ、第7回検討会(9月26日)でも、引き続き、当該事項について議論が行われた。 今後、関連調査の結果も踏まえ、理念・目的、法形式、財源、給付の内容、給付方法、給付の対象などについて検討され、平成19年春ごろに中間とりまとめを行い、その後、国民から意見を募集し、それを踏まえた検討を行った上、同年末に最終報告書をまとめる予定である。
〈支援のための連携に関する検討会〉 支援のための連携に関する検討会においては、基本的検討事項として、 1)支援ネットワークに必要な機関・団体等の把握 2)相談や情報提供等のための(専用)窓口の設置 3)他機関・団体等の人材・制度等の把握及び連携 が掲げられた。また、 1)犯罪被害者等支援のコーディネーターや専門的チームの育成(コーディネーター等による支援等の内容、コーディネーター等の選任・研修内容、他機関・団体等との連携) 2)民間の団体で支援活動を行う者の養成・研修の内容並びに費用の弁償、災害補償、信頼性の確保等それらの者が行う適切な支援活動を助長する仕組み(カリキュラム(あるいは資格)、身分保証)が、併せて検討する事項とされた。 第1回の合同会議以降、これまで、5回の検討会が開催されている(平成18年9月末現在)。第2回検討会では、検討会で検討すべき論点の整理が行われ、今後の検討のスケジュールが決められた。第3回検討会から第5回検討会までは、行政の現行の取組、連携を強化する仕組み、海外の実情について、有識者及び関係省庁からのヒアリングが行われ、また、検討会関連調査の内容等についての検討が行われた。 今後、関連調査の結果を踏まえ、《1》各種「協議会」等既存の枠組みを活用した、ネットワークの構築、《2》起点となることが想定される機関・団体や連携の範囲に着目した、更なるネットワークの構築、《3》民間団体で支援を行う者の育成、カリキュラムに盛り込む内容や全国統一基準を確保する方策(資格・認定制度)、《4》民間団体で支援を行う者の支援活動に係る費用の弁償、災害補償、信頼性の確保等支援活動を助長する仕組み、《5》ネットワークにおけるコーディネーター等の育成、《6》コーディネーターの各機関・団体への配置及びコーディネーターの制度化(資格・認定制度)、《7》ワンストップサービス(相談の一元的な受付・対応場所)化、《8》既存の団体とは別の新たな法人格・認定制度の創設、といった論点について検討され、平成19年春ごろに中間とりまとめを行い、その後、国民から意見を募集し、それを踏まえた検討を行った上、同年末に最終報告書をまとめる予定である。
〈民間団体への援助に関する検討会〉 民間団体への援助に関する検討会においては、基本的検討事項として、 1)犯罪被害者等支援における国・地方公共団体と民間団体との役割分担の基本的考え方 2)民間団体の活動実態、財政運営状況の把握 3)民間団体に対する援助の実態の把握 4)民間団体の果たすべき機能、在り方 5)被援助団体となる対象、援助されるべき事務の範囲 6)援助の経路、財源等の在り方 が掲げられた。また、「犯罪被害者保護法人(仮称)」及び「犯罪被害者基金(仮称)」の設立が、基本計画検討会で出された検討事項とされた。 第1回の合同会議以降、これまで、5回の検討会が開催されている(平成18年9月末現在)。第2回検討会では、検討会で検討すべき論点の整理が行われ、今後の検討のスケジュールや検討会において実施するヒアリングについて検討された。第3回検討会から第5回検討会までは、民間団体等の活動の実態等、我が国における民間団体への援助の実態、海外の実情について、有識者及び関係省庁からのヒアリングが行われた。 今後、関連調査の結果を踏まえ、民間団体による犯罪被害者等支援の在り方や国による民間団体への援助の在り方といった論点について検討され、平成19年春ごろに中間とりまとめを行い、その後、国民から意見を募集し、それを踏まえた検討を行った上、同年末に最終報告書をまとめる予定である。
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