犯罪被害者等に関する青少年向け啓発用教材
「私たちに出来ること ―痛みをうけとめるために ともに生きるために―」

CONTENTS

ホーム > 調べる > 犯罪被害者を取り巻く状況を知ってみよう

調べる

犯罪被害者を取り巻く状況を知ってみよう

「犯罪被害者等基本法」とは

法律の目的
犯罪被害者等の権利や利益を守る。そのために政策がどうあるべきか、それをどう計画しどう実行していくかをこの法律で定め、国、地方公共団体、国民がそれぞれどんな役割を果たすべきかもはっきりさせる。(第1条)
言葉の説明
「犯罪等」とは、犯罪とそれに類する行為。心あるいは身体に害を及ぼすもの。
「犯罪被害者等」とは、犯罪等で被害を受けた人とその家族・遺族。
「犯罪被害者等のための施策」とは、犯罪被害者等が受ける被害を軽くして、被害者が回復し、また平穏な生活を送ることができるよう支援し、刑事手続きなどに適切に関わることができるようにするための施策。(第2条)
考え方の基本
すべての犯罪被害者等は個人として大切にされなければならないし、それを保障される権利をもっている。それぞれ被害の状況、原因、被害者がおかれている状況に合わせて、良いと考えられる方法が選ばれ実行される。またそのための施策は、被害者が被害を受けた時から再び平穏な生活に戻れるまでの間ずっと、必要な支援が途切れることなく提供される。
それぞれの役割と協力関係
国・地方公共団体・国民はそれぞれ何をするべきか、関係団体も含めてどのように連携・協力していくか。(第4条~第7条)
具体的な内容
基本的施策はどのようなものか。(↓ 第11条~第23条)

「犯罪被害者等基本法」から「犯罪被害者等基本計画」へ

犯罪被害者等基本法に定められた基本的な施策の具体的な中身をどのように実施していくかを明らかにしたのが「犯罪被害者等基本計画」です。
基本計画では、目指す方向を示すものとして4つの基本方針が、また、様々な側面をもつ犯罪被害者のための施策を効果的に進めるために5つの重点課題が設定されました。

4つの基本方針

  1. 尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること
  2. 個々の事情に応じて適切に行われること
  3. 途切れることなく行われること
  4. 国民の総意を形成しながら展開されること

5つの重点課題

  1. 損害回復・経済的支援等への取り組み(42施策)
    ●損害賠償の請求に関する援助(12条)
    犯罪被害者が加害者に賠償させることができるよう、様々な手続き、様々な制度を整える。
    ●給付金制度の充実(13条)
    犯罪被害者が受けた経済的な負担を軽くするため、給付金を支給する制度を充実させる。
    ●住まいと仕事(16~17条)
    事件のため自分の住んでいた家に住めなくなった犯罪被害者には、公営住宅に入居できるよう配慮する。また解雇されたり冷遇されるようなことのないよう、雇用主の理解を高めるよう対策を考え実行する。
  2. 精神的・身体的被害の回復・防止への取り組み(69施策)
    ●保健医療と福祉(14条)
    事件で受けた心身のダメージから回復できるよう、犯罪被害者の状況に応じた保健医療サービス・福祉サービスを提供できるようにする。
    ●再被害防止と安全確保(15条)
    犯罪被害者がまた被害を受けることがないよう、安全な場所に避難させる、防犯についてアドバイスする、刑事手続きで証人になるような場合には特別の配慮をする、被害者の個人情報を保護するなど、安全を確保する。
    ●保護・捜査・裁判での配慮(19条)
    犯罪被害者を保護する際、また事件の捜査や裁判において、被害者の名誉と平和な生活が守られるよう配慮し、負担を軽くするよう担当の職員や施設を用意するなどの対策をとる。
  3. 刑事手続きへの関与拡充への取り組み(43施策)
    ●刑事手続きへの参加(18条)
    犯罪被害者が事件の刑事手続きに適切に関わることができるよう状況を説明したり、参加機会を広げたりする。
  4. 支援等のための体制整備への取り組み(75施策)
    ●相談と情報提供(11条)
    犯罪被害者がふつうの日常を取り戻せるよう、いろいろな問題について相談にのる、情報を提供する、アドバイスする、専門家を紹介するなどの援助をする。
    ●調査・研究(21条)
    犯罪被害者に対して適切に支援できるよう、犯罪がもたらすダメージ、そこからどのように回復することができるかなどについて、各方面から情報を集め、人材を養成する。
    ●民間の団体に対する援助(22条)
    犯罪被害者の支援では民間の団体の存在が重要であることを考慮して、民間団体が活動しやすい環境を整える。
  5. 国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取り組み(29施策)
    ●理解を深める(20条)
    教育や広報などの活動を通して、犯罪被害者がおかれている状況や、彼らの名誉と日常が守られなければならないことが一般の人々にもよく理解できるようにする。
  6. その他
    ●意見をくみ上げる(23条)
    犯罪被害者の支援がどうあるべきか考えていくなかで、被害者からの意見を取り入れ、施策を決めていく過程が誰にも見えるようにする。

推進体制に関するもの:19項目
計画期間:5年
合計:258施策

▲ このページのトップへ
警察庁犯罪被害者等施策担当参事官室
〒100-8974 東京都千代田区霞が関2-1-2
電話 03(3581)0141(代表)
Copyright (c) National Police Agency. All Rights Reserved.