第2章 生活安全の確保 

警察活動の最前線

女性の未来に向けた活動を

山形県警察本部生活安全部生活安全企画課

飯沼 歩(いいぬま あゆみ) 巡査部長

 
カモンくん

カモンくん

 
顔写真

私は、子ども・女性等安全対策係として、ストーカー、DV、女性に対する声掛けやつきまとい等の事案に対応し、性犯罪等の重大な犯罪が起きないよう未然に防止する活動をしています。

ある日、対策係に女子大学生を名乗る方から匿名でメールが寄せられました。その内容は、「知らない男からただ追いかけられるだけですが、すごく怖い。警察ではこんなことも取り合ってもらえるのでしょうか」というものでした。私もかつて大学生時代に男性からのつきまといを経験し、言い知れぬ不安と恐怖感に悩まされていたことを思い出し、彼女を安心させたいという一心で、私達との面接を頑なに拒む彼女と、雑談を交えつつメールのやりとりを続けました。すると、彼女は次第に心を開いてくれるようになり、最終的には直接会って悩みを聞くことができました。不安を打ち明けてくれたその女性は、笑顔を取り戻し、自宅でも恐怖を覚えることなく安心して生活できるようになったということです。

私は、これからも、どんなささいなことでも勇気をもって訴えたSOSに誠実に向き合いたいと思っています。未来への希望を奪うような卑劣な犯罪が起きてしまう前に、これからも女性の立場に寄り添った仕事を続けていきたいと思います。

 
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土地勘は最大の武器

広島県警察本部地域部通信指令課指令第二係

前田 雅弘(まえだ まさひろ) 警部補

 
メイプル君

メイプル君

 
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通信指令業務は、警察署の指令係を合わせて10年目になりますが、現在も、その難しさ、責任の重大さをひしひしと感じながら勤務しています。

通信指令業務は、通報を受け、事案を判断し、必要な手配を行うことが主な任務ですが、その適否が以後の警察活動に大きく影響するため、「初動の要」と言われています。

この業務に携わる者は、県内全域の地理の熟知が求められ、現場が判明すれば、直ちに管轄署に対して現場保存、関係者の確保等の指令を行い、犯人が逃走すれば、手配先を判断し、検問・検索場所を指令して、犯人確保に全力を尽くさなければなりません。

新任の頃、大先輩から「警察官は、土地を知り、人を知らなければ仕事にならん」と教えられたことが、私の仕事の基本となっています。

土地勘があれば、「この指令担当者はよく地理を知っている」と現場警察官に思わせる指令ができ、おのずと指令室と現場との連携が図られ、犯人の検挙に繋がっていきます。

犯人検挙の無線が入ると、自然に「よし」と小さなガッツポーズが出て、「通信指令の仕事をしていて良かった」と喜びを感じます。

これからも、広島県内はもちろんのこと、県境付近の隣県も「俺に任せろ」と言えるくらい地理を調査し、「土地勘は地元の人にも負けない」という自信とプライドを持ち日々勤務していきたいと思っています。

 
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注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。


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