第4章 安全かつ快適な交通の確保

2 暴走族対策

(1)暴走族等の実態と動向

全国の暴走族構成員数及び暴走族に関する110番通報件数は、共に前年より減少しているものの、110番通報件数は1年間で4万件を超え、依然として暴走族対策の強化を求める国民の要望は強い。

暴走族は、共同危険型(爆音を伴う暴走等を集団で行うもの)及び違法競走型(ローリング、ドリフト走行等の違法な走行により運転技術等を競うもの)に大別される。図4-33のとおり、違法競走型は全体の15.5%であり、暴走族の大半は共同危険型であるが、年々、暴走行為の小規模化が進んでいる。

また、近年、元暴走族構成員や暴走族構成員が中心となって「旧車會」を結成し、景勝地等を目指して暴走族風に改造した旧型の自動二輪車等を連ねて、大規模な集団走行を行う状況が各地で確認されている。

暴走族の引き起こす犯罪は、道路交通関係法令違反のほか、刑法犯等様々な罪種にわたっており、一般人に対する強盗・傷害事件等も発生している。さらに、一部の暴走族には、後ろ楯となっている暴力団の存在も認められる。

 
表4-11 暴走族構成員数及び暴走族に関する110番通報件数の推移(平成20~24年)
表4-11 暴走族構成員数及び暴走族に関する110番通報件数の推移(平成20~24年)
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表4-12 法令別検挙状況(平成24年)
表4-12 法令別検挙状況(平成24年)
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図4-33 共同危険型・違法競走型別暴走族構成員の状況(平成24年)
図4-33 共同危険型・違法競走型別暴走族構成員の状況(平成24年)
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(2)暴走族の取締り及び関係機関と連携した対策

警察では、交通部門、少年部門、地域部門等が連携し、共同危険行為等の現場検挙を始め、各種法令を適用した取締りを推進し、暴走族の解体や構成員の離脱を図っている。

また、地方公共団体における暴走族根絶(追放)条例の制定(注)及び運用に対して協力したり、中学校・高校において暴走族加入阻止教室を開催したりするほか、家庭、学校、保護司等と連携して暴走族から離脱させる措置を執るなど、総合的な暴走族対策を推進している。

注:平成24年末現在、25道府県164市町村において制定
 
暴走族に対する取締り
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暴走族総合対策会議
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