第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 |
3 警察安全相談の充実強化
(1)警察安全相談受理体制
警察では、国民から寄せられた相談に円滑に対応することができるよう、都道府県警察本部に警察総合相談室を、警察署に警察安全相談窓口をそれぞれ設置し、警察職員のほか経験豊富な元警察官等を非常勤の警察安全相談員として配置するなど、相談受理体制を整備している。(2)相談内容に応じた適切な対応の推進
① 相談への組織的な対応
寄せられた相談に対しては、相談内容に応じて、関係する部署が連携を図って対応し、刑罰法令に抵触する事案を検挙することはもとより、刑罰法令に抵触しない事案であっても必要に応じて相談者への防犯指導や相手方への指導警告を行うなどして犯罪等の被害の未然防止を図っている。② 相談業務担当者に対する研修の実施
多種多様な相談に適切に対応できる警察安全相談業務担当者を育成するため、警察庁では、都道府県警察本部の警察安全相談業務担当者に対して相談対応要領や相談者の心理等を内容とする研修を実施している。また、都道府県警察でも警察署の警察安全相談業務担当者等を対象に研修会等を実施している。③ 関係機関・団体等との連携の推進
警察以外の機関・団体で取り扱うことが適切である相談や警察以外の機関・団体と相互に緊密な連携を図ることが必要とされる相談への適切な対応を図るため、関係機関・団体等とのネットワークを強化し、円滑な引継ぎを行うとともに、関係機関・団体等と連携して相談の解決に取り組んでいる。コラム⑩ 暴力を伴う男女間トラブルに起因する長崎県西海市における殺人事件と同事件に伴う一連の警察の対応について
(1)事件の概要
千葉県警察、長崎県警察及び三重県警察において、平成23年10月から男女間における暴力を伴うトラブルに関し被害女性の父親等から相談を受けていたところ、同年12月、当該トラブルの相手方の男が長崎県西海市に所在する女性の実家に押し掛け、その家族を殺害した。(2)警察の対応の問題点及び再発防止策
千葉県警察、長崎県警察及び三重県警察において本事件への対応の検証を行った結果、男女間トラブルが重大事件に発展するおそれが高いという危機意識の不足、警察署における組織的対応の不備、関係県警察における連携の不備といった問題点が明らかとなった。(3)再検証による組織運営上の問題点の把握と再発防止策の検討
24年3月、「千葉県警察、長崎県警察及び三重県警察による検証結果の報告書に習志野警察署におけるレクリエーション旅行に関する事項が記載されていなかったことや、当該レクリエーション旅行により警察の捜査が遅れた可能性があること」などが報じられた。 第3節 安全で安心な暮らしを守る施策 |
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