第5章 公安委員会制度と警察活動の支え 

2 国民に開かれた警察活動

(1)警察署協議会
 警察は、地域の犯罪や交通事故を防止するなどの様々な活動を行うに際して、地域住民の意見・要望等を十分に把握しなければならない。また、その活動が成果を上げるためには、地域住民の理解と協力を得ることが不可欠である。
 そのため、原則として全国のすべての警察署に警察署協議会が置かれており、警察署長が警察署の業務について地域住民の意見を聴くとともに、理解と協力を求める場として活用されている。その委員については、都道府県公安委員会が、警察署の管轄区域内の住民のほか、地方公共団体や学校の職員等、地域の安全に関する問題について意見・要望等を表明するにふさわしい者に委嘱しており、外国人や学生を含む幅広い分野等から委嘱された委員が全国で活躍している。平成22年6月1日現在、1,181署に協議会が設置され、総委員数は1万673人である。

コラム3 警察署協議会の運営状況

 警察庁では、22年2月から同年3月にかけて、全国の警察署協議会委員を対象に、警察署協議会の運営状況等に関する意識調査(注)を実施した。その結果によると、回答した委員のうち91.5%が「協議会において、要望や意見を発言している」と回答し、また、回答した委員のうち85.6%が「警察署協議会における議論等が警察署の運営に反映されていると思う」と回答しており、警察署協議会が地域住民の要望・意見を把握し、警察署運営に生かす場として機能していることがうかがえる。

注:全国の都道府県警察の警察署協議会委員のうち、1,692人に対して実施
 
コラム3 警察署協議会の運営状況
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事例
 茨城県牛久警察署協議会において、「ひったくりは、バッグの持ち方の工夫等市民の心構えにより防止できると思うので、講習会を開催して欲しい。自転車防犯ネットの普及に努めてほしい。」との委員からの提言を受け、牛久警察署では、21年9月から同年11月にかけて、管内の公民館における街頭犯罪防止講話やショッピングセンター等における防犯キャンペーンを実施し、ひったくり防止用の自転車防犯ネット等を配布した。
 
防犯キャンペーンを行う警察官
防犯キャンペーンを行う警察官

(2)情報公開
 警察庁では、警察庁訓令・通達公表基準に基づいて、訓令及び施策を示す通達を原則として公表することとし、ウェブサイトに掲載している。また、窓口を設置し、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づく開示請求を受け付けるとともに、警察白書や統計、報道発表資料等の文書を一般の閲覧に供している。
 平成21年度中の国家公安委員会と警察庁に対する同法に基づく開示請求及びその開示決定等の件数は、表5-6のとおりである。
 
表5-6 平成21年度中の開示請求等の件数(情報公開)
表5-6 平成21年度中の開示請求等の件数(情報公開)
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警察庁の情報公開・個人情報保護室
警察庁の情報公開・個人情報保護室

(3)個人情報保護
 警察庁では、警察庁における個人情報の管理に関する訓令を制定し、個人情報の管理体制を定めるなどして保有する個人情報の適正な取扱いに努めている。また、窓口を設置し、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求を受け付けている。
 平成21年度中の国家公安委員会と警察庁に対する同法に基づく開示請求及びその開示決定等の件数は、表5-7のとおりである。
 
表5-7 平成21年度中の開示請求等の件数(個人情報保護)
表5-7 平成21年度中の開示請求等の件数(個人情報保護)
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(4)政策評価
 国家公安委員会と警察庁は、3年ごとに策定する「国家公安委員会及び警察庁における政策評価に関する基本計画」を踏まえて、毎年、政策評価の実施に関する計画を策定し、政策評価を実施している(注)

注:警察庁ウェブサイト(http://www.npa.go.jp/seisaku_hyoka/index.htm)に掲載

 
図5-23 政策評価の流れ
図5-23 政策評価の流れ
 
表5-8 平成21年度中の政策評価実施状況
表5-8 平成21年度中の政策評価実施状況

 第3節 国民の信頼にこたえる警察

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