4 通貨偽造犯罪
(1)発見状況
過去10年間の偽造日本銀行券の発見枚数(注)の推移は次のとおりであり、平成20年中は、前年より大幅に減少した。
図1-21 偽造日本銀行券の発見枚数の推移(平成11~20年)
(2)特徴的傾向と対策
最近の偽造日本銀行券の中には、対面行使が可能であるほど外観が本物らしいものが発見されている。これは、高性能のコンピュータ、スキャナ、プリンタ等が一般に普及し、精巧な偽造を容易に行えるようになったためと考えられる。
警察庁では、財務省、日本銀行等と連携して、ポスターやウェブサイトで偽造日本銀行券が行使された事例や偽造通貨を見破る方法を紹介するなどして、国民の注意を喚起している。また、コンピュータ関連機器、自動販売機等の製造業者団体に情報を提供し、通貨偽造や偽造通貨行使を防ぐシステムの開発等の通貨偽造犯罪対策の強化を要請するなどしている。
通貨偽造・同行使事件で押収した偽造日本銀行券等
事例
自営業の男(35)らは、平成20年9月ころ、兵庫県内の自宅等において、複合プリンタのカラーコピー機能を使用して一万円券約60枚を偽造し、同月ころ、大阪府内のコンビニエンスストア等で飲料水等の代金として手渡し、行使した。同年10月、3人を偽造通貨行使罪で逮捕(うち2人については、同年12月、通貨偽造・同行使罪に訴因変更)した(大阪)。
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