第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 

5 カード犯罪

(1)カード犯罪の認知・検挙状況
 過去10年間のカード犯罪(注1)の認知・検挙状況の推移は次のとおりであり、平成20年中のカード犯罪の認知件数、検挙件数及び検挙人員は、いずれも前年より減少した。

注1:クレジットカード、キャッシュカード、プリペイドカード及び消費者金融カードを悪用した犯罪

 
図1-22 カード犯罪の認知・検挙状況の推移(平成11~20年)
図1-22 カード犯罪の認知・検挙状況の推移(平成11~20年)
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(2)特徴的傾向と対策
 窃取・拾得し又は偽造したキャッシュカード等を使用して現金自動預払機(ATM)から現金を盗む事件や偽造したクレジットカードを使用して商品を不正に購入する詐欺事件がカード犯罪の大半を占める。その手口は巧妙化しており、ATMの周辺に隠しカメラを設置して、ATMから現金を引き出す際に必要となるカードの暗証番号を盗み見るものや、ゴルフ場等の貴重品ボックスから不正にカードを入手し、スキミング(注2)するものなどがある。
 警察では、早期検挙のため捜査を徹底するほか、口座名義人からキャッシュカード等の盗難・紛失の届出があった場合はカードの利用停止を促すなど、被害の拡大防止に努めている。また、「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」において、預貯金者が金融機関に対し、盗難されたキャッシュカード等により自分の口座から不正に払い出された額に相当する金額の補てんを求める際、捜査機関に対する届出が必要とされていることから、金融機関から警察に対して被害届の有無等についての照会があった場合には、被害届を受理しているかどうかを回答するなどして、円滑な被害の回復に協力している。

注2:真正なカードのデータをスキマー(磁気情報読取装置)を用いて読み取る行為

 
スキマー
写真 スキマー
 
偽造カード
写真 偽造カード

 第1節 犯罪情勢とその対策

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