第3節 来日外国人犯罪対策
1 来日外国人犯罪の情勢
社会経済の国際化や深刻な不法滞在者問題を背景として、来日外国人犯罪をめぐる情勢は依然として厳しい。こうした中、我が国に流入した外国人が犯罪集団を形成し、また、これらが我が国の暴力団や外国に本拠を置く国際犯罪組織(注)と連携して活動する動向がみられ、治安への重大な脅威となっている。
（1）全般的傾向
過去10年間の来日外国人犯罪の検挙状況の推移は、図2－19のとおりである。平成19年中の総検挙件数及び総検挙人員は前年より減少したものの、過去10年間で、検挙件数は1.1倍に、検挙人員は1.2倍に増加している。
図2-19 来日外国人犯罪検挙状況の推移（平成10～19年）
罪種別にみると、窃盗犯の検挙件数は前年より減少したものの、過去10年間で1.1倍に増加しており、特に侵入盗を含む重要窃盗犯検挙件数は、1.9倍に増加した。
また、凶悪犯の半分以上を占める強盗の検挙件数は、過去10年間で1.1倍に増加している。
表2-12 来日外国人窃盗犯検挙状況の推移（平成10～19年）
表2-13 来日外国人凶悪犯検挙状況の推移（平成10～19年）
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事例
韓国人の男（46）ら4人は、19年3月、東京都内の住宅に侵入し、家人に対し「殺すぞ」などと申し向け、殴打し、ロープで縛り上げるなどし、また、もう1人の家人に対し、包丁を突き付けるなどして脅迫した上、現金、貴金属等を奪った。この4人のうち2人をその日のうちに逮捕した。その後の取調べから、この男ら4人は、この強盗を事前に韓国内において計画しており、敢行後は、早期に国外に逃亡することをもくろんでいたことが判明した。なお、逃亡している2人については、20年6月現在、捜査中である（警視庁）。
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（2）発生地域別検挙状況
過去10年間の来日外国人刑法犯の検挙件数を発生地域別にみると、東京都では、ほぼ横ばいであるのに対し、北海道（1.4倍）や中部地方（1.4倍）で全国平均を上回るなど、来日外国人による犯罪の全国への拡散が定着してきている。
図2-20 来日外国人刑法犯の発生地域別検挙件数の推移（平成10～19年）
（3）国籍・地域別検挙状況
平成19年中の来日外国人犯罪の検挙状況を国籍・地域別にみると図2－21のとおりである。全体では中国（台湾、香港等を除く。）が最も大きな比率を占めている。罪種別にみると、侵入盗では中国が、自動車盗ではパキスタン及びブラジルが最も大きな比率を占めている。
図2-21 来日外国人犯罪の国籍・地域別検挙状況（件数）（平成19年）
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