真心と熱意
三重県四日市南警察署地域課小古曽駐在所
淺井 秀志巡査部長
平成2年、私は四日市南警察署水沢駐在所(当時)勤務を命じられました。私は、それまで駐在所勤務の経験がなく、どうすれば早く地元になじむことができるだろうかと頭を悩ませていました。思案の末、妻の勧めに従い、駐在所の近所のごみ集積所に掃除当番としてやって来る人たちにお茶を出し、雑談をするようにしてみたところ、これが好評で、地元の人たちとの信頼醸成や情報交換に大変役立ちました。このお茶出しは、私がその駐在所を離れるまでの間、地元の人たちとの熱い接点となりました。
また、赴任当時、地元の中学校は大変荒れていました。中でも、ある非行少年グループは、窃盗事件を繰り返し、卒業式にもいわゆる特攻服を着て押し掛けるなど、学校の雰囲気を著しく悪くしていました。私は、彼らを何とか立ち直らせようと、その家を一軒一軒訪問し、時間を惜しまず一人一人と真剣に話し合うことにしました。すると、私の熱意が通じたのか、その中学校では次第に非行も影を潜めるようになり、例年騒然となっていた卒業式も、静粛に執り行われるに至ったのです。時間を惜しまない熱意が彼らにも通じたのです。私が駐在所を離れる際、この少年グループのリーダー格の2人があいさつに来てくれたことを今でもうれしく思っています。
14年、私は12年間に及ぶ水沢駐在所での勤務を終え、現在の小古曽駐在所に異動しましたが、今も、駐在所勤務で改めて認識させられた「真心」と「熱意」の大切さを胸に、日々の勤務に就いています。
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