第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 

7 通貨偽造犯罪

(1)発見状況

 過去10年間の偽造日本銀行券の発見枚数(注)の推移は次のとおりであり、平成18年中は、前年に引き続き、大幅に減少した。
 また、同年中の通貨偽造に関する犯罪の検挙件数も38件と、前年より42件(52.5%)減少した。
 なお、同年中の偽造米ドル紙幣の発見枚数は272枚で、前年より207枚(43.2%)減少した。

注:届出等により警察が押収した枚数

 
 図1-24 偽造日本銀行券の発見枚数の推移(平成9~18年)
図1-24 偽造日本銀行券の発見枚数の推移(平成9~18年)

(2)特徴的傾向と対策

 最近の偽造日本銀行券の中には、対面行使が可能であるほど外観が本物らしいものが発見されている。これは、コンピュータ、スキャナ、プリンタ等が一般に普及し、精巧な偽造を容易に行えるようになったためと考えられる。警察庁では、財務省を始めとする関係省庁や日本銀行と連携して、ポスターやウェブサイトで偽造日本銀行券が行使された事例や偽造通貨を見破る方法を紹介するなどして、国民の注意を喚起している。
 
 通貨偽造防止ポスター
通貨偽造防止ポスター

事 例
 自称金融コンサルタント業の男(71)ら8人は、平成18年8月ころ、中国から偽造旧一万円券約2,000枚を輸入し、同年8月から9月にかけて、金融機関に預け入れるなどして行使した。同年12月までに偽造通貨輸入罪等で逮捕した(福岡、警視庁、群馬、富山、三重)。

 第1節 最近の犯罪情勢とその対策

前の項目に戻る     次の項目に進む