第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開 

3 昭和40年代の日本警察

 昭和40年代は、第2期高度成長期で、未曾有の経済成長を記録した時代である。42年に人口は1億人を突破し、47年に沖縄が返還され、万国博覧会(45年)や札幌冬季オリンピック(47年)の開催は、経済成長の象徴となった。国際情勢は、米軍によるベトナム爆撃(40年)、中国の文化大革命(41年)、金大中事件(48年)と不安定な状況が続き、48年の第四次中東戦争を境に、日本は石油ショックに陥って不況に転じ、狂乱物価と呼ばれるインフレに直面した。
 犯罪情勢は、刑法犯認知件数が減少傾向となり、48年には約119万件と戦後最低を記録した。一方、経済成長に伴う社会構造の変化が公害等の深刻な社会問題を引き起こしたほか、三億円強奪事件やシージャック、ハイジャックのような新しい形態の事件も発生した。

 
表2-3 昭和40年代の主な事件・事故

表2-3 昭和40年代の主な事件・事故
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 第2節 日本警察50年史

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