第1章 組織犯罪との闘い 

(4)ドイツ

 ドイツにおいては,比較的小規模かつ流動的ではあるものの犯罪者の組織化が進んでおり,それらの一部が相互の連絡を密にし,緩やかなネットワークを形成しつつ組織犯罪を敢行している。また,これら犯罪組織の大半は国際的な結合関係を明確に有しており,国境を越えた活動を強化している。
 2001年(平成13年)に捜査を受けた者のうち,約半数は初めて捜査機関に把握された者であり,国籍別では,ドイツ国籍が約半数を占め,外国籍のなかではトルコ国籍を有する者が最も多く,旧ユーゴスラビア,イタリア,ポーランド,リトアニア,ロシアがこれに続いており,その国籍は80か国以上にわたっている。
 ドイツでは,このような組織犯罪に,主として連邦刑事庁(BKA),連邦国境警備隊(BGS)及び税関が対策を行っているが,一般の警察事務を担当する州警察も多くの組織犯罪を捜査している。連邦政府は,組織犯罪の収益に対する規制を強め,犯罪組織の国際的な結合を阻止するため,重罪については前提犯罪の如何を問わずマネー・ローンダリング行為を処罰するなどの対策を行っている。また,組織犯罪対策の国際的連携を強化するため,リトアニア,スロベニア,ポーランドと対策の共同作業に関する協定を締結し,犯罪組織の国境を越えた活動に対処する施策を推進している。

 

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