第1章 組織犯罪との闘い 

(4)国際協力の推進と警察庁国際部の設置

 急激な国際化の進展により,中国人犯罪グループ,韓国人すりグループ,イラン人不法滞在者グループ等来日外国人犯罪者グループの存在,銃器,薬物等の海外からの密輸事犯,不法就労を目的とした集団密航事犯等の多発が,治安上の大きな問題となった。これに伴い,外国警察機関等との情報交換,捜査協力,技術協力等の必要性が高まり,これらの業務を全庁的な見地から,戦略的,専門的に行うための部署を設置することが求められた。このため,平成6年7月,警察庁は,長官官房に国際部を設置した。
 警察庁国際部では,国際捜査共助の実施のほか,国際犯罪に関する関係各国との協力の枠組みづくり等を担当しているが,7年のハリファックス・サミットにおいて国際組織犯罪対策を専門的に検討するために設置が決定された「G8国際組織犯罪対策上級専門家会合」(リヨン・グループ)や,国連における国際組織犯罪防止条約の起草作業に積極的に参加するなど,国際組織犯罪対策にも力を入れている。
 また,国際部は,警察庁に「国際化対策委員会」を設置して,総合的な来日外国人犯罪対策を推進する国内の体制を整備し,国際犯罪捜査実務,語学を習得した国際捜査官の育成,警察における通訳体制の整備等を推進した。

 

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