第1章 組織犯罪との闘い 

(3)銃刀法の改正と警察庁銃器対策課の設置

 また,平成4年から5年にかけて,けん銃等の不法所持事件が急増し,とりわけ暴力団勢力以外の者によるけん銃等の不法所持事件やけん銃等を使用した凶悪犯罪が多発し,大きな社会問題となった。このため,5年,けん銃等の所持,輸入及び製造に関する罰則の強化,けん銃等の譲渡し,譲受け等の禁止,けん銃等を不法に所持する者がそのけん銃等を提出して自首してきた場合の刑の軽減,免除等を内容とする銃刀法及び武器等製造法の改正が行われた。
 これを受け,警察庁では,6年7月,生活安全局に銃器対策課を新設し,都道府県警察も,7年春までに,銃器摘発を専門に担当する銃器対策課・室等を設置するなど,銃器摘発体制の強化が図られた。同時に,銃器取締りに関する専門的捜査員の計画的育成,金属探知器等の取締り資機材の整備・充実等が図られた。
 さらに,6年11月に開催された「銃器犯罪対策に係る関係閣僚会合」における銃器対策の強化の申合せ,同年12月に開催された「けん銃取締り対策に関する関係省庁連絡会議」におけるけん銃等に対する法制強化の申合せ等を受けて,7年に銃刀法が改正・施行された。
 この改正では,不特定又は多数の者の用に供される場所等においてけん銃等を発射する行為の禁止,けん銃実包の所持の規制,けん銃等の密輸入に関する罰則の強化,クリーン・コントロールド・デリバリーの実効を上げるための罰則の新設,けん銃等に関する犯罪の捜査に当たり警察官等が行うけん銃等の譲受け等に関する規定の新設等所要の規定の整備が図られた。

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む