厳しい情勢の中での警衛・警護警備の実施

1警衛

1 天皇陛下御在位20年慶祝行事等に伴う警衛・警護警備

 天皇陛下御在位20年記念式典は、天皇陛下が平成21年1月7日に御在位満20年をお迎えになられたことに伴い、即位の礼が挙行された11月12日に、内閣主催により、都内の国立劇場において、天皇皇后両陛下御臨席の下、約1,000人(主催者発表)が参列して挙行されたほか、天皇皇后両陛下は、11月16日から20日までの間、大阪・京都へ行幸啓(地方事情御視察、京都御所における茶会御臨席)になりました。
 また、記念式典当日は、皇居において一般参賀(記帳)が行われ、約9,100人(主催者発表)が訪れたほか、午後には、皇居外苑地区において、天皇陛下の御在位20年を祝う超党派の「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」及び政財界等の代表で組織する「天皇陛下御即位二十年奉祝委員会」が主催する「天皇陛下御即位二十年をお祝いする国民祭典」が開催され、約3万人(主催者発表)が祝賀パレードを参観し、祝賀式典には約3万人(主催者発表)が参加しました。
 本警備に伴い、警察庁では、10月6日、「天皇陛下御在位20年慶祝行事等警備対策委員会」を設置し、総力を挙げて警備諸対策を推進しました。
 その結果、天皇皇后両陛下及び国内要人の身辺の安全確保、関係諸行事の円滑な進行の確保、雑踏事故防止及び交通の安全と円滑の確保を図り、本警備の所期の目的を達成しました。

2 警衛

 21年中、天皇皇后両陛下は、第60回全国植樹祭御臨場(6月、福井)、第64回国民体育大会御臨場(9月、新潟)、第29回全国豊かな海づくり大会御臨席(10月、東京)等のため行幸啓になりました。
 皇太子殿下は、第64回国民体育大会冬季大会御臨場(1月、青森)、第45回献血運動推進全国大会御臨席(7月、長崎)、平成21年度全国高等学校総合体育大会御臨場(7月、奈良)等のため行啓になりました。
 海外へは、天皇皇后両陛下が、国際親善のためカナダ国及びアメリカ合衆国(7月)をそれぞれ御訪問になりました。
 このほか、皇太子殿下が、国際親善のためベトナム国(2月)を御訪問になるなど、皇族方が計7回御訪問又は御旅行になりました。
 警察では、皇室と国民との親和に配意した警衛警備を実施し、御身辺の安全確保と歓送迎者の雑踏事故防止を図りました。
天皇陛下御在位20年慶祝行事等に伴う警衛・警護警備(11月、東京)
天皇陛下御在位20年慶祝行事等に伴う警衛・警護警備(11月、東京)

2警護

1 外国要人

 21年11月13日から14日にかけて、オバマ・米国大統領がアジア最初の訪問国として来日し、13日には総理大臣官邸で日米首脳会談、14日には、サントリーホールで政策スピーチをそれぞれ行い、その後、天皇皇后両陛下との御昼餐が催されました。警視庁では、警護員を含め、約1万6千人の警察官を動員するなど、所要の警護警備を実施し、オバマ大統領の安全を確保しました。
 また、5月11日から13日にかけてプーチン・ロシア首相が、6月28日に李明博・韓国大統領がそれぞれ来日したほか、5月には北海道占冠村トマムにおいて第5回太平洋・島サミットが、11月には、東京都において日メコン首脳会議がそれぞれ開催され、国内外から多数の要人が出席しました。関係警察では、所要の警戒警備諸対策を推進して外国要人の身辺の安全と会議の円滑な進行を確保しました。

2 国内要人

 第45回衆議院議員総選挙は21年8月18日公示、30日投開票の日程で施行され、与野党の熾烈な選挙戦を反映し多数の警護対象者が全国で遊説活動を行いました。選挙期間中、鳩山民主党代表は延べ34都道府県において、麻生自民党総裁(当時)は延べ32都道府県において、それぞれ街頭演説を行いました。
 関係警察では、右翼によるテロ等違法事案の発生が懸念される厳しい情勢の下、雑踏警備対策にも配意した的確な警護警備諸対策を推進し、国内要人の身辺の安全を確保しました。
オバマ・米国大統領と鳩山首相の警護状況(時事)
オバマ・米国大統領と鳩山首相の警護状況(時事)

要人警護訓練状況(11月、神奈川)
要人警護訓練状況(11月、神奈川)