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侵入窃盗の侵入手段を見ると、一戸建及び共同住宅(3階建以下)で、他の侵入手段に比べ、ガラス破りによるものが非常に多くなっています。
「手口で見る侵入犯罪の脅威」へ
 
 防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議では、防犯建物部品目録に掲載されているガラス(以下「防犯ガラス」という。)やウィンドウフィルム(以下「防犯フィルム」という。)の普及に努めているところですが、より多くの方々にその有効性について理解を深めていただく必要があります。
 次の映像は、ガラスの種類ごとに、バールによる打ち破り実験の状況を撮影したものです。
注意: 本実験で使用したガラス及びウィンドウフィルムは、それぞれの種類ごとに、最も一般的に流通しているものを選択していますが、製品により本実験よりも高い防犯性能を示すものもあります。 また、実験結果は、破壊する人の体力、技術等によって異なります。  
最も一般的で、広く開口部に使用されている板ガラスです。短時間で破壊され、防犯性能は望めません。
火災時にガラスが割れ落ちて火炎が貫通することによる延焼、類焼を防ぐために金網を封入したガラスです。防犯性能は、フロート板ガラスと同様、期待できません。
強化ガラスは、同じ厚さのフロート板ガラスに比べ約3倍の耐風圧強度を持っているガラスですが、防犯を目的としたガラスではありません。破損しても粒状になるため安全性は高いとされていますが、防犯性能は期待できません。
ウィンドウフィルムをクレセント付近のみに部分的に貼ることが一般的に行われていますが、打ち破り実験を実施すると、防犯建物部品でもA3サイズのフィルム(5mmのフロート板ガラスに貼付したもの)の場合は、1~2回打撃を加えただけでフィルムの面積相当の大きさの穴が開いてしまいます。官民合同会議では、防犯フィルムの貼付方法についてガラス露出部分への一枚全面貼りを条件としています。
防犯ガラスは、2枚以上のガラスの間に柔軟で強靱な中間膜を挟み、熱と圧力を加えて接着しており、破片が飛散しにくく、加撃物が貫通しにくいガラスです。よって、打ち破り試験で打撃を7回加えても十分な大きさの穴が開きません。他の手口についても、高い防犯性能を示します。
防犯フィルムは、その多くが総厚350μm以上のポリエステル製で5mmのフロート板ガラスに一枚全面貼りすることが条件になっており、打ち破り試験で打撃を7回加えてもフィルムが破れにくく、剥がれにくいため、十分な大きさの穴が開きません。他の手口についても高い防犯性能を示します。しかし、防犯フィルムであっても、施工時の十分な水抜き、十分な養生など適切な施工がなされていなければ、本来の防犯性能が発揮されないことから、専門の施工業者に適切な施工を依頼する必要があります。
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