項目 |
講じられた主な施策 |
評価 |
1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供 |
・「PTSD対策に係る専門家の養成研修会」の内容の充実等 |
「PTSD(心的外傷後ストレス障害)対策専門研修事業」を公募し、事業を適切に実施しているところ、当該研修内容には犯罪被害者等の精神的被害及び犯罪被害者等施策に関する議論も含まれているほか、研修修了後には各地方自治体に研修修了者名簿を送付しており、相談体制の充実が図られているといえる。引き続き、同研修の内容の充実を図るなどして、犯罪被害者等の精神的被害について、医療・福祉関係者に対する啓発を推進していく必要がある。 |
・犯罪被害者等への適切な対応に資する医学教育の促進 |
平成29年3月に「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を改訂した際に、従来の「ストレス関連疾病(外傷後ストレス障害〈PTSD〉を含む)の症候と診断を説明できる。」といった目標を最新の国際的な診断基準に基づき「不安障害群と心的外傷及びストレス因関連障害群の症候と診断を説明できる。」という目標へと見直しており、30年度から、改訂された内容に沿った教育が実施され、犯罪被害者等への適切な対応に資する医学教育の促進が図られたといえる。引き続き、犯罪被害者等への適切な対応に資する医学教育の促進について検討していく必要がある。 |
・ワンストップ支援センターの設置促進 |
都道府県による性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置について、令和2年までに各都道府県に少なくとも1か所設置するとの目標を掲げていたところ、平成29年度に創設した「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」を活用し、30年10月に全都道府県において設置を完了している。引き続き、各都道府県の実情に応じたワンストップ支援センター等の増設について検討を進め、施策を講じるとともに、同センターの運営の安定化及び質の向上を図るため、各地方公共団体の実情に応じた取組の支援の充実に努める必要がある。 |
2 安全の確保 |
・児童虐待の防止、早期発見・早期対応のための体制整備等 |
平成30年4月に施行された児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律(平成29年法律第69号)では、虐待を受けている子供等の保護を図るため、家庭裁判所が都道府県等に対して保護者指導を勧告することができることとするなど、司法関与を強化するなどの措置を講じることとされた。また、緊急総合対策に基づき、子供の安全確認ができない場合の立入調査の実施等全ての子供を守るためのルールの徹底等に取り組み、児童虐待の防止、早期発見・早期対応のための体制の整備を進めた。今後は、児童虐待防止対策体制総合強化プランによる児童相談所における児童福祉司等の増員や、令和元年6月に成立した児童福祉法等の一部を改正する法律(令和元年法律第46号)による児童相談所における医師及び保健師の配置の義務化等、更なる体制の強化及び運用面の充実を図る必要がある。 |
3 保護、捜査、公判等の過程における配慮等 |
・職員等に対する研修の充実等 |
犯罪被害者等に接する職員等に対する研修等を充実させることにより、犯罪被害者等の心情に対する理解を深め、職員等の対応の向上が図られていると評価することができるが、犯罪被害者団体等からは、引き続き犯罪被害者等の心情等に配慮した対応を望む声があることから、今後とも、職員等に対する研修の一層の充実を図っていく必要がある。 |