1 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)
トピックス 警察における犯罪被害者等支援
~埼玉県警察本部犯罪被害者支援室の令和2年度中の活動~
1 犯罪被害者等支援の気運の醸成
(1) 犯罪被害者支援PR大使の委嘱
埼玉県警察では、埼玉県及び公益社団法人埼玉犯罪被害者援助センター(埼玉県公安委員会指定の犯罪被害者等早期援助団体)と共に、元AKB48の松井咲子さんに犯罪被害者支援PR大使を委嘱し、犯罪被害者等支援の輪を広げるための動画への出演、各種イベントへの出席等の協力を得ています。


(2) 犯罪被害者支援動画「あかねちゃんのピアノ」の作成
平成30年9月9日、さいたま市立宮原中学校2年の女子生徒が自転車で走行中に大型トラックに衝突され、その若い命が失われました。女子生徒は幼い頃からピアノを習い、校内の合唱コンクールでピアノの伴奏をすることになっていました。
埼玉県警察が作成した犯罪被害者支援動画「あかねちゃんのピアノ」には、遺族や先生へのインタビューを通して、亡くなった女子生徒の思いや遺族の願い等が収められています。また、女子生徒が伴奏するはずだった楽曲を松井咲子さんが伴奏し、宮原中学校の生徒が事件や事故のない世界への願いを込めて歌う合唱も聴くことができます。


YouTubeチャンネル
「あかねちゃんのピアノ」

(3) 犯罪被害者等施策のPR動画の作成
埼玉県警察では、松井咲子さん、ラジオパーソナリティの大野勢太郎さん等、埼玉県ゆかりの著名人が出演する犯罪被害者等施策のPR動画を作成しました。
作成した動画は、YouTubeの埼玉県警察公式チャンネルで公開しているほか、埼玉県内の街頭モニター等でも放映されました。

YouTubeチャンネル
松井咲子さんPR動画


YouTubeチャンネル
大野勢太郎さんPR動画

2 犯罪被害者等に寄り添った支援
(1) 犯罪被害者等に対するカウンセリング
埼玉県警察本部犯罪被害者支援室には、臨床心理士等の資格を有するカウンセラーが2名在籍しており、心理的な支援を必要とする犯罪被害者等に対し、プライバシー等に十分に配慮してカウンセリングを実施しています。また、犯罪被害者等支援に当たる警察職員も、カウンセラーの指導の下、犯罪被害者等が二次的被害を受けることのないよう注意して対応しています。

(2) 病院への付添い等の直接的支援
埼玉県警察本部犯罪被害者支援室では、犯罪被害者等の不安を可能な限り軽減できるよう、犯罪被害者等の要望に応じて、警察職員が病院に付き添い、犯罪被害者等に代わって事件概要を医師に説明したり、裁判所に付き添って一緒に裁判を傍聴したりするなどの付添い支援のほか、捜査の流れの説明や、転居等の行政手続及び無料法律相談を含む各種相談窓口の案内等、犯罪被害者等に寄り添った直接的な支援を行っています。

3 関係機関との連携
(1) 「彩(さい)の国犯罪被害者ワンストップ支援センター」の活動
埼玉県では、埼玉県警察本部犯罪被害者支援室、埼玉県防犯・交通安全課及び公益社団法人埼玉犯罪被害者援助センターの三機関が「彩の国犯罪被害者ワンストップ支援センター」を構成し、同一施設の同一フロアに所在しており、犯罪被害者等がいずれか一つの機関に相談すれば、これらの機関の間で必要な情報が共有され、各機関から支援を受けることができるようになっています。
(注) 「彩の国」とは、埼玉県の愛称です。「彩」は、いろどりや美しさを表す言葉で、四季折々の色彩豊かな自然に恵まれ、産業、文化、学術等様々な分野で発展する埼玉県を表現しています。
(2) 「埼玉県犯罪被害者支援推進協議会」の活動
官民一体となった犯罪被害者等支援の充実を図るため発足した「埼玉県犯罪被害者支援推進協議会」(会長:埼玉県警察本部長)には、令和2年9月現在、埼玉県警察をはじめ、検察庁や保護観察所等の国の機関、埼玉県庁やさいたま市の関係部署、医師会、弁護士会、報道機関、交通事業者、金融機関、犯罪被害者等支援に賛同する団体・企業等、119の機関が加盟しており、様々な活動を行っています。
例えば、加盟機関の一つである地元テレビ局のテレビ埼玉は、犯罪被害者等支援に関する埼玉県の取組に関する番組を放送し、広く県民に紹介しました。

