1 国民の理解の増進（基本法第20条関係）
トピックス 犯罪被害者週間
第3次基本計画においては、「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」を重点課題の一つとして掲げ、「様々な機会を通じて、教育活動や広報啓発活動等による息の長い取組を行い、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等についての国民の理解や共感を深め、犯罪被害者等への配慮と犯罪被害者等のための施策への協力を確保するための取組」を行うこととされている。
このため、警察庁では、関係省庁の協力を得て、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」として設定し、当該週間に合わせて、啓発事業を集中的に実施することとしている。
令和元年度においては、東京都における中央イベント（11月29日）を開催するとともに、地方公共団体等と共に、富山県（11月21日）及び栃木県（11月28日）における地方大会を開催した。
【中央イベント】
中央イベントでは、犯罪被害者等に関する標語（施策番号241参照）の表彰式、基調講演、パネルディスカッション等を行った。
表彰式では、犯罪被害者等に関する標語の最優秀賞を受賞した伊藤志保さんに対して、表彰が行われた。
基調講演では、犯罪被害者御遺族の本郷紀宏氏から、「附属池田小児童殺傷事件からの教訓～子どもの安全を守るために～」をテーマに、凄惨な事件の状況や御遺族の心情、事件を防げなかった当時の学校の体制や、そこから得られた教訓として、学校現場における危機管理マニュアル作成の重要性及び地域住民の協力、学校と地域の連携の必要性等について講演が行われた。
パネルディスカッションでは、「地域における犯罪被害者等支援～自治体と関係機関・団体との連携によるきめ細やかな支援の実現を目指して～」をテーマに、コーディネーターとして大岡由佳氏（武庫川女子大学准教授）、パネリストとして青木聰子氏（犯罪被害者御遺族、NPO法人犯罪被害当事者ネットワーク緒あしす代表）、北條正崇氏（弁護士、日本弁護士連合会犯罪被害者支援委員会委員、公益社団法人なら犯罪被害者支援センター理事）、鶴田信子氏（公益社団法人被害者支援都民センター犯罪被害相談員心理相談担当責任者）及び木本克己氏（横浜市市民局人権課専任職（社会福祉業務担当）、精神保健福祉士、公認心理師、臨床心理士）を迎え、被害者の被害回復及びその生活の再建に向けた支援の在り方、自治体や関係機関、団体に求められている役割、連携の在り方等について議論が行われた。
【富山大会】
富山大会は、警察庁、富山県、富山県警察及び公益社団法人とやま被害者支援センターが共催した。
基調講演では、「少年犯罪で息子を奪われた母の想い」をテーマに、犯罪被害者御遺族の武るり子氏（少年犯罪被害当事者の会代表）から、息子を犯罪で亡くした悲しみやその後の自身が置かれた状況、学生等と共に続けている集会をはじめとした「少年犯罪被害当事者の会」代表としての活動等について講演が行われた。
パネルディスカッションでは、「私たちにできる犯罪被害者支援」をテーマに、コーディネーターとして西尾憲子氏（高岡法科大学法学部法学科准教授）、パネリストとして大岡由佳氏（武庫川女子大学准教授）、木村なぎ氏（性暴力被害ワンストップ支援センターとやまセンター長）、武るり子氏（基調講演者）及び在田吉宏氏（公益社団法人富山青年会議所2019年度理事長）を迎え、一般市民にもできる犯罪被害者等への支援、個人が主体となってできる活動等について議論が行われた。
展示コーナーでは、関係機関・団体等によるパネル、ポスター、リーフレット等の展示・配布が行われた。
【栃木大会】
栃木大会は、警察庁、栃木県、栃木県警察及び公益社団法人被害者支援センターとちぎが共催した。
基調講演では、「地域における被害者支援の充実を目指して」をテーマに、安田貴彦氏（公益社団法人全国被害者支援ネットワーク顧問、京都大学総合生存学館特任教授、元警察大学校長）から、犯罪被害者支援の発展や自治体における犯罪被害者支援条例の制定の重要性等について講演が行われた。
パネルディスカッションでは、「被害者支援の気運をもりあげるために」をテーマに、コーディネーターとして辻惠介氏（武蔵野大学教授）、パネリストとして嶝口知宏氏（和歌山県県民生活課生活安全班長）、安田貴彦氏（基調講演者）、工藤光広氏（栃木県警察本部県民広報相談課犯罪被害者支援室長）及び和氣みち子氏（公益社団法人被害者支援センターとちぎ事務局長）を迎え、犯罪被害者の思い、地方自治体における犯罪被害者支援条例の必要性等について議論が行われた。
また、寄附金や寄附金付の自動販売機設置者に対する感謝状贈呈等の表彰式が開催された。
さらに、展示コーナーでは、関係機関・団体等によるパネル、ポスター、リーフレット等の展示・配布が行われた。
