1 国民の理解の増進(基本法第20条関係)
コラム20 全国被害者支援ネットワークによる広報活動
公益社団法人全国被害者支援ネットワークは、各都道府県にある被害者支援センターによって構成されている。各被害者支援センターでは、犯罪被害相談員等が犯罪被害者等の声(悲しみ、悩み、怒り、自責の念等)に応え、電話相談、裁判や病院への付添い等を行っており、被害者に寄り添うことによって、被害者が受けた被害の回復・軽減に努めている。
しかし、内閣府が平成29年1月に実施した「犯罪被害者等施策に関する世論調査」では、相談機関・窓口としての被害者支援センターの認知度は25.5%であり、被害者支援センターの活動は十分に国民に浸透しているとはいえず、また、被害者支援センターの存在を知らない犯罪被害者等から「知っていれば早い時期に支援を求めることができた」との声が寄せられるなど、犯罪被害者等の声に十分に応えられていない現状であったことから、被害者支援センターの活動を国民に広く周知するための活動が喫緊の課題であった。
そこで、公益社団法人ACジャパンの協力を得て、その支援キャンペーンとして、同年7月から30年6月までの1年間、テレビ・ラジオCM、新聞・雑誌広告を通じて「事件は解決しても、被害は解決していない。」というメッセージを強く伝え、犯罪被害者等に寄り添った全国被害者支援ネットワークの活動を分かりやすく伝えている。
全国被害者支援ネットワークのウェブサイトへのアクセス数は、支援キャンペーンを実施する前と比べて増加している。この支援キャンペーンを通じて全国被害者支援ネットワークと全国の被害者支援センターについて国民の理解を深めるとともに、一人でも多くの被害者が容易かつ早期に適切な支援を受けられるよう、啓発活動を行っている。