第4章 支援等のための体制整備への取組

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2 調査研究の推進等(基本法第21条関係)

コラム16 犯罪被害類型別調査

警察庁では、第3次基本計画に基づき、被害類型別に、犯罪被害者等の置かれた状況について調査を実施し、犯罪等被害が心身の健康状態に及ぼす影響、主観的な回復状況とその要因に関する認識等を把握し、各府省庁の施策の企画・立案等に反映させることを目的として、平成29年度に犯罪被害類型別調査を実施したところ、その結果の概要については、次のとおりである(詳細については、警察庁ウェブサイト「平成29年度犯罪被害類型別調査」(https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kohyo/report/h29-1/index.html)参照)。

1 警察への通報状況

警察へ通報した者の割合については、交通事故が91.1%で最も高く、次いで殺人・殺人未遂又は傷害等の暴力被害(以下「殺人・傷害」という。)が48.8%で高くなっている一方、児童虐待は5.0%、配偶者からの暴力は9.6%、性的な被害は20.1%で低くなっている。

また、被害時の年齢が上がるほど、警察へ通報した者の割合が高まる傾向がみられる。

2 相談相手・機関

被害に遭った際の相談状況については、「どこにも(誰にも)相談していない」との回答比率は、児童虐待が74.3%、性的な被害が52.1%で高くなっている一方、交通事故は21.5%、ストーカー行為等は23.9%で低くなっている。

また、相談相手・機関については、全ての被害類型で「母」との回答比率が最も高く、配偶者からの暴力及び交通事故では「家族」が、ストーカー行為等及び殺人・傷害では「家族」及び「友人・知人」が、それぞれ高くなっている。

さらに、交通事故及び殺人・傷害では、警察等の「専門機関」も高くなっている。

最初に相談した相手・機関(複数回答)
最初に相談した相手・機関(複数回答)

3 通報・相談までに要した期間

被害に遭ってから最初に通報・相談するまでに要した期間の回答比率については、交通事故、性的な被害及び殺人・傷害では「1時間未満」及び「1時間以上1日未満」が高い一方、ストーカー行為等では「1か月以上6か月未満」が、児童虐待では「3年以上」が、それぞれ高くなっている。

4 相談しなかった理由

「どこにも(誰にも)相談していない」理由の回答比率については、配偶者からの暴力では「他人に知られたくなかった」(47.5%)及び「おおごとにしたくなかった」(47.5%)が、ストーカー行為等では「どこに相談すればよいかわからなかった」(23.7%)及び「相談するほどのことではないと思った」(23.7%)が、児童虐待では「低年齢であったため、相談することを思い至らなかった」(73.1%)が、性的な被害では「他人に知られたくなかった」(29.5%)が、交通事故及び殺人・傷害では「特に理由はない」(それぞれ24.4%、27.5%)が、それぞれ高くなっている。

5 相談しやすくなるための条件

相談しやすくなるための条件の回答比率については、警察に対しては「周りの人に知られずに相談できること」が、自治体や民間の相談機関・団体に対しては「周りの人に知られずに相談できること」及び「無料で相談できること」が、それぞれ高くなっている。

警察庁では、本調査の結果も踏まえ、第3次基本計画に基づき、引き続き、関係府省庁と連携しながら、適切な犯罪被害者等施策の推進に努めることとしている。

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