警察庁 National Police Agency

警察庁ホーム  >  犯罪被害者等施策  >  公表資料の紹介:犯罪被害者白書  >  平成30年版 犯罪被害者白書  >  コラム4 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)による自動車事故被害者支援

第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

目次]  [戻る]  [次へ

1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

コラム4 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)による自動車事故被害者支援

独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA〔ナスバ〕:http://www.nasva.go.jp/)では、「安全・安心のパートナー ~頼れるナスバ、寄り添うナスバ~」を基本理念として掲げ、自動車事故被害者支援と自動車事故防止を通して、安全・安心・快適な社会の実現を目指して活動しているところ、このうち、自動車事故被害者に対する具体的な支援策については、次のとおりである。

○ 療護施設の設置・運営

遷延性意識障害者(自動車事故により脳損傷を生じ、重度の意識障害が継続する状態にあり、治療と常時の介護を必要とする者)を対象として、社会復帰の可能性を追求しながら適切な治療と看護を行う専門の療護センターを国内4か所に、療護センターに準じた治療等を行う療護施設機能委託病床(NASVA委託病床)を国内5か所に、それぞれ設置・運営している。

これらの施設では、高度先進医療機器(CT、MRI、PET等)で入手した検査情報を基に、個々の患者に合った効果的な治療等の方針を策定している。

また、入院患者のわずかな意識回復の兆しを捉えることができるよう、「ワンフロア病棟システム」を取り入れるとともに、基本的には同じ看護師が一人の入院患者を継続して受け持つ「プライマリー・ナーシング方式」の看護体制を導入しており、日常生活を通じてなるべく多くの自然刺激を入院患者に与え、少しでも症状が改善するよう、きめ細かな配慮の下に治療等を行っている。

○ 在宅介護への支援

在宅で介護を受ける自動車事故被害者とその家族に、介護料の支給をはじめとする各種支援を行っているほか、職員が介護料受給者宅を訪問し、自動車事故被害者等のニーズを直接伺うとともに、必要な情報提供を行う訪問支援を行っている。

○ 交通遺児等の育成支援

自動車事故により死亡又は重度の後遺障害が残った被害者の子供の健全な育成を図るため、生活状況が困窮していると認められる家庭の子供を対象として、中学校卒業までの育成資金の無利子貸付を実施している。

NASVAの使命は、自動車事故被害者支援と自動車事故防止であることを常に肝に銘じ、今後も、国民の「安全・安心のパートナー」として、NASVAにしかできないこれらの施策の確実な実施を通じて広く社会の期待に応えていく。

NASVAが設置・運営する療護施設
NASVAが設置・運営する療護施設
ワンフロア病棟システム
ワンフロア病棟システム

目次]  [戻る]  [次へ

警察庁 National Police Agency〒100-8974 東京都千代田区霞が関2丁目1番2号
電話番号 03-3581-0141(代表)