第2節 精神的・身体的被害の回復・防止への取組
コラム12 支援の現場から<2>(平成26年度中における地方公共団体職員の犯罪被害者支援取組例の紹介)
B市では,DV被害者に対する支援を行った。
被害者方は夫婦,子供2人の4人家族であった。
B市に対して,被害者である妻から,夫からの身体的・精神的暴力についての相談があった。夫からの暴力は日常的に行われており,妻は「自分さえ我慢すればいい」と耐えている状況であった。
B市の相談員は,被害者の気持ちに寄り添い,警察との連携を含めた支援を行っていた。そうしていたところ,ある日,身の危険を感じた被害者が夫の暴力から逃れるため,警察を通じて保護施設へ緊急避難した。しかし,子供を残してきたことと,夫が謝罪し,反省していることを受け,自宅へ帰った。
ところが,2~3週間経つと,夫から被害者への暴力が再開した。夫の暴力は,妻の実家等へも及び,命を脅かす危険な行動となっていった。
B市では,妻の気持ちと身の安全を最優先に考え,警察や庁内各関係機関と連携し,妻と子供たちを安全な場所へと一時避難させた。また,生活保護を受給せず自立した生活を送りたいという被害者の意思を尊重し,今後,安定した生活を送ることができるよう,関係機関の協力を得て,就労支援等を行った。