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コラム8 「犯罪被害者支援功労者・功労団体表彰」等の新設について

我が国における犯罪被害者支援は,昭和41年5月に神奈川県横浜市で通り魔によって息子さんを殺害された「市瀬朝一」氏が結成された「殺人犯罪の撲滅を推進する遺族会」等による被害者補償制度の創設を訴える活動や,昭和49年8月に東京丸の内で発生した三菱重工ビル爆破事件などを契機として,昭和55年に「犯罪被害者等給付金支給法」が制定され,殺人や傷害などの人の生命又は身体を害する故意の犯罪行為により,不慮の死を遂げた方の御遺族や身体に重い障害が残った方に対する経済的援助から始まりました。

その後,平成3年10月に開催された「犯罪被害者等給付金支給法発足10周年記念シンポジウム」において,飲酒・ひき逃げ事件によって息子さんの命を奪われた被害者遺族である大久保惠美子さんが,精神的援助の必要性を強く訴えられたのを契機として,翌平成4年3月,東京医科歯科大学難治疾患研究所に「犯罪被害者相談室」が開設され,我が国初の民間被害者支援団体による支援活動がスタートしました。

それから20年余が経過した平成25年3月末現在,民間被害者支援団体の傘団体である「認定特定非営利活動法人全国被害者支援ネットワーク(平成8年5月設立)」(以下「ネットワーク」という。)に加盟する民間被害者支援団体は48団体で,47都道府県全てに設立(北海道は2団体)されており,犯罪被害者やその御家族・御遺族(以下「犯罪被害者等」という。)に対する電話相談や面接相談,検察庁や裁判所への付き添い支援等の様々な支援活動が行われています。

犯罪被害者等が,再び平穏な生活を取り戻すことができるようにするためには,被害発生直後から中長期にわたって,犯罪被害者等が希望する場所で,多様なニーズに応じた支援を途切れることなく受けられるようにしなければなりません。また,犯罪被害の直後から犯罪被害者等の支援に当たる警察と,警察等の公的機関では十分に対応できない個々の犯罪被害者等の事情に即したきめ細かな支援を継続的に実施することができる民間被害者支援団体が,緊密に連携することが極めて重要です。

そのため,平成14年1月,「犯罪被害等を早期に軽減するとともに,犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう支援することを目的として設立された非営利法人であって,その都道府県内において犯罪被害者支援活動を適正かつ確実に行うことができると認められる団体」を都道府県公安委員会が「犯罪被害者等早期援助団体」として指定する制度が制定されました。平成25年3月末現在,ネットワークに加盟する民間被害者支援団体のうち44団体が,犯罪被害者等早期援助団体として指定されています。

そして,制度の制定から10年余が経過した平成24年6月,これら犯罪被害者等早期援助団体をはじめ,電話相談や面接相談等を行っている犯罪被害相談員の方々や,検察庁や裁判所への付き添い支援等を行っている犯罪被害者直接支援員の方々の中で,多年にわたり犯罪被害者支援活動に尽力し,多大な功労があったと認められる方々等に対して,警察庁長官とネットワーク代表者とが連名表彰等を行う「犯罪被害者支援功労者・功労団体表彰等」の表彰制度が,警察庁とネットワークとによって設けられました。

平成24年9月28日(金),東京都千代田区「イイノホール」において開催された「全国犯罪被害者支援フォーラム2012」の第一部では,その記念すべき第1回目の表彰式が行われ,次の方々が栄えある各賞を受賞されました。

まず始めに,犯罪被害者支援功労者表彰の「犯罪被害者支援栄誉章」の表彰が行われました。この表彰は,原則として10年以上犯罪被害者支援活動に御尽力され,特に顕著な功労があったと認められる犯罪被害相談員等の方々に授与される表彰で,次の4名の方々が受賞されました。

・ 社団法人秋田被害者支援センター

佐々木(ささき) 桂子(けいこ) さん

・ 公益社団法人みやぎ被害者支援センター

遠藤(えんどう) 和子(かずこ) さん

・ 公益社団法人いばらき被害者支援センター

森田(もりた) ひろみ さん

石川(いしかわ) 葉子(ようこ) さん

犯罪被害者支援栄誉章

次に,「犯罪被害者支援特別栄誉章」の表彰が行われました。この表彰は,原則として15年以上犯罪被害者支援活動に御尽力され,多大な功労があったと認められる犯罪被害相談員等の方々に授与される表彰で,次の3名の方々が受賞されました。

・ 公益社団法人京都犯罪被害者支援センター

宮井(みやい) 久美子(くみこ) さん

・ 公益社団法人みやぎ被害者支援センター

大場(おおば) 精子(せいこ) さん

・ 公益社団法人被害者支援都民センター

望月(もちづき) 廣子(ひろこ) さん

犯罪被害者支援特別栄誉章

次に,「犯罪被害者支援功労団体表彰」が行われました。この表彰は,民間被害者支援団体として10年以上犯罪被害者支援活動に尽力し,かつ,犯罪被害者等早期援助団体として指定を受けてから5年以上が経過し,顕著な功労が認められる団体に授与される表彰で,次の3団体が受賞されました。

・ 公益社団法人被害者支援都民センター

・ 公益社団法人いばらき被害者支援センター

・ 公益社団法人京都犯罪被害者支援センター

犯罪被害者支援功労団体表彰

最後に,平井紀夫ネットワーク理事長から感謝状が贈呈されました。この感謝状は,ネットワーク又は犯罪被害者等早期援助団体の犯罪被害者支援活動等に関し,多大な協力や支援を行われた個人又は団体に贈呈されるもので,次の4名の方々と1団体が受賞されました。

・静岡県静岡市

木宮(きみや) 明恵(はるえ) さん

・静岡県静岡市

川村(かわむら) 恵美子(えみこ) さん

・神奈川県川崎市

穂積(ほづみ) 隆信(たかのぶ) さん

・ 東京都練馬区

星野(ほしの) 宏一(こういち) さん

・東京光が丘ライオンズクラブ さん

感謝状

犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進することによって,犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的として,平成16年12月,犯罪被害者等基本法が制定されました。これにより,国の責務,地方公共団体の責務及び国民の責務が定められ,関係機関の連携協力による効果的な犯罪被害者支援活動が義務付けられるとともに,政府における犯罪被害者等基本計画の策定がスタートし,現在,平成27年度末を目途とする「第2次犯罪被害者等基本計画」に基づく諸対策が推進されているところです。

そのような中,警察等の公的機関では十分に対応することのできない個々の犯罪被害者等の事情に即したきめ細かな犯罪被害者支援活動を,犯罪発生の直後から中長期的にわたって途切れることなく実施することができる「犯罪被害者等早期援助団体」に対する国民の期待は高まっています。

この度新設された表彰制度を契機として,犯罪被害者等早期援助団体における支援活動が,一層充実強化されることが期待されています。

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