コラム3 地方公共団体の取組(性犯罪被害者支援のための連携強化事業)
1 「性暴力被害者等支援強化のための研修及び広報事業」(福島県)
福島県では,性暴力被害者支援のためのネットワークを強化,充実するため,各機関と連携し施策に取り組んでおりますが,性暴力被害者については,支援従事者にもどのように対応すれば良いのか分からないなどの不安があることから,それらの不安を取り除くこと及び被害者等を取り巻く状況等について学びスキルアップを図ることを目的に本事業を実施しました。
○ 対象者毎に分けた複数回の研修会実施(相談支援員向け,教育関係者向け,医療従事者向け,被害者やその身近な相談相手となる可能性がある10代女性向け,及びその保護者相当の年代向け)
○ 支援の要点をまとめたリーフレットの作成,配布(各支援機関・教育機関向け及び医療関係者向け)

2 「性犯罪被害者支援強化のための研修及び広報事業」(神奈川県)
神奈川県においては,既に県,県警察及び民間支援団体が県産科婦人科医会と性犯罪被害者支援について協定を締結しているので,ネットワーク化がある程度進んでいた地域であるといえます。より充実した産婦人科医療における支援及び実際に被害に遭った方が支援を受けやすい環境を醸成する目的で本事業を実施しました。
○ 産婦人科医師,看護師等の医療従事者向け研修の実施
○ 産婦人科医療機関向けの手引きの作成及び配布
○ 県・県警・民間支援団体で運営している「かながわ犯罪被害者サポートステーションの電話番号等を記載したカードやステッカーを県内産婦人科医療機関,商業施設等に配布し,女性用化粧室等へ配置してもらう。


3 「急性期性犯罪・性暴力被害者支援のための府民向け広報啓発事業」(大阪府)
大阪府では,全国に先駆けて,病院内に性暴力被害者支援に特化した相談センターが設置された「ワンストップ支援センター」である「性暴力救援センター・大阪」を軸に,警察その他の関係諸機関,支援へとつながる基盤ができていたことから,予めいろいろな方々に性犯罪被害の実態と支援体制について知っておいていただく機会とすることを目的に本事業が実施されました。
○ 府民向け講演会(「性暴力救援センター・大阪」,「ウィメンズセンター大阪」,大阪府警察それぞれの支援の実情等について)
○ リーフレットの作成,配布(特に府内の高等学校や支援学校)
