警察庁 National Police Agency

警察庁ホーム  >  犯罪被害者等施策  >  公表資料の紹介:犯罪被害者白書  >  平成24年版 犯罪被害者白書  >  1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

[目次]  [戻る]  [次へ]

第2節 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

《基本計画において〔今後講じていく施策〕とされたもの》

(1) 「PTSD対策に係る専門家の養成研修会」の内容の充実等

厚生労働省において、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士などを対象としたPTSD(心的外傷後ストレス障害)専門家の養成研修などを行い、精神保健福祉センター、病院、保健所などでPTSD 相談事業活動を取り入れ、各施設での活動の充実を図っている。

「PTSD 対策専門研修会」では、犯罪被害者の心のケアに関する研修も実施しており、平成23年度は138人が受講した。平成22年度からは、医師、コ・メディカル*5などを対象に講義だけでなく、模擬患者等を用いた実際の対応法の提示等を適宜組み合わせた実践的内容としている。

(2) PTSD治療の可能な医療機関についての情報提供

保健所や精神保健福祉センターにおいて、犯罪被害者等に対して、精神保健に関する相談支援を実施しており、医療が必要な場合には、医療機関に紹介を行うなど、関係機関と連携している。

保健所において、地域精神保健活動の一環として、精神保健相談窓口を設置し、心の健康相談を実施している。

精神保健福祉センターにおいても、専門知識を有する者による面接相談や電話相談(「こころの電話」)の窓口を設置し、地域住民が気軽に相談できるような体制を整備している。また、必要に応じ医師による診察を行い、医療機関への紹介や医学的指導などを行っている。

(3) 犯罪被害者等への適切な対応に資する医学教育の促進

文部科学省において、平成23年3月に「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を改訂し、PTSDに関する記述を明記するとともに、医療系の学部関係者が参加する各種会議で基本計画の内容を紹介し、各大学におけるカリキュラム改革の取組を要請している。

また、厚生労働省において、医学部卒業後の医師臨床研修の到達目標に「精神・神経系疾患」を経験が求められる疾患として位置付けており、研修医の精神疾患に対する初期対応と治療の実際への理解を促進している。

(4) 精神保健福祉センターに対する犯罪被害者等支援業務についての理解促進

厚生労働省において、医療機関と犯罪被害者等支援に係る諸機関・団体などとの連携・協力を図るため、「支援のための連携に関する検討会」の検討結果を踏まえ、必要に応じて、情報提供に関して協力要請をするなど、適切に対応している。

また、平成17年度より3年計画で行っている「犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究」では、地域精神保健機関の犯罪被害者支援における関係諸機関との連携に関する調査を実施した。19年度は、17年度、18年度の調査研究の結果などを踏まえて、精神科医療機関における犯罪被害者治療を促進するための提言をまとめた。20年度には、「犯罪被害者等支援のための地域精神保健福祉活動の手引」(http://www.ncnp.go.jp/nimh/seijin/www/pdf/shiryo_tebikizenbun.pdf別ウインドウで開きます)を作成し、精神保健福祉センターに配布した。

なお、精神保健福祉センター、保健所において、現在、心のケアが必要な犯罪被害者等に対して、精神保健に関する相談支援を行っている。

(5) PTSDの診断及び治療に係る医療保険適用の範囲の拡大

厚生労働省において、平成18年度の診療報酬改定(同年4月1日施行)で、PTSD の診断のための心理テストを保険適用としているほか、平成22年度の診療報酬改定においては、通院・在宅における精神科専門療法を長時間(30分以上)行う場合の評価を充実したところである。

(6) 地域格差のない迅速かつ適切な救急医療の提供

厚生労働省において、ドクターカー・ドクターヘリの普及や、初期救急医療、入院を要する救急医療、救命救急医療の体制の整備を図っている。

また、医学的観点から救急救命士を含む救急隊員が行う応急処置等の質を担保するために全国に約290設置されているメディカルコントロール(MC)協議会の質を底上げし、MC 体制*6を充実強化することを目的として消防庁・厚生労働省において、全国MC 協議会連絡会を開催している。

(7) 救急医療に連動した精神的ケアのための体制整備

厚生労働省において、救命救急センターに犯罪被害者等が搬送された場合にも、救急医療の実施と併せて、精神科の医師による診療などが速やかに行われるよう、精神科の医師を必要に応じ適時確保することを各都道府県に求めている。

さらに平成22年度から「救命救急センターの評価」の評価項目に救急医療と精神科医療との連携体制を評価する項目の追加をし、その結果について公表することとしている。

なお、現在すべての研修医が、精神疾患に対する初期的対応、精神的ケアと治療の実際を学ぶことになっている。

(8) 交通事故による重度後遺障害者に対する医療の充実等

自動車事故により常時又は随時介護を要する重度の後遺障害を負った被害者に対しては、独立行政法人自動車事故対策機構(http://www.nasva.go.jp/別ウインドウで開きます)において、介護料の支給、在宅介護に係る支援(重度後遺障害者宅への訪問による相談対応や各種情報の提供、短期入院費用の一部助成等)、適切な治療及び看護を行う専門病院である療護センター(委託病床を含め全国6か所)の設置・運営等により、被害者支援の充実強化を図っている。

(9) 高次脳機能障害者への支援の充実

厚生労働省において、各都道府県に高次脳機能障害者に対する支援を行うための支援拠点機関を設置し、相談支援コーディネーターによる専門的な相談支援、関係機関との地域ネットワークの充実、高次脳機能障害の支援手法などに関する研修などを行う「高次脳機能障害支援普及事業」を実施している。

平成22年6月には、高次脳機能障害支援拠点機関が全都道府県に設置されている。

また、平成23年度には、国立障害者リハビリテーションセンター内に「高次脳機能障害情報・支援センター」を設置し、高次脳機能障害者に関する様々な情報や最新の高次脳機能障害者支援情報を集約し、高次脳機能障害者やその家族及び支援関係者等に役立つ情報をホームページで発信する体制を整備する等、情報提供機能の強化を図っている。

高次脳機能障害支援普及事業(イメージ図)
高次脳機能障害支援普及事業(イメージ図)
提供:厚生労働省

(10) 思春期精神保健の専門家の養成

厚生労働省において、「思春期精神保健対策専門研修」として、医師、コ・メディカルスタッフ、ひきこもり支援従事者を対象に、児童虐待や家庭内暴力などに起因する精神障害など子どもの心の診療に関連した系統講義を行っている。

平成23年度は、医療従事者専門研修(全2回)にのべ112人、コ・メディカル専門研修に84人、ひきこもり対策研修に159人が参加した。

(11) 少年被害者のための治療等の専門家の養成、体制整備及び施設の増強に資する施策の実施

厚生労働省において、近年、虐待を受けた子どもの児童養護施設などへの入所が増えていることから、児童養護施設などに心理療法担当職員及び被虐待児個別対応職員の配置を平成23年度から義務化するなど適切な援助体制を確保してきた。

また、児童相談所において、業務遂行のため、所長、次長、各部門の長のほか、スーパーバイザー(教育・訓練・指導担当の児童福祉司、児童心理司)、児童福祉司、相談員、精神科を専門とする医師、児童心理司、心理療法担当職員などを配置することとしている。児童相談所における児童心理司は、平成23年度において1,162人配置されている。

(12) 警察における性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実

P4「警察における性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実」参照

(13) 性犯罪被害者に対する緊急避妊に関する情報提供

P4「性犯罪被害者に対する緊急避妊に関する情報提供」参照

(14) 医療機関における性犯罪被害者への対応の体制の整備

P5「医療機関における性犯罪被害者への対応の体制の整備」参照

(15) 性犯罪被害者対応における看護師等の活用

P5「性犯罪被害者対応における看護師等の活用」参照

(16) ワンストップ支援センターの設置促進

P5「ワンストップ支援センターの設置促進」P15第2節「性犯罪被害者のための総合的支援としてのワンストップ支援センター」参照

(17) 犯罪被害者等に関する専門的知識・技能を有する臨床心理士の養成等

内閣府において、一般社団法人日本臨床心理士会から臨床心理士の養成課程等の現状についてヒアリングを行った。

(18) 犯罪被害者に係る司法関連の医学知識と技術について精通した医療関係者の在り方及びその養成のための施策の実施

厚生労働省において、平成17年度からの厚生労働科学研究として、「犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究」を3年計画で行い、

  1. 犯罪被害者の精神医学的状態についての実態とニーズ調査
  2. 医療場面などにおける犯罪被害者の実態とニーズの調査
  3. 精神保健福祉センターなどの職員が犯罪被害者に関わる場合のマニュアル作り
  4. 重度ストレスに対する心理治療の研究

などを進め、これらを踏まえ「犯罪被害者等支援のための地域精神保健福祉活動の手引」(http://www.ncnp.go.jp/nimh/seijin/www/pdf/shiryo_tebikizenbun.pdf別ウインドウで開きます)を作成し、精神保健福祉センターへ配布した。

また、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所においては、平成19年1月、第1回「犯罪被害者メンタルケア研修」を実施した。同研修は、精神科医療機関、精神保健福祉センター、保健所、犯罪被害者支援関連機関に勤務する医療・臨床心理、福祉業務従事者に対し、犯罪被害者・遺族への適切な対応を行うために必要な基本的知識と治療対応について修得することを目的とし、平成24年1月には第6回を実施している。

同研修は、犯罪被害者やその家族の置かれている現状、基本法や基本計画の概要、関連する司法制度、犯罪被害者等への初期対応といった内容から成り、3日間の研修に56人の医療従事者が参加した。

(19) 検察官等に対する研修の充実

法務省において、犯罪被害者等に配慮した捜査・公判活動を行うため、検察官などに対する研修の中で、犯罪被害者支援などをテーマとする講義を行っているほか、検察官に市民感覚を学ばせるため、犯罪被害者支援団体などの公益的活動を行う民間団体や民間企業に検察官を一定期間派遣する研修などを実施している。また、検察庁に配置されている被害者支援員に対し、研修を実施している。

(20) 法科大学院における教育による犯罪被害者等への理解の向上の促進

文部科学省において、犯罪被害者等に対する理解の向上を含め、真に国民の期待と信頼に応え得る法曹の養成に努めるよう、法科大学院に促している。法科大学院においては、これに応え、犯罪や不法行為の被害者等の実態を把握・分析し、犯罪被害者等の法的地位、損害回復の方法、被害者支援活動における課題などを考察する「被害者学」、「被害者と法」などの授業科目を開設するなどの取組が行われている。

(21) 児童虐待に対する夜間・休日対応の充実等

児童相談所において、夜間・休日を問わず、いつでも相談に応じられる体制の整備を図る「24時間・365日体制強化事業」を実施しており、こうした事業の活用により、平成23年4月1日現在において、児童相談所を設置する全ての自治体でその体制が確保されている。(69自治体)

(22) 少年被害者の保護に関する学校及び児童相談所等の連携の充実

文部科学省・厚生労働省において、少年被害者の保護に関し、学校と児童相談所など少年被害者の保護に資する関係機関との連携を充実させている。

また、平成22年3月、「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供に関する指針」が文部科学省及び厚生労働省から各自治体及び教育委員会等に通知され、子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)における機関連携が強化された。

さらに、平成24年3月、学校における児童虐待に係る速やかな通告を一層推進させるため留意すべき事項について、文部科学省から学校、教育委員会等に通知されている。

子どもを守る地域ネットワークについて(要保護児童対策地域協議会)
子どもを守る地域ネットワークについて(要保護児童対策地域協議会)
提供:厚生労働省

(23) 少年被害者に対する学校におけるカウンセリング体制の充実等

文部科学省において、少年被害者に対する学校におけるカウンセリング体制の充実を図っている。

学校における教育相談体制の充実に向けて関係機関や地域の人材と連携しながら、個々の状況に応じた支援を実施し、これまで、スクールカウンセラーや子どもと親の相談員の配置の拡充やスクールカウンセラーの緊急支援のための派遣に対して補助を行ってきた。さらに、児童虐待などの問題へ対応するため、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉の専門的な知識・技術を用いて児童生徒を支援するスクールソーシャルワーカーを、各地域の実情に応じて学校などの教育機関に配置する地方自治体の取組に対して補助を行っている。

また、教職員が、犯罪被害者等である児童生徒の相談などに的確に対応できるよう、大学の教職課程において、カウンセリングに関する基礎的な知識を必ず取り扱うこととされている。

(24) 被害少年が受ける精神的打撃軽減のための継続的支援の推進

警察において、人格形成の途上にある少年が被害を受けた場合、その後の健全育成に与える影響が大きいことから、被害少年*7の再被害を防止するとともに、その立ち直りを支援するため、少年補導職員などによる指導・助言のほか、カウンセリングなどの継続的な支援を行っている。

被害少年の支援に際しては、臨床心理学、精神医学などの高度な知識・技能を有する部外の専門家を「被害少年カウンセリングアドバイザー」として委嘱し、その適切な指導・助言を受けながら支援を実施するとともに、それぞれの地域においては、保護者などとの緊密な連携の下に、日常の少年を取り巻く環境の変化や生活状況を把握しつつ、きめ細やかな訪問活動を行うボランティアを「被害少年サポーター」として委嘱し、これらの者と連携した支援活動を推進している。

また、深刻な児童ポルノ情勢を踏まえ、平成21年6月に警察庁において策定した「児童ポルノの根絶に向けた重点プログラム」及び平成22年7月に犯罪対策閣僚会議において決定された「児童ポルノ排除総合対策」を踏まえ、被害児童に対する継続的支援の実施等、関係省庁と連携した被害児童の早期発見及び支援活動を推進している。

(25) 里親制度の充実

厚生労働省において、平成21年4月1日から施行した「児童福祉法等の一部を改正する法律」(平成20年法律第85号)により「養育里親」を、養子縁組を前提とした里親と区分するとともに、養育里親の要件として一定の研修を修めることとするなどの里親制度の見直しが行われた。また、平成20年度から実施している「里親支援機関事業」を法定化したほか、21年度から養育里親の手当を引き上げた。

(26) 少年被害者の相談・治療のための専門家・施設等の周知

児童相談所は、子どもに関するあらゆる相談に対応することとしており、犯罪の被害によって心のケアなどを必要とする少年からの相談についても、児童相談所の本来業務としている。当該児童相談所の場所や機能に関する周知は、設置主体である各都道府県、政令指定都市、児童相談所設置市において、広報、パンフレット、ホームページなどにより行われている。

〈平成23年4月1日現在〉

児童相談所数 206か所

(平成23年4月1日現在)

児童福祉司数 2,606人

児童心理司数 1,162人

(27) 犯罪被害者等に対する医療機関に関する情報の周知

厚生労働省において、「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第84号)により、医療機関に対し、医療機能に関する一定の情報について、都道府県への報告を義務付け、都道府県が医療機関の診療科目、医師や看護師数などの基本的な情報、提供する医療の内容に関する情報、医療連携や医療安全に関する情報を比較できるように整理し、インターネットなどで住民が利用しやすい形で公表する医療機能情報提供制度を創設した。これにより、犯罪被害者等を含む患者が、医療に関する情報を得られ、適切に医療機関を選択できるようになる。

(28) 犯罪被害者等の受診情報等の適正な取扱い

厚生労働省において、医療機関などによる個人情報の適切な取扱いを確保する目的で、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を定めており、併せて「診療情報の提供等に関する指針」・「個人情報保護法」に基づき、医療機関などに適切な対応を求めている。

また、「医療法」(昭和23年法律第205号)に基づき設置されている都道府県などの医療安全支援センターにおいて、患者やその家族から個人情報の取扱いを含めた医療に関する苦情・相談を受けた場合、当該患者やその家族又は苦情・相談のあった医療機関の管理者に対し、必要に応じて助言を行うこととされており、きめ細やかな支援を行っている。

保険者についても、「健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインについて」(平成16年12月27日保発第1227001号)などの関連ガイドラインを通知し、適切な対応を引き続き求めている。

金融庁において、犯罪被害者等の保険利用に関する情報をはじめとする個人情報の取扱いに関し、保険会社に問題があると認められる場合には、「保険業法」(平成7年法律第105号)等に基づき、保険会社に対する検査・監督において適切な対応を行っている。

《基本計画には盛り込まれていないが、基本法・基本計画を踏まえ、実施しているもの》

(29) 臨床心理士による犯罪被害者等に対する支援活動についての調査研究の実施

文部科学省では、「臨床心理士の資質向上に関する調査研究」を行い、報告書を取りまとめた。

(30) 児童相談所及び婦人相談所における相談援助

児童相談所において、少年被害者からの相談も含む子どもに関する相談について対応している。

婦人相談所において、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(平成13年法律第31号)に基づき、配偶者暴力相談支援センターの機能を担い、配偶者からの暴力被害者・同伴する家族を自ら一時保護したり、婦人保護施設などへの一時保護委託を実施している。

また、「人身取引対策行動計画2009」(平成21年12月22日犯罪対策閣僚会議決定)に基づき、人身取引被害者の保護・支援を行っており、保護を必要とする人身取引被害者に対しては、相談支援に当たり通訳を確保し、生活場面での支援とともに、心理的ケアや医療的支援、法的支援を行っている。

加えて、配偶者からの暴力被害者などが入所する婦人保護施設については、夜間警備体制の強化を図るとともに、心理療法担当職員や同伴児童のケアを行う指導員の配置を進めている。

(一部再掲:P5「配偶者等からの暴力被害者の安全確保の強化についての検討及び施策の実施」参照

(31) 児童自立生活援助事業

自立援助ホームにおいて、義務教育終了から満20歳未満までの、児童養護施設などを退所し就職する子どもたちや自立援助ホームを退所した犯罪被害者等も含む子どもたちに対し、相談などの援助を行っている。

(32) 保健所及び精神保健福祉センターにおける心のケアに関する相談窓口での対応

保健所や精神保健福祉センターにおいて、犯罪被害者等に対して、精神保健に関する相談支援を実施しており、医療が必要な場合には、医療機関に紹介を行うなど、関係機関と連携している。

保健所において、地域精神保健活動の一環として、精神保健相談窓口を設置し、心の健康相談を実施している。

精神保健福祉センターにおいても、専門知識を有する者による面接相談や電話相談(「こころの電話」)の窓口を設置し、地域住民が気軽に相談できるような体制を整備している。また、必要に応じ医師による診察を行い、医療機関への紹介や医学的指導などを行っている。

(33) 長期療養を必要とする患者のための取り組みへの支援

各都道府県による医療計画において、平成18年に改正された医療法に基づき、長期療養を必要とする患者が継続的に適切な医療を受けられるよう医療連携体制の構築を進めているところであり、厚生労働省において、各都道府県の取組を支援している。

(34) 性暴力被害者のための医療体制の整備に資する施策の検討及び実施

P5「性暴力被害者のための医療体制の整備に資する施策の検討及び実施」参照


(*5) コ・メディカルとは、一般的には医師を除いた医療従事者に対する総称であるとされている。
(*6) 救急現場から医療機関に搬送されるまでの間において、救急救命士などが行う救急医療活動について、医師による指示、指導・助言、事後検証を行い、その質を保障する体制。
(*7) 被害少年とは、犯罪その他少年の健全な育成を阻害する行為により被害を受けた少年(20歳未満)をいう(少年警察活動規則(平成14年国家公安委員会規則第20号)第2条第7号)。
[目次]  [戻る]  [次へ]
警察庁 National Police Agency〒100-8974 東京都千代田区霞が関2丁目1番2号
電話番号 03-3581-0141(代表)