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第1節 第2次犯罪被害者等基本計画の策定経緯


3 策定に向けた検討状況

(1)要望聴取会に寄せられた約280項目の要望の一つ一つについて、第1次基本計画と同様、5つの重点課題(<1>損害回復・経済的支援等への取組、<2>精神的・身体的被害の回復・防止への取組、<3>刑事手続への関与拡充への取組、<4>支援等のための体制整備への取組、<5>国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組)に振り分けた上、論点整理案を作成した。すなわち、寄せられた要望の中には、第1次基本計画策定の際には議論されていない新たな事項も見られたが、第1次基本計画に盛り込まれている施策の運用等により対応可能なものや、犯罪者の再犯防止策の強化、防犯対策の充実など、犯罪被害者等施策の観点から検討することが難しいものも見られた。このため、事務局において、これら要望を「論点として取り上げて議論するもの」、「まずは担当省庁において検討の上、計画案文を提出し、この案文について議論するもの」、「検討の対象外とするもの」に分類した。

そして、専門委員等会議において、この整理案を基に分類の適否を含めて論点整理を行った後、第2次基本計画に盛り込むべき施策について議論が進められた。

なお、性犯罪被害者や配偶者等からの暴力(DV)の被害者への支援の充実については、先行して検討が進められていた第3次男女共同参画基本計画策定の場においても論点となっていたことから、同計画と第2次基本計画の整合性が図られるよう、専門委員等会議においては、第3次男女共同参画基本計画策定に向けた議論の結果を踏まえて討議を行った。

▼犯罪被害者等基本計画の見直しに係る検討体制
犯罪被害者等基本計画の見直しに係る検討体制
▼基本計画策定・推進専門委員等会議
基本計画策定・推進専門委員等会議

(2)こうして、平成22年2月から同年9月までの間における合計7回の専門委員等会議における議論を経て、骨子案(「骨子」とはいうものの、第2次基本計画に盛り込むべき全施策につき、その内容を具体的に書き込んだもの。)がとりまとめられ、同年10月、犯罪被害者等施策推進会議において、骨子として決定された。この骨子について、同月~同年11月までの約3週間、パブリックコメント(国民からの意見募集)を実施した。

パブリックコメントには、個人105名、犯罪被害者団体・犯罪被害者支援団体16団体、その他の団体14団体(心理学関係団体、女性団体、弁護士会等)から、延べ666件(内容が重複するものを除くと480件)の意見が寄せられた。

(3)そして、平成23年1月の第8回専門委員等会議において、パブリックコメントに寄せられた意見等を踏まえ、施策案文の修正、施策の追加等が行われ、第2次基本計画案が確定し、同年3月22日、犯罪被害者等施策推進会議で第2次基本計画案が決定され、同月25日の閣議において、第2次基本計画が決定された。

▼第2次犯罪被害者等基本計画の策定経過
第2次犯罪被害者等基本計画の策定経過

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