<< 前頁   [目次]   次頁 >>

コラム4:犯罪被害者週間の実施


犯罪被害者等が、犯罪等により受けた被害から立ち直り、再び地域において平穏に過ごせるようになるためには、国・地方公共団体による施策を十分に実施することのみならず、地域の全ての人々の理解と配慮、そしてそれに基づく協力が必要です。このため、犯罪被害者等基本計画では、内閣府において、警察庁・総務省・法務省・文部科学省・厚生労働省・国土交通省の協力を得て、「犯罪被害者週間(11月25日から12月1日まで)」を設定し、当該週間にあわせて、啓発事業を集中的に実施することとされました。平成22年度においても以下のような取組を行っています。

1 標語の募集

犯罪被害者等に関する国民の理解の増進を図るに当たっては、ポスター・パンフレット及び広報番組などで施策の紹介・解説を行うことに加え、簡潔で分かりやすい言葉で訴えることも重要です。このため内閣府では、平成19年度以降、広く国民一般から犯罪被害者等への支援の大切さなどを表現した標語を年1回募集しています。特に平成20年度からは、中高生向けの募集広報を重点的に行うこととしており、平成22年度の応募作品は3,765点に上りました。この中から、徳島県の大学生、宇徳みなみさんの「被害者の悲痛な気持ちに時効なし」が最優秀作品に選ばれ、「国民のつどい」中央大会において担当大臣から表彰するとともに、ポスターなどに使用しました。また、他の優秀作品3点と併せて、内閣府犯罪被害者等施策ホームページに掲載しました。

優秀作品の表彰の写真
最優秀作品の表彰(シンボルマーク・標語)

2 シンボルマークの募集

本年度は、標語の募集に合わせて犯罪被害者等支援の必要性等を国民に広く浸透させること、また、国、地方公共団体、犯罪被害者団体、犯罪被害者支援団体等による支援の象徴とすることを目的として、犯罪被害者等支援シンボルマークを募集しました。応募作品は438点に上り、この中から青森県の工藤和久さんの作品が最優秀作品に選ばれ、「国民のつどい」中央大会において担当大臣から表彰しました。今後、様々な場面で犯罪被害者等支援の象徴として活用していきます。

犯罪被害者等支援シンボルマーク
犯罪被害者等支援シンボルマーク

3 「国民のつどい」の開催

犯罪被害者等が置かれている状況や、名誉又は生活の平穏への配慮の重要性について、国民の理解を深めるため、内閣府主催の「犯罪被害者週間」国民のつどい中央大会(12月1日)を開催するとともに、内閣府・地方公共団体等共催の地方大会を、福井県(11月23日)、和歌山県(同月25日)、兵庫県(同月27日)、千葉県(同月28日)の4か所で開催しました。関係省庁、犯罪被害者団体、犯罪被害者支援団体の協力の下、有識者などの参加を得て、犯罪被害者等に関するテーマについて、基調講演やパネルディスカッションが行われました。また、各会場には犯罪被害者団体や関係機関の取組などを紹介する展示コーナーが設けられました。

各大会来場者に対して行ったアンケートでは、大会について、「有意義である」という回答が9割以上を占めました。また、大会の更なる活性化や継続を要望する意見もあり、広報・啓発の必要性・重要性が明らかとなりました。

開催結果については、内閣府犯罪被害者等施策ホームページに掲載するとともに、報告書として関係機関に配布しました。

平成23年度も引き続き、内閣府主催の「国民のつどい」中央大会を東京都内で開催するとともに、内閣府・地方公共団体等共催の地方大会を、新潟県、石川県、広島県、鹿児島県の4県で開催する予定となっています。

福井大会の写真
福井大会
和歌山大会の写真
和歌山大会
兵庫大会の写真
兵庫大会
千葉大会の写真
千葉大会

4 その他の取組

犯罪被害者週間とその前後の期間においては、都道府県や関係機関において独自のシンポジウムや街頭キャンペーンなど様々な取組が行われました。内閣府においても、ポスターなどを作成・配布しました。平成23年度以降も、より効果的な手法を検討しながら、様々な広報啓発に取り組む予定です。

犯罪被害者週間ポスターの写真
犯罪被害者週間ポスター

<< 前頁   [目次]   次頁 >>