(9) 犯罪被害者等施策の関係する特定期間における広報・啓発事業の実施
内閣府において、春(平成20年4月6日から同月15日)と秋(平成20年9月21日から同月30日)の全国交通安全運動において、「子どもと高齢者の交通事故防止」などを基本として、交通事故被害者等の視点に配意しながら、交通事故の悲惨さや生命の尊さを広く国民に訴えた。
法務省において、犯罪被害者等の人権問題に対する配慮と保護を図るため、「犯罪被害者とその家族の人権に配慮しよう」を人権週間(毎年12月4日から同月10日)の強調事項に掲げ、全国各地で、講演会などの開催、啓発冊子の配布などの啓発活動を実施している。平成20年度においても、第60回人権週間を中心に、これらの啓発活動を実施した。また、人権啓発ビデオ「犯罪被害者の人権を守るために」を、CS放送で合計13回放映した。
厚生労働省において、児童虐待について各界各層の幅広い国民の理解を深め、社会的関心の喚起を図るため、11月を「児童虐待防止推進月間」と位置付け、集中的な広報啓発活動を実施している。平成20年度は、「助けての 小さなサイン 受け止めて」を月間標語として決定し、「子どもの虐待防止推進全国フォーラムinしが」の開催(11月2~3日)、広報啓発ポスター・チラシの作成・配布、政府広報を活用した各種媒体(テレビ、新聞など)による広報啓発などを行い、関係省庁や地方公共団体、関係団体などと連携した集中的な広報啓発活動を実施している。21年度も月間標語を公募・決定し、新潟県において全国フォーラムを開催する予定である。
(10) 様々な広報媒体を通じた犯罪被害者等施策に関する広報の実施
内閣府において、政府広報などを活用し、犯罪被害者等の置かれた状況やそれを踏まえた施策実施の重要性、犯罪被害者等の援助を行う団体の意義・活動などについて広報を実施している。
警察庁においては、民間被害者支援団体と連携して全国的なキャンペーン活動を実施するとともに、シンポジウム・フォーラムなどの開催・後援や様々な広報媒体を通じて、犯罪被害者等が置かれている実態や警察、関係機関、民間被害者支援団体などが取り組んでいる犯罪被害者等支援についての広報啓発活動を行っている(社会全体で被害者を支え、被害者も加害者も出さない街づくり事業に要する経費(国費):平成20年度 9百万円、21年度 4百万円)。
また、広報用冊子「警察による犯罪被害者支援」を発行するとともに、警察による犯罪被害者支援ホームページ(http://www.npa.go.jp/higaisya/home.htm)を通じ、警察による犯罪被害者支援に関する理解増進に努めている。
年月日 | 媒体の種類 | 媒体名 | 概要 |
20.7.10 | インターネット | 政府広報オンライン 最新の情報LINK | 犯罪被害者等に関する標語の募集・表彰 |
20.11.1 | 広報誌 | Cabiネット(平成20年11月号) | 「犯罪被害者週間」国民のつどい |
20.11.6 | インターネット | 政府広報オンライン 各府省からのお知らせ | 犯罪被害者白書 |
20.11.20 | 広報誌 | 共同参画(平成20年11月号) | 「犯罪被害者週間」国民のつどい |
20.11.22 | テレビ番組 | My Japan(CS朝日ニュースター) | 乗り越える勇気をくれるみんなの支援 犯罪被害者週間(大久保恵美子氏と殿川室長の対談) |
20.11.22 | ラジオ番組 | 栗村智のHappyニッポン(ニッポン放送) | 犯罪被害者週間(栗村智氏と瀬戸参事官の対談) |
20.11.24 | 新聞突き出し | 全国5紙、ブロック3紙、地方64紙 | 犯罪被害者週間 |
20.11.24 | インターネット | 政府広報オンライン 今週の広報テーマ | 犯罪被害者週間 |
警察において、交通事故の悲惨さについての理解増進のため、交通事故被害者等の手記を取りまとめた冊子などの作成・配布や、交通安全の集いなどにおける交通事故被害者等の講演を実施している。平成20年中は、手記を取りまとめた冊子などを約220万部作成するとともに、講演会などを約310回実施した。
また、都道府県警察での運転者に対する各種講習において、交通事故被害者等の切実な訴えが反映されたビデオ、手記などの活用や、交通事故被害者等の講話など、交通事故被害者等の声を反映した講習を実施している。
内閣府において、施策の推進のための情報提供を行うため、毎年、関係省庁の職員、地方公共団体の職員を対象として講演会を実施している。平成21年3月には、全国犯罪被害者の会(あすの会)の岡本真寿美氏を講師に招き、3回目の講演会を実施した。講演会の概要は、内閣府犯罪被害者等施策ホームページに掲載し、広く一般に情報提供を行っている。
(13) 調査結果の公表を通じた犯罪被害者等の置かれた状況についての国民理解の促進
内閣府において、平成20年度、「犯罪被害者等に関する国民意識調査」として、国民一般と犯罪被害者等を対象としたアンケート調査を実施した。21年度は、特に青少年の理解増進を図るため、本調査結果を活用し、青少年向けの啓発用教材を作成することとしている。
(14) 学校における犯罪被害児童生徒への的確な対応のための施策の促進
文部科学省において、虐待を受けた子どもへの対応に関して、養護教諭の資質向上を図るための研修会を実施した。また、児童虐待に関して「養護教諭のための児童虐待対応の手引き」を作成し、全国の教育機関へ配布している。本手引書により、養護教諭が児童虐待に対する知見を深め、児童虐待の早期発見、早期対応が可能となることが望まれる。
警察庁において、犯罪被害者等の実名発表・匿名発表について、引き続き適切な発表がなされるよう、都道府県警察の担当課長などを招致した全国会議などを通じて、都道府県警察を指導している。また、犯罪被害者の実名発表・匿名発表をテーマとした各県の報道責任者からの申入れに対して、警察本部長などが警察の考え方を説明する懇談を、平成21年3月末現在、36の県で実施しているほか、都道府県警察本部の幹部と報道機関との勉強会などを随時実施している。
(16) 犯罪被害者等に関する個人情報の保護に配慮した地域における犯罪発生状況等の情報提供の実施
都道府県警察において、ホームページを開設し、犯罪発生の情勢や不審者に係る情報などの防犯情報を掲載するとともに、ホームページの防犯情報コーナーへのアクセスが容易となるよう、トップページに明示的にリンクを掲げるなど、直接アクセスできるような工夫を行っている。また、防犯対策に係る冊子やチラシ、防犯対策に係るビデオをホームページに掲載している。
ホームページ以外での情報提供については、都道府県警察において、携帯電話やパソコンのメール機能を活用して、あらかじめ登録した住民に犯罪発生の状況や不審者(声かけ)情報などの身近な情報を発信する取組が行われている。また、一部の都道府県警察では、地元テレビやラジオを通じて、定期的に情報を提供する体制を構築したり、新聞の折込みチラシなどを活用した情報提供を行っている。
(17) 交通事故の実態及びその悲惨さについての理解の増進に資するデータの公表
警察において、交通事故の実態やその悲惨さについての理解の増進のため、交通事故分析に基づく事故類型や年齢層別の様々なデータの公表を実施し、その実態などについての周知を図っている。