（2）　企業及び行政対象暴力対策の推進
　 警察において、企業及び行政対象暴力事犯に対して、検挙の徹底、「暴力団対策法」の効果的な運用に努めるとともに、都道府県暴力追放運動推進センターと連携して、不当要求防止責任者＊6に対する講習を実施したり、パンフレットを作成したりするなどして、犯罪被害者等の保護、救済を図っている。
　 企業対象暴力対策については、都道府県警察本部に「企業対象暴力対策本部」を設置して、各種相談体制の充実、企業や業界全体に対する指導、広報啓発活動、情報に応じた保護対策などを積極的に行っている。
　 行政対象暴力対策については、全国の地方公共団体に対して、暴力団などの不当要求に対する組織的な対応を規定する、いわゆるコンプライアンス条例・要綱などを制定するよう働きかけを行っている。
　 また、行政機関などにおける組織的対応の強化を推進するため、平成15年７月以降、19年７月までに「行政対象暴力関係省庁等連絡会議」を５回にわたって開催した。
　 平成19年３月、警察庁は、不当要求防止責任者講習などでの活用を目的として、民事介入暴力対策啓発ビデオ「シャットアウト　行政対象暴力」を作成し、行政対象暴力対策に関して一層の啓発を図った。
　 都道府県警察において、平成18年度中不当要求防止責任者講習を、1,768回実施し、合計６万9,758人が受講した。行政機関における責任者数は、18年末現在、10万446人となった。
　 平成19年５月31日現在、コンプライアンス条例・要綱などは、全国の地方公共団体の97.5％（18年４月１日比7.4ポイント上昇）において制定されている。
　 以上の施策を推進した結果、平成18年中は、460件の企業及び行政対象暴力事犯を検挙した。

▼不当要求被害防止広報啓発ポスター

▼民事介入暴力対策啓発ビデオ

（＊6）各事業所に選任された、不当要求による事業者や使用者などの被害を防止するために必要な業務を行うこととされている者