第4節 支援等のための体制整備への取組

1 相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)
○ 都道府県・政令指定都市に対して、主管課室長会議の開催などにより、総合的な対応を行う窓口の設置などを要請。平成19年10月1日現在、28の地方公共団体に総合的対応窓口が設置。

○ 内閣府犯罪被害者等施策ホームページ内に、「相談機関等」のページを作成、主な犯罪被害者等支援体制の概要・相談窓口について情報提供。

○ 平成19年2月から、都道府県・指定都市教育委員会において、夜間・休日でも子どもの悩みや不安を受け止めることのできる「24時間いじめ相談ダイヤル(全国統一ダイヤル:0570-0-78310(なやみ言おう))」を実施。

○ 平成18年12月、「被害者の手引」モデル案を改訂。指定被害者支援要員制度、安全の確保に関する制度の情報を新たに掲載するとともに、刑事手続、裁判で利用できる制度についての情報、犯罪被害給付制度などの経済的支援や被害の回復についての情報、各種相談機関・窓口についての情報を拡充。
  被害者連絡の対象者への配布に加え、犯罪被害者等のための制度を教示する際などに広く活用。

被害者の手引
提供:警察庁

○ 平成18年10月、法テラスが業務を開始。犯罪被害者等に対し、必要に応じて犯罪被害者支援に精通している弁護士や、犯罪被害者等の相談内容に応じた最適の専門機関・団体を紹介。また、関係機関・団体などの相談窓口をホームページに掲載。

○ 平成19年2月、「犯罪被害者団体等紹介サイト」を開設。自助グループを含む犯罪被害者団体・犯罪被害者支援団体の活動内容、団体の連絡先などを紹介。

○ 「支援のための連携に関する検討会」において、どの関係機関・団体などを起点としても、必要な情報提供・支援などを途切れることなく受けることのできる体制作り、民間の団体で支援活動を行う者の養成・研修、犯罪被害者等支援のコーディネーターなどの育成の在り方について検討。平成19年6月、「犯罪被害者支援ハンドブック(仮称)」の作成、備付けや研修カリキュラムの作成・認定制度の実施などを盛り込んだ中間取りまとめを推進会議に報告。国民からの意見募集の結果を踏まえ、最終取りまとめに向け更に検討中。

○ 平成18年12月、被害者連絡実施要領を以下のとおり改正。
<1> 対象:集団強姦罪、人身売買罪などを追加。交通事故事件について、全治3か月以上の重傷を負った事故と危険運転致死傷罪に該当する事件を追加。
<2> 内容:捜査の初期段階において、刑事手続・犯罪被害者等のための制度についても連絡。
<3> 時期:被害者死亡事件について、初期段階に加え、6か月、1年が経過した時点にも連絡を行い、以後、少なくとも1年に1度連絡。
<4> 体制:警察署長などを責任者とした体制を確立。

○ 海上保安庁において、犯罪被害者等の支援、関係機関との連絡調整を行う犯罪被害者支援主任者を平成18年4月から部署ごとに指定。

2 調査研究の推進等(基本法第21条関係)
○ 深刻な犯罪・重度事故被害者のPTSDに対する認知行動療法(長時間曝露法)の有効性などを確認。また、犯罪被害者遺族の心的外傷性悲嘆に対する認知行動療法(複雑性悲嘆治療)がPTSD症状などに効果的であることが示唆された。

○ 平成17年度からの3年計画である「犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究」を実施。17年度、18年度は、犯罪被害者の精神状態についての実態とニーズ調査、心理的外傷治療の調査、精神保健福祉センターなどの職員が犯罪被害者に関わる場合のマニュアル作りのための調査などを実施。
  平成19年度は、これまでの結果などを踏まえて、精神科医療機関における犯罪被害者治療を促進するための提言をまとめる予定。

3 民間の団体に対する援助(基本法第22条関係)
○ 民間被害者支援団体などに対する活動支援、民間被害者支援団体に対する相談業務の委託(平成19年度、補助金を1億2,400万円に増額)、広報啓発活動業務の委託(同年度、補助金を5,900万円に増額)、犯罪被害者等早期援助団体に対する直接支援業務の委託など、財政的援助の充実。

▼国による民間被害者支援団体に対する財政的援助
国による民間被害者支援団体に対する財政的援助

▼民間被害者支援団体に対するその他の援助
民間被害者支援団体に対するその他の援助
提供:警察庁

○ 「民間団体への援助に関する検討会」において、犯罪被害者等の援助を行う民間団体に対する国による財政的な援助を現状よりも手厚いものとする必要があることを前提に、被援助団体となる対象、援助されるべき事務の範囲、援助の経路や財源などの総合的な在り方について検討。平成19年6月、犯罪被害者等早期援助団体などに対する援助の拡充や地方公共団体における取組を促進するための方策などを盛り込んだ中間取りまとめを推進会議に報告。国民からの意見募集の結果を踏まえ、最終取りまとめに向け更に検討中。


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