第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第2章 犯罪被害者等のための具体的施策



第3節 刑事手続への関与拡充への取組

1 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)

○ 犯罪被害者等と検察官のコミュニケーションの充実について、平成18年1月、最高検察庁から各高等検察庁及び各地方検察庁あてに、適切な対応が行われるよう留意事項を通知しているほか、会議や研修などの様々な機会を通じ、検察の現場へ周知徹底。

○ 上訴に関する犯罪被害者等からの意見聴取等について、平成18年1月、最高検察庁から各高等検察庁及び各地方検察庁あてに、適切な対応が行われるよう留意事項を通知しているほか、会議や研修などの様々な機会を通じ、検察の現場へ周知徹底。

○ 捜査への支障等を勘案しつつ、犯罪被害者等に対し、適時適切に、捜査状況等の情報を提供するため、平成18年1月、最高検察庁から各高等検察庁及び各地方検察庁あてに、適切な対応が行われるよう留意事項を通知しているほか、会議や研修などの様々な機会を通じ、検察の現場へ周知徹底。

○ 警察庁において、平成18年春の組織改編により、交通事故事件捜査指導室を設置するとともに要員も増強し、各都道府県警察本部の事故事件捜査を指導する体制を強化。また、各都道府県警察においても交通事故事件捜査の体制強化に努めている。

○ 不起訴処分に関する説明の実施について、平成18年1月、最高検察庁から各高等検察庁及び各地方検察庁あてに、適切な対応が行われるよう留意事項を通知しているほか、会議や研修などの様々な機会を通じ、検察の現場へ周知徹底。

○ 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成17年法律第50号)の施行(平成18年5月24日)に伴い、同月23日に「受刑者の外部交通に関する訓令の運用について」を発出し、被害者等に面会を希望する真摯な事情がある場合には受刑者との面会を許すことができること、被害者等からの受刑者あて信書については原則として制限することなく許可すべきこと等、被害者等と受刑者の面会及び信書の発受の取扱いについて指針を提示。

○ 刑事施設、少年院双方において、平成16年度に開催した「被害者の視点を取り入れた教育」研究会の提言を踏まえて策定した標準プログラムに基づき、被害者感情理解用オリジナルビデオ教材等を活用した指導を実施し、平成17年度末に同研究会の報告会でこれまでの取組について検証。平成18年度においては、犯罪被害者等や支援団体から直接話を伺うゲストスピーカー制度を拡大するなど、同教育の充実に努め、また、刑事施設においては、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の施行(平成18年5月24日)に伴い、必要な者には被害者の視点を取り入れた教育の受講を義務付けた。

○ 刑事裁判に犯罪被害者等の意見をより反映させるべく、公訴参加制度を含め、犯罪被害者等が刑事裁判手続に直接関与することのできる制度について、被害者団体等からのヒアリングの実施等、積極的に検討中。平成18年9月6日、法務大臣より法制審議会に対し、法整備に関する諮問。

○ 公判記録の閲覧・謄写の範囲拡大について、被害者団体等からのヒアリングの実施等、積極的に検討中。平成18年9月6日、法務大臣より法制審議会に対し、法整備に関する諮問。

○ 犯罪被害者等の希望に応じ、公訴事実の要旨や冒頭陳述の内容等を説明していることに加え、平成18年3月31日から、冒頭陳述の内容を記載した書面の交付の実施を全国で開始。

○ 更生保護官署が、保護司との協働態勢の下、犯罪被害者等に対し、加害者の収容先、加害者の処遇に関する情報、加害者の釈放予定等を含む刑事裁判終了後の加害者に関する情報を提供できるよう、平成19年通常国会への法案提出を目指し、必要となる法整備及び体制整備に向けて準備中。

○ 保護処分決定確定後の加害少年に係る情報の提供について、平成19年通常国会への法案提出を目指し、必要となる法整備及び体制整備に向けて準備中。

○ 犯罪被害者等が置かれた状況及び心情等を保護観察中の加害者に伝える仲介をすることについて、平成19年通常国会への法案提出を目指し、必要となる法整備及び体制整備に向けて準備中。

○ 仮釈放の審理をより一層犯罪被害者等の意見を踏まえたものとすることについて、平成19年通常国会への法案提出を目指し、必要となる法整備及び体制整備に向けて準備中。

○ 少年保護事件に関する犯罪被害者等の意見・要望を踏まえた制度について、少年法等の一部を改正する法律(平成12年法律第142号)による各制度の施行状況についてとりまとめを行い、平成18年6月9日、閣議決定を経て国会に報告。これに先立ち、犯罪被害者の団体やその支援団体から意見・要望を聴取するため、平成18年2、3月にヒアリングを実施。各制度の施行状況のとりまとめ結果を基に、犯罪被害者等の意見・要望を踏まえつつ、各方面の意見も聴取しながら、必要な検討を行っているところであり、平成18年度末までに、具体的な施策案を検討し、必要な法整備等に向け、更に作業を進める方針。



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