第1章 損害回復・経済的支援等への取組
3 居住の安定(基本法第16条関係)
トピックス 住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(以下「住宅セーフティネット法」という。)では、犯罪被害者等を含む住宅の確保に特に配慮を要する方々を住宅確保要配慮者(以下「要配慮者」という。)として位置付け、住まいの確保に関する支援を進めてきた。また、令和6年には、住宅と福祉が連携した居住支援体制の構築を推進し、要配慮者が安心して居住できる環境を整備するため、住宅セーフティネット法等が改正された。
1.現状・課題
単身世帯の増加、持ち家率の低下等が進み、今後、要配慮者の賃貸住宅への居住ニーズが高まることが見込まれている一方、要配慮者の入居については、拒否感や不安を有する賃貸人もいる。また、要配慮者は住宅に困っているだけでなく、心身の状態、就労、子育てに関すること等の複合的な課題を抱えている場合も多いことから、「住宅」と「福祉」が緊密に連携し、賃貸住宅の確保等に関する相談等の入居前の支援に加え、入居後の見守りや生活支援、居場所(サードプレイス)の確保を含む社会参加の取組等、様々な支援を行っていくことが求められている。
2.住宅セーフティネット法の改正
上記の現状・課題を踏まえ、令和6年の住宅セーフティネット法等の改正では、①大家と要配慮者の双方が安心して利用できる市場環境の整備、②居住支援法人等が入居中のサポートを行う賃貸住宅の供給促進、③住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化を3つの柱として、要配慮者が安心して生活を送るための基盤となる住まいの確保ができるよう、賃貸住宅に円滑に入居できるための環境の整備を推進することとした。
このうち、③住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化について、居住支援協議会は、地方公共団体の住宅・福祉部局や居住支援法人、不動産関係団体、福祉関係団体等、地域の様々な関係者を構成員として、要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に関し必要な措置について協議を行う会議体であり、これまでも要配慮者及び民間賃貸住宅の賃貸人の双方に対し、住宅情報の提供等の支援を実施してきた。令和6年の改正では、市区町村による居住支援協議会の設置を努力義務化するなど、住まいに関する相談窓口から入居前・入居中・退居時の支援まで、住宅と福祉の関係者が連携した地域における総合的・包括的な居住支援体制の整備を一層推進していくこととしている。
3.おわりに
住宅セーフティネット法等の改正法の施行は令和7年10月を予定している。新たな制度の円滑な施行により、誰もが安心して暮らすことができる居住環境を実現していく。
地域資源を活用し、住宅と福祉が一体となった居住環境の整備(イメージ)
