1 国民の理解の増進(基本法第20条関係)
トピックス 犯罪被害者週間
第4次基本計画においては、「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」が重点課題の一つとして掲げられ、「様々な機会や媒体を通じ、教育活動、広報啓発活動等を継続的に行うなどして、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等に関する国民の理解・共感を深め、犯罪被害者等への配慮・尊重と犯罪被害者等のための施策への国民の協力を確保するための取組を推進しなければならない。」とされている。
このため、警察庁では、関係府省庁の協力を得て、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」として設定し、これに合わせて、広報啓発活動を集中的に実施することとしている。

令和3年中は、12月1日に中央イベント(東京都)を、11月27日に地方公共団体等との共催による地方大会(新潟県)を、それぞれ開催するとともに、動画配信サービスにより、各イベントのライブ配信を行った。また、中央イベントの模様をまとめたダイジェスト版動画を作成し、YouTube警察庁公式チャンネルにおいて期間限定で配信した。
【中央イベント】
中央イベントでは、「犯罪被害者等支援に関する標語」の最優秀賞受賞者及び「『大切な命を守る』全国中学・高校生作文コンクール」の優秀作品賞受賞者の表彰式、トークセッション、基調講演、パネルディスカッション等を行った。
トークセッションでは、犯罪被害者等支援をより多くの方に知ってもらうため、タレントの中川翔子氏と警察庁担当者による「被害者支援を知ろう」と題した意見交換が行われ、犯罪被害者等支援に関する基本的な事項や、具体的な支援内容等について語られた。中川氏からは、「万が一大切な人が事件に巻き込まれたときに備え、支援の制度があるということを広めていってほしい。」と感想が述べられた。
基調講演では、犯罪被害者遺族の澤田美代子氏による「犯罪被害者が前に進むために~突然の犯罪被害、衝撃と絶望の中で様々な対応に追われた日々を振り返って~」と題した講演が行われ、次男を殺人事件で亡くしたときの心情、被害者参加制度を利用して刑事裁判に参加した経験等について語られ、犯罪被害者等支援の気運が高まっていくことや、犯罪被害者や遺族が発生しない世の中になることへの願いが訴えられた。
パネルディスカッションでは、「被害者支援はどこまで進んだか」をテーマに、コーディネーターとして伊藤冨士江氏(上智大学総合人間科学部社会福祉学科客員研究員・元教授)、パネリストとして澤田美代子氏(基調講演者)、伊東秀彦氏(弁護士、千葉県弁護士会副会長)、奥田暁宏氏(警視庁総務部企画課犯罪被害者支援室警部・警察庁指定広域技能指導官)及び乗木亜子氏(東京都総務局人権部被害者支援連携担当課長)を迎え、これまでの犯罪被害者等支援制度の歩みや今後の展望、弁護士、警察、東京都等の各機関における犯罪被害者等支援制度等について議論が行われた。
(犯罪被害者等支援に関する標語)

全国中学・高校生作文コンクール)



【新潟大会】
新潟大会は、警察庁、新潟県、新潟県警察及び公益社団法人にいがた被害者支援センターが共催した。
基調講演では、中曽根えり子氏(犯罪被害者遺族、公益社団法人にいがた被害者支援センター理事)による「最愛の家族を突然失って~心から求めている支援とは~」と題した講演が行われ、次男を交通事故で亡くし、犯罪被害者遺族となった経験をもとに、求められる支援等について語られた。
パネルディスカッションでは、「社会全体で支える犯罪被害者等支援~私たちにできること~」をテーマに、コーディネーターとして丹羽正夫氏(新潟大学法学部教授、新潟県被害者支援連絡協議会顧問)、パネリストとして大花真人氏(弁護士、新潟県弁護士会犯罪被害者支援対策委員会委員長)、中曽根えり子氏(基調講演者)、伊勢みずほ氏(フリーアナウンサー)及び白沢知美氏(新潟県県民生活・環境部県民生活課消費とくらしの安全室長)を迎え、犯罪被害者等支援に求められていること、社会全体で犯罪被害者等支援の理解を深めるための方策等について議論が行われた。


