民間団体への援助に関する検討会(第7回)概要
日時: | 平成18年12月7日(木)14時59分~16時43分 |
場所: | 中央合同庁舎第4号館共用第2特別会議室 |
出席者: |
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座長 | 冨田 信穂 | 常磐大学大学院被害者学研究科教授 |
中島 聡美 | 国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部犯罪被害者等支援研究室長 |
林 良平 | 全国犯罪被害者の会幹事 |
番 敦子 | 弁護士 |
荒木 二郎 | 内閣府犯罪被害者等施策推進室長 |
小田部耕治 | 警察庁給与厚生課犯罪被害者対策室長 |
生嶋 文昭 | 総務省自治行政局自治政策課長 |
辻 裕教 | 法務省刑事局参事官 |
北村 彰 | 厚生労働省社会保障担当参事官 |
(議事概要)
○ 民間団体による犯罪被害者等支援の在り方について議論が行われ、主に以下のような意見が出された。
- 公的機関に接触できない被害者の支援、刑事手続終了後の支援の2点が民間団体の位置付けとして非常に重要である。民間団体と地方公共団体との間には、例えば生活上の支援について民間団体はある程度短期を、地方公共団体は長期を支援するといった役割分担が考えられるのではないか。
- 民間団体がコーディネート役を果たすのが今後重要であり、そのための教育をどのようにしたらよいかを考える必要。
○ 国による民間団体への援助の在り方について議論が行われ、主に以下のような意見が出された。
<被援助団体の範囲>
- 犯罪被害者等早期援助団体(早期援助団体)については、個々の活動だけでなく、人件費や運営費も補助の対象とするのが望ましい。
- 早期援助団体の数自体が少ないことから、全国被害者支援ネットワーク(全国ネット)加盟団体のうち、早期援助団体の指定を目指し努力している団体の底上げを図る必要がある。
- 早期援助団体の指定を目指すには、財政的な問題のほか、犯罪被害相談員となる人材の育成・確保が重要である。
- 早期援助団体以外の団体に対して財政的援助を行う基準については、ある程度大枠を国が、より細かい基準を地方公共団体が地域の特性に応じて決める形になっているとよい。内容として、米国のOVCのガイドラインに挙げられているような項目を定めておく必要がある。
- 財政的な援助を行う際の資格要件として、経理等の透明性や活動実績の事業評価を行う体制、支援に携わる者の倫理綱領的なものが必要ではないか。
- 自助グループへの援助は、活動の継続性、一定度の公共性が基準になるのではないか。
- 自助グループへは、直接だけというよりも民間支援団体を通じて援助する形もあると思う。
- 個々の団体だけではなく、支援スタッフの養成や団体立ち上げを推進する組織にも援助を行うことが重要である。
- 現状では、地方公共団体が予算化しない限り国庫補助が行われないようになっているのが問題である。
- 全国ネット事務局の活用など財政的な援助を行う場合の受け皿組織が必要ではないか。
<援助の対象となる事務の範囲>
- 早期の危機介入的なプログラム、相談・カウンセリング、法廷の付添い等刑事司法関連サービス等民間支援団体でないと対応できない活動を重点的に援助すべきである。生活支援については地方公共団体で対応できる部分もあるので、他で対応できない部分をリストアップして援助していく考え方もある。
- 法廷付添い等他機関で一部対応している部分もあることを踏まえ、今後どのような活動に重点的に援助すべきが議論すべき。
- 関係省庁の取組や民間支援団体で対応するのが被害者にとってよい部分の整理があれば、地方公共団体が何をすべきかおのずから整理されてくる。
- 専門性のある常勤のスタッフを有償で確保できるような予算措置が望ましい。
- 活動に対して援助を行う際に、当該活動に関連する人件費的なものを盛り込まないとなかなか人材が育たないのではないか。
- 法人格を有する団体であれば、基本的な設立運営に必要な財産を保持していることが法人格取得の前提となるので、その上で公益性の高い活動に補助を行うのが通常である。
- 国全体の財政状況が非常に厳しい中、人件費のような経常的経費をそのまま補助するのはかなり難しいと思われる。
- 民間団体への援助を行う際に、あまりチェックを厳しくすると民間のよさがなくなるおそれがあるので、兼ね合いが重要である。
○ その他
次回の民間団体への援助に関する検討会は、平成19年1月頃に開催予定。
(以上)