-
犯罪被害者等施策
-

警察庁ホーム > 犯罪被害者等施策 > もっと詳しく知りたい:犯罪被害者等施策推進会議等 > 各検討会の開催状況 > 民間団体への援助に関する検討会 > 第6回議事録

-




支援のための連携に関する検討会及び民間団体への援助に関する検討会
第6回合同会議 議事録


日時:平成18年11月2日(木)15:00~17:30
場所:合同庁舎4号館4階共用第2特別会議室
出席者:
〔支援のための連携に関する検討会〕
座長長井 進常磐大学大学院被害者学研究科教授
奥村 正雄同志社大学大学院司法研究科教授
本村 洋全国犯罪被害者の会幹事
山上 皓東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
小田部耕治警察庁給与厚生課犯罪被害者対策室長
代理荻野 剛総務省自治行政局自治政策課理事官
井上 宏法務省大臣官房司法法制部司法法制課長
木岡 保雅文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
北村 彰厚生労働省参事官(社会保障担当参事官室長併任)
依田 晶男国土交通省住宅局住宅政策課長
〔民間団体への援助に関する検討会〕
座長冨田 信穂常磐大学大学院被害者学研究科教授
林 良平全国犯罪被害者の会幹事
番 敦子弁護士
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
小田部耕治警察庁給与厚生課犯罪被害者対策室長
代理荻野 剛総務省自治行政局自治政策課理事官
井上 宏法務省大臣官房司法法制部司法法制課長
北村 彰厚生労働省参事官(社会保障担当参事官室長併任)

(議事次第)


1.開会

2.海外調査の結果について

3.連携調査の結果について(中間とりまとめ)

4.連携の現状と問題点について

5.民間団体の現状と問題点等について

6.自由討議

7.その他

8.閉会


(配布資料)

資料1海外調査関係資料
資料1-1米国での現地調査における聴取結果概要[PDF形式:17KB]
資料1-2欧州での現地調査における聴取結果概要[PDF形式:24KB]
資料2連携調査結果(中間とりまとめ) [1][PDF形式:21KB] [2][PDF形式:311KB] [3][PDF形式:351KB]
資料3連携の現状と問題点[PDF形式:29KB]
資料4民間団体の現状と問題点等[PDF形式:32KB]


(議事内容)

○内閣府犯罪被害者等支援推進室長 ただいまから第6回支援のための連携に関する検討会、第6回民間団体への援助に関する検討会の合同会議を開催します。
 本日は、有識者構成員のうち、支援のための連携に関する検討会の小西構成員と高井構成員、民間団体への援助に関する検討会の中島構成員より欠席のご連絡をいただいております。また、林構成員におかれては、新幹線が遅れているため、若干遅れるとの連絡をいただいております。
 本日の会議の司会進行について、議事のうち、連携の現状と問題点までは支援のための連携に関する検討会の長井座長にお願いし、民間団体の現状と問題点等以降については民間団体への援助に関する検討会の冨田座長にお願いします。

○長井座長 本日の議事について、事務局よりご説明願います。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 議事次第をご覧ください。2.海外調査の結果について、米国に行かれました冨田座長から米国について、ヨーロッパに行かれました支援のための連携に関する検討会の奥村構成員から欧州3ヶ国について、それぞれ海外調査の結果をご報告願います。質疑応答については、報告が終ってからまとめて15分程度行うことを考えております。
 次の3.連携調査の結果について(中間とりまとめ)は、支援のための連携に関する検討会において連携調査を先月までに行いましたので、まだ最終結果は出ておりませんが、中間結果を事務局から報告したいと考えております。
 続きまして、4.5.については、これまでのヒアリングや各種調査等を通じて得られた結果を基にして、事務局で連携の現状と問題点、民間団体の現状と問題点等をまとめましたので、さらにそれぞれの現状、問題点等についてご議論いただければと考えております。

○長井座長 海外調査の結果の報告に入ります。現在、関連資料の翻訳作業を行っているため、最終的な報告は後日になりますが、本日は各国での調査概要や所感等についてご報告願います。米国については冨田座長から、欧州3ヶ国については奥村構成員からご報告願います。

○冨田座長 資料の1-1に基づき、アメリカ合衆国での現地調査において聴取した結果について、概要を報告いたします。
 調査日程は、9月4日の月曜日から9月10日の日曜日までの1週間の日程で、中島主査と2人で行って来ました。
 訪問先は、連邦レベルでは、司法省司法プログラム局犯罪被害者対策室(OVC)、全米被害者支援機構(NOVA)、ニューヨーク州においては、犯罪被害者補償と各種の被害者支援プログラムを担当しているCVB、ニーヨークの民間の被害者支援団体で、全米でも最も大きいものの1つで、罪種を限らず被害者支援で様々なプログラムを運営している、SAFE HORIZONを訪問しました。
 主な聴取結果については、支援のための連携に関する検討会と民間団体への援助に関する検討会に関する内容に絞って報告します。
 連邦のOVCの果たしている役割が非常に大きいと言えます。合衆国には、被害者支援団体の全部をカバーする民間団体がありません。また、州においても制度が違います。その中で各種のモデルになるような政策を開発したり、あるいはその展開を図ることなどでリードしているのがOVCです。
 具体的には、連携を確保する取り組みとしては、シンポジウムの開催で、司法省、国務省、国土安全保障省といった連邦機関の関係者が参加しているものがあります。
 研修システムについては、全米被害者支援アカデミー(NVAA)が、ウオッシュバーンやカリフォルニア州立大学のフレズノの何かが入っていたと思いますが、4大学の協力を得て1995年に設立され、基礎レベルカリキュラム等を行っており、主として各州の検察事務官事務所に付随している被害者支援プログラムの人が多く参加しています。
 また、もう1つOVCが担当している州立被害者支援アカデミー(SVAA)が、各州固有の特徴やニーズを踏まえた基礎レベルの教育を提供しております。2010年までに全州でできるのではないかと言われております。
 支援者の水準を確保する方策としては、全米被害者支援基準協会(NVASC)が、支援団体が満たすべき倫理基準等を列記したガイドラインを作成しております。
 研修プログラムとしては、OVCが民間団体に委託して、支援を行う機関・団体が使用できる標準的な研修プログラムを作成しております。
 また、NOVAにおいて、比較的新しい試みとして、2003年から被害者支援担当者の認証制度により、各支援団体からの申請に基づき支援者をレベル別に認定するということが行われています。まだ完全に定着しているとは言えませんが、NOVAとしてはかなり力を入れております。
 情報共有システムについては、全米レベルの全米自動被害者情報通知システム(VNS)により、連邦法違反の犯罪について、当該事件についての情報にアクセスすることが可能になっています。州レベルでは、民間の会社が作成したソフトを基にシステムが構築されてVNSと同種の情報提供システム、VINEと呼ばれている制度が動いております。ニューヨーク州でも動いておりますが、他の州でもかなり採用されております。なお、SAFE HORIZONにおいては、効率的な被害者支援ができるような調整システム、ケースマネジメントシステムと呼ばれるものがあります。
 次に、民間団体への援助に関する検討会関係のうち、民間団体への財政援助については、OVCで詳細なガイドラインを定めております。連邦の犯罪被害者基金のかなりの額が、民間団体への支援活動への援助に使われており、その援助を受ける団体の満たすべき基準というものが定められております。これは犯罪被害者法(VOCA)が基になっております。まずノンプロフィットの団体であること、犯罪被害者に効果的なサービスを提供していること、地域社会における犯罪被害者支援の取り組みを奨励すること、州政府が設定した受給資格またはサービス基準に従うこと、州の犯罪被害者と同基準のサービスを連邦犯罪被害者にも提供すること、犯罪被害者に関する情報の機密を保持することなどの基準が定められております。
 アメリカでは、団体の運営費ではなく、その実施するプログラムに対して援助が行われており、基本的には競争的な資金として提供されていて、各支援団体が州を通じて応募しております。州レベルでは、プログラムのそれぞれの目標が何であるのか、どんな支援をしたのか、その効率性がどうであるのかなどの評価を行っており、各支援団体はそれを提出する義務を負っています。
 財源については、連邦においては犯罪被害者基金があり、基金の財源は連邦犯罪に係る罰金や没収された財産となっています。州レベルでは、州は各民間団体に補助をしているわけですが、州にも基金がありまして、その州の基金の6割は連邦の補助金(犯罪被害者基金)からなっております。残りの4割については、ニューヨーク州の場合にはニューヨーク州法違反の犯罪の罰金や追加の課徴金、交通違反、刑務作業に係る収益などが使われております。各州では様々な工夫がなされています。
 民間団体に対する財政的援助以外の援助については、1998年に設立されたOVCのトレーニングアンドテクニカルアシスタンスセンター(TTAC)において、研修や技術的な支援活動を普及させるための活動をしており、州における被害者支援の水準を高めるための活動を連邦が行っております。

○奥村構成員 期間は、9月3日に出発いたしまして13日に帰国いたしました。
 経済的支援に関する検討会の平井委員と、事務局の泉補佐と私の3名で、イギリスのロンドンとフランスのパリとドイツはデュッセルドルフ、ボン、マインツという各都市を訪れました。
 経済的支援に関する検討会関係、支援のための連携に関する検討会関係、民間団体の援助に関する検討会の3点について、6月の合同会議でそれぞれご報告がありました知見を基にして、さらにわからない点、新たな情報を求めて訪問しました。ここでは、支援のための連携に関する検討会と民間団体への援助に関する検討会関係についてご報告いたします。
 イギリスにおいては、内務省とビクティムサポート(VS)というイギリス全国の犯罪被害者支援団体の本部を訪れました。
 イギリスもそうですし、フランス、ドイツもそうですが、支援のための連携に関する検討会で問題となっておりますシームレスな支援体制については、各国ともまだいまだ大きな課題であって、始めるべきだという段階に入ったにすぎない状況であります。
 パイロットスキームの実施とありますが、昨年12月にグリーンペーパーが出されて、継ぎ目のない支援を実施するということで、ビクティムサポート(VS)もこの点については内務省に訴えていると、継ぎ目のない支援が必要だということで訴えているわけであります。具体的な方策として、ビクティムケアユニットとウィットネスケアユニットの2つのパイロットスキームが動いております。証人ケアユニットについては、各裁判所の中に、主にクラウンコートでありますが、証人のケアユニットが設けられており、特に警察と検察が非常に結びついた支援をしており、特に情報提供を中心に支援をしております。これについてはもう既にかなり行っております。
 被害者ケアユニット、ビクティムケアユニットについては、まだ始まったばかりのところであり、これをビクティムサポート(VS)のようなボランティア組織がメインにリードするものにするのか、警察とボランティア組織を中心としたものにするのか、警察主導型のものにするのかなどの組織面についてもまだ確定していない模索段階であります。
 刑事司法機関が警察とかビクティムサポート(VS)とか検察、裁判所、それから犯罪被害者保障委員会といったような被害者にかかわる各刑事司法機関が連携して被害者支援に当たることについて、継ぎ目のないという点についてはまだこれからの課題であります。
 刑事司法機関以外の連携については、ビクティムサポート(VS)ではボランティアが被害者等に専門家を紹介しているわけですが、それがどうなっているかということのその後のフォローについては統一化されておらず、まだフォローされておりません。また、日本でも犯罪被害直後に住宅の問題などが起こるわけですが、地方行政機関との連携は組織化されておりません。
 ボランティア・コーディネーターの育成については、ナショナルラーニングプログラムとして本部が様々な研修プログラムを立て、かなりレベルの高いトレーニングを行っております。犯罪類型に応じた被害者支援のプログラムがあり、犯罪被害の類型によって被害者の支援の仕方も異なり、共通項と異なる点があるため、その支援体制を充実させるためのトレーニングプログラムがあります。イギリスのビクティムサポート(VS)は、かなり組織化された研修プログラムに基づいて支援を行っているという印象を受けております。ボランティアは、基礎的な研修の後に各支部のマネージャーが個別面接して一定の水準に達しているかどうかを判断するといったチェック体制も行われております。資格認定についても全国職業水準といわれるものを遵守して研修を実施しております。
 次に、民間団体への援助に関する検討会関係のうち、ビクティムズファンドの問題については、現在、犯罪収益の不当な収益のお金を基にして、特に性犯罪被害者に対する支援を行っております。ビクティムズファンドの中のサーチャージという、5ポンドから30ポンドを犯罪の被害者がないような薬物事犯などについてもこれを徴収する一種の犯罪者に対する税金としての刑罰賦課金については、ITのシステムが未整備のため、実際はサーチャージを原資とした支援体制はまだ行われておりません。今は、犯罪収益から得たお金を400万ポンド、約9億円そこそこを財源としております。いずれはサーチャージを基に、性犯罪以外の犯罪被害の支援にも応用していきたいとしております。
 昨年度は、日本円にして約60億円ぐらいの財源に基づき、そのうち90数%は内務省が補助しているということもあり、政府や警察とかなり密接な連携をとりながら支援活動を行う半ば準公的なビクティムサポート(VS)という組織に対して全面的な財政的援助を行っている。イギリスの場合はチャリティ財団、財団法人で社会的な貢献をしているところであれば、補助金を出せることになっています。そういう被害者支援組織は結構ほかにもあるが、ビクティムサポート(VS)だけに多額の補助金を出していることについては、警察や政府の機関と非常に密接に連携して支援体制を行っていることから、あくまでもこれは内務省政府の政策として出しているとのことでした。ただ、最近はビクティムサポート(VS)がきちんとした支援を本当に行っているのかどうか、特に会計監査院との関係で補助金が適正に使われているかどうかを監督するために、財政的援助の効果を検証する取り組みを開始し、貸借対照表とか支援サービスの必要性と費用対効果を分析するとともに、コンサルタントに分析評価の方法についてアドバイスをもらうプロジェクト委員会を立ち上げ、外部的なチェックをするようになっております。
 ビクティムサポート(VS)内部でも支援のクオリティについて評価、監視する仕組みができ、3年おきに検査官を現地派遣して地方の支部が全国水準、ナショナルスタンダーズを遵守しているかどうかという観点からリポートを作成し、これをファンディングパネルに提出するなり、あるいは行われないところは自己評価、自己点検を行っております。いずれにしても調査結果が悪い場合には見直し、行動計画の提出を地方支部に求めて見直し期間を設定するなどのチェック体制を構築しております。検査官については、公募で採用しており、調査に赴く2人のうち1人は財務面を調査する能力を持つということであります。
 ビクティムサポート(VS)の税制上の問題については、財団としての税制上の優遇措置を受けている以外は特にそれ以外の優遇措置はないということであります。
 イギリスのビクティムサポート(VS)の場合は、警察と深く結びついて、警察から自動的又は重大な犯罪については被害者の同意を得た上で情報提供を受けて、そして支援活動を行うという流れになっており、被害直後から裁判終了までの短期、中期、長期にわたる支援活動を行っているということであります。
 次に、フランスにおいては、パリの司法省とINAVEMという全国被害者支援団体の本部を訪れました。
 支援のための連携の点については、関係各機関の連携を確保する仕組みとして、シームレスな支援体制というのがまだ課題であるわけですが、INAVEMの加盟機関の多くが警察と協定を結んで交番に担当窓口を設置しており、INAVEMのパリ本部が加盟機関の間の連携を図っております。例えば、被害者がパリで事件に遭ってマルセイユに引っ越したような場合、パリで支援を受けることになるが、マルセイユに引っ越したらマルセイユにまた新たに申し込まなきゃいけないのかということですが、パリとマルセイユの加盟機関の間で連絡体制がつくられているということであります。また、集団事故、例えば、モンブランのケーブルカーの事故のように、被害者が地理的に分散している場合、被害者の氏名や住所のリストを基にINAVEMが地元の関係機関に対して支援を行うよう指示を出しているということであります。モンブランのケーブルカー事故の場合は24時間体制で司法省の担当者が電話対応したと言われております。
 INAVEMにおける相談事業については、全国からいろいろな相談の電話がかかってくるわけですが、司法省の民間委託事業という形で行っております。INAVEMの本部で集中的に電話を受け付け、データベース化された情報を基に関係機関やそれ以外の被害者支援にかかわる機関を紹介しております。これらの機関とは定期的に情報交換を行うとともに、協定を締結したINAVEMから適切な橋渡しができるようにしており、現在50余りの協定を結んでさらに増加傾向にあります。
 電話相談としては、適切な関係機関・団体の連絡先を教えたり、その内容を転送したり、ファックスをしたりして関係機関と連絡をとりやすいようにするといったサービスをしております。電話対応では、すべて有給の相談員がいて、相談員と上級相談員とで対応しておりました。臨床心理とか法律関係、社会福祉関係の修士号をとったようなレベルの人が多いということでありました。法律関係でも弁護士とかの資格がないので、権利、手続についての情報提供がメインになりますが、修士レベルの学位は持っているということでかなりのレベルの対応ができるということでありました。
 財政的援助の問題については、INAVEMに対し国からお金が援助されていますが、これは民間委託サービスとしております。フランスの考え方として、被害者支援というのは民間団体による方が好ましく、公共サービスについての一環としての被害者支援ということで、これを民間委託サービスとして位置づけているようであります。このためには、控訴院と協定を締結している団体であることが条件で、約180団体あるようですが、そのうち168団体に司法省から財政的援助を実施しております。そのうち148団体がINAVEMの加盟機関、残り20団体は市民と司法という、これは加害者に対する検察による取り調べから加害者が裁判に出頭するまでの間における監視を主な活動内容としている、市民と司法という団体が別にあるようで、ここにも支援を行っております。団体内の職業倫理とか組織体制がしっかりしており、控訴院のお墨付きを得た団体であれば認められるということであります。
 INAVEM本部と加盟機関全体の予算が約3,000万ユーロ、約45億円。このうち900万ユーロ、約13.5億円が司法省からの補助金で行われているということでありました。補助金以外の援助については、税制上の寄附控除は、地方組織の各団体の規模が小さくて控除基準に満たないということで、実際には余り行われていないようであります。寄附といったものも余りないということで、寄附控除は余り行われていないということであります。
 民間団体の支援団体、INAVEMの本部や各支部の評価・監視する仕組みについては、フランスでは年間15万ユーロ、約2,250万円以上の補助を受ける団体というのは控訴院と協定を締結するために毎年会計報告、活動とか会計に関するアンニュアルレポートを提出することが義務づけられております。控訴院にいる団体政策担当の司法官が評価・監視を担当しているという形をとっております。もしサービスの質などに問題があったら、司法官は改善策を講じるよう提言するということであります。結局、司法官の認定評価が予算配分にも影響すると、こういう仕組みになっているようであります。
 次に、ドイツにおいては、デュッセルドルフの援護庁と白い環(バイサーリング)の2ヶ所を訪れております。
 支援のための連携に関する問題については、シームレスな支援体制に関して、最終目標としては、被害者が気づかない間に支援が行われる体制を構築していくということが大事だということでありました。まだそれはできていないが、現在は、女性開放運動団体とか保健所とか被害者支援を行っているボランティア団体とか病院とか悩み相談窓口、かなりのネットワークがあって活発に活動しており、関係機関の連絡先一覧を市町村ごとに発行しているようであります。現在は各機関がそれぞれ個別に行っている状況で、相互の連携がまだできておらず、組織化あるいは統一化されていないということであります。また、関係機関の中でも特に専門性を持ったボランティアが必要だと言われました。
 マインツに本部があるドイツの全国的な被害者支援組織の白い環(バイサーリング)では、専門性を持った心理学的療法やソーシャルワーカー的な支援を直接行わず、病院や市町村レベルの相談所、民間シェルターなどのいわゆる専門機関に紹介する橋渡しの役割をしています。ドイツの特徴として、専門機関における初回の相談費用として最高額150ユーロを提供しております。また、法的な法律相談には150ユーロが必要なそうですが、初回について各支部長の裁量で給付するという事業を行っているようであります。
 警察との情報提供のリンクの問題については、被害者情報を提供する仕組みはドイツでは制度化されておりませんが、警察が白い環の存在を被害者に知らせるということが義務づけられているようであります。ただ、警察では、どの機関が適切に支援ができるかというのを検索できるようなビクティムズプログラムというコンピュータシステムを構築しております。白い環には本部に地方支部の活動情報が検索できるデータベースがあります。
 民間団体への援助関係については、白い環の活動財源として3つあり、1つが寄附、寄附というのは遺言状による寄附と言われるものであります。2つ目は、会費、1人30ユーロの会費。3つ目が罰金刑。寄附や会費というのはそれほど多額ではないようであります。興味深いのは罰金刑で、ドイツでは罰金刑を区裁判所とか検察庁が徴収するシステムになっていますが、罰金刑を使うという趣旨ではなく、罰金刑を被害者支援のために拠出させるという解釈をしております。アメリカとかイギリスその他の国々で行われているビクティムズファンドの場合は、あくまでも犯罪被害者支援のためにそういう一種の目的税みたいな形で犯罪者から徴収するということでありますが、ドイツの場合の罰金刑を使うというのは、社会的貢献のある非営利団体に支給するという一種のダイバージョンの一環としてとらえられているようであります。こういう社会的貢献をする団体の活動資金に充てるということになっており、被告人から直接公益法人に振り込まれ、約半分は国庫に納まるようでありますが、そのあとの半分は公益法人に振り込まれることになっております。被害者支援も社会的貢献活動のうちの1つという形でありまして、その他赤十字や様々な社会的な貢献をする団体の活動資金に充てられるということであります。それを白い環も活用しているということであります。
 財政的な援助に関して、白い環の場合については、政府や地方自治体からの補助金をもらうとかいう形はないようで、財政的援助をもらっていない点が評価されているという話をしておりました。
 白い環が活動する場については、イギリスにしてもフランスにしても支援団体のオフィスがあるわけですが、通常は家賃を払って事務所を借りたり、多くはボランティアの実際支援をしている人の自宅を利用しているということであります。ミュンヘンでは警察本部が場所を提供しているという例もあるようですが、これは希有の事例のようです。
 白い環については、所得税の税制上の控除が行われるということであります。
 白い環の本部と地方支部との関係については、地方本部のイニシアチブによって設立され、独立した組織ではないということであります。運営経費として、2006年上半期には400の地方支部に対して50万ユーロ、18の州レベルの活動拠点について70万ユーロが出されたということでありました。実際の交通費や通信費の運営、ランニングコストがほとんどであります。人件費というのは研修費程度でしかないということであります。オフィスについては、ほとんとがボランティア宅で行っている、あるいは被害者宅で行うこともあるということで、オフィスの建物自体のコストはほとんどかからないということであります。
 活動に対する評価と監視システムに関して、会計監査を実施しているということであります。
 イギリス、フランス、ドイツの支援のための連携の問題と民間団体への援助に関する問題を外観してまいりましたが、我々の課題となっておりますシームレスな被害者支援体制の構築というのがいずれの国も大きな課題として始めようとしているという段階で、まだその成果は見られていない。部分的には警察と検察の連携とか部分的なところは行われているわけですが、まだ全体の構成はこれからの課題だというところであります。

○長井座長 ただいまのアメリカ合衆国及びヨーロッパ3ヶ国に関する報告について、ご質問等がありましたらご発言をお願いいたします。

○本村構成員 OVCという組織は各アメリカに存在する民間の支援団体等に資金援助しているようですが、この団体が直接犯罪被害者等を支援することはあるのでしょうか。アメリカに存在する各被害者団体に対して資金を提供することと、その各被害者団体が抱えている支援をする方に対して教育制度やカリキュラムをつくるというだけであって、実態的な支援をしているのかしていないのかという点について教えてください。

○冨田座長 OVCは犯罪被害者法という法律に基づいて設立されたもので、被害者に対する直接的な援助活動はしておりません。一番大きな仕事は、犯罪被害者基金の運営でありまして、それを通じて連邦や各州の被害者補償に対する資金援助と、支援プログラムに対する州を通じての補助、被害者の権利の実現に関する活動をしております。

○本村構成員 アメリカ国内で当然民間とか州レベルで被害者担当局部といったところはどういう連携をして、例えば民間団体の手に負えない支援は例えば公共団体に頼むとか、州を超えてどこかのできるところへ頼むとかそういう連携をしようと思った場合に、このOVCというところは特にその連携を構築するために作用しているわけではなくて、結局は資金援助をしている各民間の団体が独自に連携をとっているということになるのですか。それともOVCがきちんとした制度をつくって、例えばOVCが資金援助をしている団体はきちんと把握していて、ここはこんな援助ができるからこういう連携をしなさいとかそういったことをイニシアチブをとってやっているのでしょうか。

○冨田座長 OVCが具体的な各関係機関の連携を必要とするような事案について、具体的な紹介といった活動はしていないということです。

○本村構成員 そういう意味では連携という点においては、余り見える形では、もしくは制度化としてはきちんとできていないと認識してよろしいでしょうか。

○冨田座長 はい、基本的にはそうです。ただ、各機関の連携ができるようにガイドラインはつくって、そのガイドラインに従って運営がきちんとなされているところにはより多くの資金配分ができるということを通じて、つまり、資金というか補助を通じて徐々にいい連携ができるような方向に向けていると理解しております。

○本村構成員 各団体が自ら自分の支援できる幅を広げたり連携をとることで、さらに多くの援助をいただける制度のインセンティブをそこで与えているということですね。
 また、情報の共有システムについて、全米自動被害者情報通知システムとは、連邦政府が管轄しているのでしょうか。

○冨田座長 連邦が管轄しているシステムと、各州が管轄しているシステムがあります。

○本村構成員 互いに独立しているのですか。

○冨田座長 基本的には別々です。

○本村構成員 被害者が当該事件の詳細情報にアクセスできるということですが、詳細情報というのは具体的にはどういった情報でしょうか。

○冨田座長 連邦の方のシステムは、捜査から矯正にわたる情報を含めた刑事司法の各段階についての情報です。

○本村構成員 加害者の逮捕、摘発等、もしくは加害者の個人情報を含めてということになるのでしょうか。裁判記録等も見れるということになるのでしょうか。

○冨田座長 その点はよくわかりません。

○本村構成員 アメリカという国において、被害者の支援を迅速かつ的確に、しかも精度よく、しかも内容を充実したものにするためにどういったところを日本と違って積極的に取り組んでいるのかというポイントがあれば、アメリカ全体を見渡したときにどこを我々は見習えばいいのかなというのがもしあれば教えていただきたいです。

○冨田座長 シームレスな連携ということでは、アメリカから何を直接的に学ぶことがあるのかというと、もう少しよく考えてからお答えしたいと思います。

○山上構成員 アメリカでは州とか市とかそういう地方レベルでは、いろいろな支援団体が連携し、あるいは知事部局とかその市の行政の中枢が把握して、そして資金援助を通じて連携ができているように感じるのですが、そこで、国の、OVCからのお金と、州単位あるいは市単位のお金というのはどういう兼ね合いで動いているのか教えていただけますか。

○冨田座長 基本的には連邦OVCからの資金というのは、被害者支援プログラムについては、州の被害者支援部局を通じてもらうわけですが、連邦の資金だけではだめで、外部資金の割合、基本的には20%だというふうに理解していますが、それ以上の資金がなければいけないということで、あくまでも連邦からのお金は補助ということです。そういう意味では、連邦以外の自主財源を確保することが求められているということです。

○番構成員 フランスについて、被害者支援は民間によるサービスの方がいいんだということをフランスでは考えているというお話があったんですが、そのように考えている理由を伺いたい。
 また、民間支援団体のうち控訴院と協定を締結しているということが条件になったりするということですが、この控訴院と協定を結ぶということがどういう意味合いなのか、その協定の中身についておわかりになる限りで教えていただきたいと思います。

○奥村構成員 第1のご質問ですが、公共サービスというのは、フランスでは民間委託事業ということを多く行っており、被害者支援については、特に官が直接被害者支援にかかわるよりも同じような目線で等身大の立場で被害者支援を行う民間団体の方がよりふさわしいと、こういうお考えではないかと思います。
 第2の点については、控訴院と協定を締結している具体的な中身については、いただいた資料を検討する必要があります。

○番構成員 はい、わかりました。

○山上構成員 イギリスのVSの本部とINAVEMの本部と比較して、違いを教えていただきたい。私の認識では、VSは本部として50人ぐらいのスタッフを抱えて、全国の研修を準備したり、全国の活動を監督したり、資金を配分したりという役割も果たしているように思うわけですが、INAVEMはいろいろな団体が集まっているので、本部としての機能とは大分違うような感じがします。今回の報告を見ていますと、むしろ今日本で司法支援センターがされているような電話での相談で適切なところに伝えていくという役割が中心なんだろうか。そうすると、一体どのくらいの人数規模で本部を運営しているのだろうか。

○奥村構成員 イギリスのVSの場合も全国に特にイングランド・ウェールズですけれども、スコットランドは別組織でありますが、あります。ここも基本的にはもともとはフランチャイズ化された組織でありますが、ドイツの白い環のような直轄方式ではないというところであります。それがフランチャイズ化されて、それをビクティムサポート(VS)の中に入って、そのための条件をビクティムサポート(VS)に入るための条件を設定して活動しているということであります。今、山上構成員がおっしゃったように、VS本部の役割というのはご指摘のとおりだと思います。
 これに対してINAVEMですが、INAVEMの本部に伺ってみましたところ、各加盟機関と言ってますので、これもいわばフランチャイズ的な形ではないかという理解をいたしました。特にINAVEM本部自体は直接の支援というよりも、今申し上げた電話相談のような形で、情報の管理とかいったことを特にやっている有給の職員が700名でボランティアが600名おります。

○山上構成員 本部に700名ですか。

○奥村構成員 本部は25名です。失礼しました。全国で有給700名ということであります。
 予算は約170万ユーロ、本部の予算です。加盟機関の全体の有給職員が約700名で、ボランティアが約600名で、予算は約3,000万ユーロです。本部職員が25名で、予算が約170万ユーロです。全国の加盟機関の3,000万ユーロのうちの900万ユーロが司法省からの補助金ということです。

○本村構成員 フランスについて、控訴院と協定を結んでいる団体というものは、前回勉強させてもらったオルレアンというものと認識してよろしいんでしょうか。各地方にINAVEM本部から傘下に加盟機関としてオルレアンというものがあって、地方自治体とか各部門の専門家、裁判所、県議会などが専門的な連携チームをつくっていると勉強させてもらったと思ったのですが。

○奥村構成員 いや、多分同じだと思います。

○本村構成員 実態は、民間に実務は移管しているということでしょうか。

○奥村構成員 そのように理解しました。

○本村構成員 なるほど。控訴院と協定を結んでいる団体に対する人材の育成もしくは人材の確保等はすべて民間の団体に委託しているので、INAVEM本部が直接、700名もいらっしゃるので相当な活動をされていると思うのですが。

○奥村構成員 そうですね。それをチェックする体制として、司法省の担当官がチェックしているということで、財政的な評価にも関係してくるということです。

○本村構成員 他の機関との連携という意味では、例えば、控訴院と協定を結んでいる加盟団体と警察からの情報のやりとりであったりとか、フランスは被害者補償委員会(CIVI)、法律扶助組織等があるということもお聞きしたんですが、そういったところとの連携というのは控訴院と協定を結んでいるということで情報がとりやすくなる、もしくは連携の枠組みに入ることができるとか、何かそういったものというのはあるのでしょうか。

○奥村構成員 協定を結ぶということで、いろいろな情報の交換とかということができているのかということについては、関係機関の連携というのはこれからだということなので、十分うまく連携ができているのかどうかというのはちょっと疑わしい感じがいたします。

○本村構成員 ドイツの白い環はいつも高い評価を受けているということで、どういったことをやられているのかなと大変興味があったのですが、警察から情報をいただいていないということは、基本的には被害者が自分で白い環に連絡をとって、それによって支援が始まるという認識でよろしいのでしょうか。介入的な支援はできないことになってしまうと思うのですが。

○奥村構成員 そうですね。だから、警察は白い環というのがありますよという紹介はするのでしょうが、被害者の情報を白い環に提供して、支援をお願いしますという形のものはないというようです。ですので、被害者自らが求めないと支援が行われないのではないかと思います。

○本村構成員 各州にある援護庁には当然警察の情報が流れていて、むしろこちらの方で直接的というか介入的な支援はやっている可能性があるというふうに思った方がよろしいのでしょうか。

○奥村構成員 そうですね、被害者については、受けた傷害という形で病院とかいろいろな機関があります。そういうところがかなりスムーズに対応するみたいです。お金の面も生活費などはすぐに対応するみたいです。

○本村構成員 例えば、病院の受け入れる側も、この人はこういう犯罪に巻き込まれた方だということを認識してるからということではなくて、一般の方に対してもすべてそういう対応をするのでしょうか。

○奥村構成員 いずれにしても関係機関がかなりそれぞれが活発に行っているということでした。ただ、それの統合といいますか、シームレスな連携ということについてはこれからの課題ということでありました。

○本村構成員 そうすると、イギリスはVS、フランスはINAVEM、アメリカはOVCという少なくとも確たる機関があるなと思っていたのですが、ドイツについては白い環が中心とはとても言い難いと思った方がいいということですね。

○奥村構成員 という認識を持ちました。

○番構成員 アメリカでは助成、財政援助についてはプログラムに対して行われるというお話でした。では、SAFE HORIZONのような直接に支援しているような団体は運営費はどうなっているのか。スタッフの有給と無給のボランティアの割合とかそういう運営に関しての苦労とか、そういうのは何かあるのでしょうか。

○冨田座長 基本的には各プログラムについて出るわけで、人件費、運営費には補助金はありません。次に、SAFE HORIZONについては、平均して700人から800人のスタッフがいて、現在は735人で、常勤が519人だということです。これらの人件費等は主として州政府からきたり、それから独自の財源からきているということになります。

○番構成員 では、今日本の民間団体は非常に財政苦労していますが、余り苦労はないと考えていいのですか。

○冨田座長 SAFE HORIZONに関しては、人件費等で余り苦労しているという話はなかったように記憶しております。

○山上構成員 フロリダでそういうプログラムを応募している団体を見てきたのですが、マネージャーが1人で幾つかのプログラムを応募したりもしていて、そしてそのプログラムがなくなれば切れるというのではなくて、また次の年も入るだろうということで、継続してやっていきながらということでした。あのプログラムは国全体で額も大きいし、使途についても人件費とかにもかなり使えるんじゃないだろうかと思いながら帰ってきたのですが、その辺もしわかれば教えてください。

○冨田座長 個々の民間団体、特にアメリカの場合は補助の対象となっているのは検察関係のプログラムが多くて、民間関係ではシェルターとレイプクライシスセンターがメインで、そこはまたちょっと連邦の基金以外の枠の予算があるので、そこの補助金はひょっとすると人件費等にも使えるかもしれないという気はいたします。

○長井座長 次に、連携調査の結果について、事務局からご説明をお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 ご案内のように、支援のための連携に関する検討会におきましては、我が国の連携が不十分なところとか、あるいはこれから連携の在り方を検討するために、8月から10月にかけて約7,000対象について、関係機関・団体の連携に関する現状把握調査を実施しました。本日は中間集計がまとまっておりますので、概要をご報告をしたいと思います。12月ごろには詳しい結果がご報告できるものと考えております。詳細については、参事官よりご説明をさせます。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 連携調査の中間とりまとめ結果について説明いたします。今回はあくまで中間とりまとめということですので、単純にそれぞれの調査項目に関する回答がどうであったか、各項目単独集計結果しか把握できておりませんので、複数調査項目間の関係性を把握するようなクロス集計の結果については今回はできませんので、その点ご理解をお願いいたします。
 お手元の資料2をご覧ください。まず調査方法等についてですが、資料2の1のところにまとめてあるとおりであります。今回の調査につきましては、犯罪被害者等にとって有益な活動を行う全国の公的・民間の団体・機関の中から7,500団体を選定いたしまして郵送調査の方法により調査を実施しました。各機関・団体については全部で数百程度以内の数の機関・団体ですと全団体を対象にいたしまして、それ以上のものは無作為抽出によって数百程度を選定して行いました。およそ関連するあらゆる機関・団体を網羅した非常に広範かつ大規模な調査だったわけですが、それにもかかわらず、現段階で40%を超えるというこの種の調査としては非常に高い回収率を確保することができております。この場をお借りしまして協力いただきました機関・団体の皆様に感謝申し上げます。
 そこで、次に調査結果ですが、資料2の2にまとめてあるとおりであります。詳細につきましては調査報告書(中間とりまとめ)と書いてあるのを見ていただければすべて書いてありますのでそちらを参照していただきたいと思います。
 まず、調査対象機関・団体については、対応する職員数は「2~3人」が26.5%、10人未満で68.4%と7割弱を占めておりまして、比較的少数の人員体制で対応しているところが多いということです。対応実績件数も「該当なし/50件未満」で75.5%を占めておりまして、多数件を取り扱う機関・団体は多くないということがうかがえます。
 情報提供や直接的支援等の対応した犯罪被害者の類型については、いずれの類型も2、3割程度という回答になっておりますが、類型別の対応件数はいずれも10件未満が過半数を超えるという結果になっております。
 犯罪被害者全般や交通事故の関係については、「100件以上」対応している機関・団体も1割半ばを超えておりますが、これは発生数の多さや捜査機関、司法関係機関も調査対象に入っていることによるものと思われます。
 それから、情報管理の方法については、紙媒体で管理が6割以上を占めておりまして、電子媒体で管理はわずか8.8%にとどまっております。このうちデータベース構築までしているところは半分に満たず、7割以上がデータの共有も行っておりません。
 情報の共有化については、犯罪被害者等の要望といたしまして、「プライバシーの保護」が挙げられているなど、保秘の要請も強いものがあり情報共有化の方策を考えるに当たりましてはこのような現状や要請を十分に踏まえていく必要があると考えております。
 実施している支援、サービスについては「情報提供」が50%を超え、次いで「法律相談」、「カウンセリング」が25%ほどになっています。
 次に、他機関・団体からの犯罪被害者等の紹介についてですが、紹介元となる機関・団体としてはやはり「警察署」が多く、ほかでは「市区町村」、「児童相談所」、「婦人相談所」からの紹介が多くなっています。提供される情報については、「被害の経緯や詳細」、「被害の原因となった犯罪の種類」、「犯罪被害者等の要望等」に関するものが多くなっておりまして、今後提供を望む情報については、今述べたものに加えまして「紹介元機関・団体の支援内容」、「支援における留意点・所見等」、「対応した機関・団体や支援内容の履歴」がいずれも多く回答されております。
 他機関・団体からの紹介については、犯罪被害者等からの要望として、「被害の説明を何度もしたくない」ということがよく言われておりますことはご存じのとおりでありまして、関係機関・団体間における情報共有の在り方として、紹介に当たって紹介先に伝達すべき情報に関し、あらかじめ一定の指針を定めておく必要性が認められるのではないかと考えております。
 なお、中間とりまとめ報告書本体の方ですが、法務省から指摘がありまして、17ページ末に「刑事施設(拘留所)」とありますが、「拘置所」の間違いですので、この場をお借りして訂正させていただきます。
 それから、他機関・団体への犯罪被害者等の紹介について、紹介先については「警察署」、「児童相談所」、「市区町村」、「弁護士会」への紹介が多く、紹介先機関・団体が実施している支援内容については「把握している/ほぼ把握している」が多いということは言えると思います。また、紹介先に提供する情報としましては、「被害の原因となった犯罪の種類」、「被害の経緯や詳細」、「自機関・団体の支援内容」、「犯罪被害者等の要望等」が多くなっています。
 紹介に当たって犯罪被害者等に提供する情報の方は、「紹介先の機関・団体の連絡先」が40%を超えており、次いで「紹介先の機関・団体が提供する支援の内容等の説明」が37%余り、「紹介先や提供する支援に関するパンフレット等の配布」が20%強、「紹介先の機関・団体の担当部署・担当者」が19%程度となっておりまして、「情報は提供していない」というところも13%くらいあるという結果が出ています。
 関係機関・団体への紹介については、犯罪被害者等からの要望といたしまして、「紹介先の機関・団体のより詳細な情報」が挙げられているところでありまして、紹介先となり得る関係機関・団体の支援内容や連絡先、担当部署等、犯罪被害者等のために必要有益な情報を提供できるような形で整備しておく必要性が認められるものと考えられます。
 それから、支援ネットワークについてですが、既存のネットワークに「参画している」と回答した機関・団体が4割強という結果になっています。ネットワークの運営主体は警察が半数を超えており、次いで地方公共団体が3割強となっています。内容としては定期的な情報交換や会合の実施が8割を超えるという結果です。
 既存のネットワークの問題点といいたしましては、「協議会等会議の形骸化」、「支援ネットワークの実際上の連携・役割分担が不透明」、「定期的な会議や会合の開催数が少ない」等が挙げられております。
 それから、今後の連携の在り方についてですが、重視するものとして、提供情報の内容や連携先担当者との信頼関係、情報の詳細さがいずれも3割近くと高い割合を占めております。
 連携が必要と思われる機関・団体といたしましては、「警察・海上保安庁」が約6割、「司法に関する相談機関」が約4割と高いのは当然といたしまして、「地方公共団体」が45.5%を占めております。
 必要と思われる連携の在り方については、「役割分担を明確にして相談内容の一覧を作成し周知徹底」ということと、「応対や機関・団体の支援内容・連絡先等をまとめたマニュアル作成」がいずれも5割近くを占めております。
 また、今後の連携の在り方についての意見・提案等としては、「支援体制の確立」、「個人情報保護の観点から、どこまで情報を提供・共有するか」、「勉強会・研修・会議等の必要性」などが挙げられているところであります。

○長井座長 ただいまの事務局の説明について、ご質問等があればご発言をお願いいたします。

○本村構成員 資料の見方を教えてください。例えば33ページで教えていただきたいのですが、民間の被害者団体からの紹介というものがあって、どのような分野の機関から紹介されてきますか、「ある」が6.8%という円グラフになっています。1ページめくってもらって次の34ページの問12というのとの関連性を聞きたいのですが、連携している機関・団体、特に紹介件数の多い具体的な機関・団体ということで、この6.8%の中の内訳がこの民間被害者団体が61%、自助グループが16.9、民間シェルターが39.6ということで、これ以外はないということでしょうか。それとも上位のものだけを3位出しているということでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 恐らくは6.8%の内訳ではないか思います。詳細な調査結果が発表できると思いますので、そちらに委ねていただきたいと思います。

○本村構成員 そうですか。例えば、今後クロスチェックをしていろいろなところの相関とか見られるということだと思うのですが、例えば、この33ページから考察できることとすると、民間の被害者団体は全体の3,317機関のうち6.8%しか連携しておらず、その連携しているものは同じ被害者団体とその自助グループだけとしか連携はとれていない。例えば警察署長であったりとか司法機関とか弁護士会だとかそういったところとは連携がないと見れるという解釈でよろしいんでしょうか。となると、本当にそうなのかというふうに思うのですが。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 解釈については、きちっとした形で調査結果が出てからでないと危険なのですべきではないと思います。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 多分問6は民間団体からの紹介がありますかという問ですから、それを受けて、民間団体ではそういう自助グループだとかそういうところからございますという、そういう内訳であると考えます。ほかのところに別の全体のその他の機関・団体とかいろいろなものがありますので順番に見て、交通事故相談機関からきますかとか、学校から紹介がありますかとかいろいろあるのだと思います。

○本村構成員 これの裏返しが61ページに、民間団体へ紹介している機関が全く同じ62ページを見ると、民間被害者団体と自助グループ、民間シェルターと同じことになっていたので、重複していることを言われているのかなと思って、要はそういう連携しかないのかなというところでご質問させていただいたのですが。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 限られていると思います。

○本村構成員 そういうことですか。わかりました。

○長井座長 次に、連携の現状と問題点について、事務局からご説明をお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 資料3の連携の現状と問題点ということで、連携調査や海外調査の結果、各団体等や関係省庁からヒアリングをとりまとめまして、現状と問題点という形で中間的にまとめさせていただいたということでございます。今後の議論のたたき台といったことでお考えいただければと思います。詳細につきまして、参事官より説明をさせます。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 支援のための連携に関する検討会におけるこれまでの検討結果を踏まえまして、現状と問題点についての事務局のとりまとめ内容をご説明いたします。資料3をご覧ください。
 本検討会においては、「各種「協議会」等既存の枠組みを活用した、ネットワークの構築」と、「起点となることが想定される機関・団体や連携の範囲に着目した、更なるネットワークの構築」が検討事項となっており、検討に当たりましては「現状の連携状況を把握するとともに、更に連携が必要な機関・団体を洗い出し、現状では連携が不十分な部分を補い、かつ、新たな機関・団体との連携の在り方を検討するとともに、対応窓口の起点として想定される機関・団体を核とした更なる連携の在り方を検討する」ということを検討方針として、これまで必要なヒアリングや調査を重ねてまいりました。
 まず最初に、これまでのヒアリングや調査の結果について概略を述べまして、最後に事務局でまとめました連携の現状と課題について説明するということにさせていただきます。時間の都合もございますので、本日ご説明いただきました海外調査の結果や、先に説明いたしました連携調査結果については省略させていただきます。
 まず、ヒアリングの結果ですが、現行の取り組みに関するヒアリング結果として、既存のネットワークについてそれぞれの関係省庁よりご説明をいただきました。
 まず、概要についてですが、警察を中心としたネットワークとしては、「被害者支援連絡協議会」・「被害者支援地域ネットワーク」があります。いずれも総合的な被害者支援を目的としてつくられたネットワークでありまして、前者は各県警単位、後者は警察署単位などより小さい単位で構成されております。これらのネットワークには司法関係機関、医療関係機関、厚生福祉関係機関、教育関係機関、報道、民間支援団体等々、全国の協議会に計1,682の関係機関・団体が参画しており、もちろん個別の機関・団体が全部入っているというわけではありませんが、およそ犯罪被害者等の支援に何らかの関係があると思われる機関・団体については代表となる団体や幹となる団体・機関がほぼ網羅的に参画しているものと考えられます。
 次に、日本司法支援センター「法テラス」における取り組みですが、ご承知のとおり、10月2日より法テラスの業務が開始されております。法テラスでは今述べた被害者支援連絡協議会への参加申し入れをしているほか、地方事務所が主体的に協議会等を実施することも検討しているとのことであります。法テラスの中期目標では、「連携を確保する犯罪被害者支援関係機関・団体の範囲の拡大及び連携強化を図る。」こと、「関係機関・団体が法テラスで集約整理したデータベースを活用し自ら情報提供を行う態勢の促進を図る。」ことが盛り込まれており、また中期計画では「地方事務所単位で、平均12以上の犯罪被害者支援機関・団体と連携・協力関係を構築する。」こと、「連携指数を平成21年度までの間に上昇させる。」こと、「関係機関・団体に対し、業務マニュアルの配布や研修の実施等の方法により、データベースの利用方法の周知徹底と積極的活用を促進する。」ことが盛り込まれております。
 連携指数については、資料3の1のページに※で記載しておりますので参考にしてください。
 学校・教育委員会における取組ですが、児童・生徒の「心の問題」に焦点を絞った学校・教育委員会を中心とするサポートチームが形成されており、教育委員会のほか、学校、PTA、地域住民、警察、児童相談所、保護司等で構成されているということであります。
 児童虐待・DVに関する取組ですが、児童虐待に焦点を絞った「要保護児童対策地域協議会」が形成されています。これは児童福祉法に基づく法定の協議会であり、児童福祉担当部局、児童相談所、社会福祉協議会、医療機関、教育委員会、学校、警察、弁護士会、法務局、NPOなど様々な機関・団体で構成されておりまして、一定の守秘義務の中で情報共有も行われているとのことでありました。
 また、配偶者からの暴力被害女性保護支援ネットワーク事業に基づいて、配偶者からの暴力被害に焦点を絞ったネットワークも形成されていて、市町村、警察、弁護士会、民間団体、児童相談所等の関係機関・団体で形成されているということであります。
 これらの既存のネットワークの現状、問題点についてですが、定例会議等開催したり「手引書」や「事例集」を作成するなどして、構成機関・団体相互の連携の強化が効果的に行われた場合は連携調整や情報共有がスムーズに行われて、支援の連携(橋渡し)についても相応の成果をおさめているという例はあるようであります。しかしながら、これらのネットワークについては地域ごとの、あるいは構成機関・団体の間でも意識や取組に差がありまして、構成機関・団体相互の役割や所掌についての共通認識が図られていなかったり、連絡調整を担う人材の確保が困難であったりなどの問題が指摘されております。また、被害者情報の共有化がなされず、いわゆる縦割りの弊害として被害者がたらい回しになるなどの指摘もなされております。
 海外調査等につきましては先ほど言いましたように省略させていただきます。
 それから、連携調査についても省略いたします。
 最後に連携の現状と課題についてですが、事務局ではヒアリングや調査の結果を踏まえまして、資料3の2に記載したとおり、連携の現状と課題をまとめております。今まで述べてきましたとおり、我が国では各種の「協議会」等既存の枠組みが存在しており、そこにはおよそ犯罪被害者支援に関係する機関・団体が網羅されていると思われるわけですが、各機関・団体の意識、取組の差や互いの役割、所掌についての共通認識の欠如によって必ずしも有機的な連携が図られているとは言い難い現状にあるようであります。特に協議会が単なる情報交換の場にとどまっているような場合には、各機関・団体の共通認識、役割、機能、連携方法について不明確になっています。
 また、被害者情報の共有については、他機関・団体から提供される情報について、その内容や詳細さが重視されているという反面、プライバシーの保護等の問題も指摘されております。
 一方で、効果的な支援の連携がなされたと評価される場合は、先ほども言いましたとおり、定例会義のほか、関係機関・団体の役割等を掲載した手引書の作成や事例検討による事例集の作成などによって、実務者レベルで関係機関・団体の連携が強化されているということのようであります。また、諸外国を見ましても、関係機関・団体の連絡先一覧の作成や支援専門家のリストの作成、関係機関情報のデータベース化などによって円滑な連携を目指していくことがうかがえます。
 以上を踏まえまして、更なるネットワークの構築のためには、支援を行う際の留意点、関係機関・団体の役割、支援内容、連絡先等を関係機関・団体の間で周知するための方策や、紹介先に伝達すべき情報に関する指針の提示など、実務者レベルでの連携を促すための方策について検討していく必要があるのではないかと事務局としては整理しております。

○冨田座長 次に、民間団体の現状と問題点について、事務局からご説明をお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 資料4の民間団体の現状と問題点について、これまでの民間団体への援助に関する検討会の調査等のまとめを行いましたのでご報告をさせていただきます。
 資料中、左の方から民間団体による犯罪被害者等支援の在り方ということで民間団体の支援活動の位置づけあるいは活動の在り方についての現状とその問題点と、右の方が各検討会で出た意見、それから一部基本問題計画検討会で出た意見も入れております。下の方は、国による民間団体への援助の在り方ということで、区分けをして早期援助団体に対する援助と、その次のページになりますが、早期援助団体以外の被害者支援団体あるいはその中でもネットワーク加盟団体とネットワーク以外の団体、自助グループということで区分けをさせていただいております。次のページについては対象となる事務の範囲ということで活動内容、組織運営等について現状、問題点等ヒアリングで出てまいりました意見等を同じくとりまとめをいたしております。概要は以上であります。若干詳細を参事官より説明させます。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 民間団体援助に関する検討会におきましては、今後、資料にもありますように、民間団体による犯罪被害者等支援の在り方、国による民間団体への援助の在り方についてご議論いただく予定になっております。その前提といたしまして、これまで民間団体の現状と問題点や現在の援助実態等について構成員からのご発表をいただいたのをはじめ必要なヒアリングや調査を重ねてまいりました。資料4については、それらの結果を論点ごとに現状、問題点として整理し、ヒアリング等の過程で出てきた各論点に対する意見や事務局において想定した論点等まとめて表にしているということになります。
 この後の自由討議の時間でこの整理表についてのご意見もいただければ必要に応じて付加修正をいたしまして、次回以降はその整理結果に基づいてご議論いただければと考えているところであります。
 そこで、各論点ごとに説明していきますが、民間団体による犯罪被害者等支援の在り方ですが、ここでは国・地方公共団体と民間団体との役割分担や民間団体で行った方が効果的な活動など、被害者支援全体における民間団体の活動の位置づけやその在り方についてご議論いただくということになります。論点に関する意見等の欄に記載してありますように、ヒアリング等の中でも民間団体の支援活動の重要性や有効性等について積極的に位置づけるご意見があったところであります。民間団体の活動の意義としましては、公的機関に接触できない被害者の支援が可能であること、関係機関の現場レベルでの連絡調整など公的機関のみで十分対応できない部分をきめ細やかに対応できること、公的機関における人員不足の補完やコスト削減が期待できること、などが指摘されているところであります。
 続いて国による民間団体への援助の在り方でありますが、ここでは被援助団体の範囲、対象となる事務の範囲、財政的援助に代替し得る人的、物的援助策の内容、援助の経路、財源という5つの点が主な論点になると考えられます。
 被援助団体の範囲についてですが、支援団体について、これまでのヒアリング等の結果に基づき、性格等の違いに応じて犯罪被害者等早期援助団体と早期援助団体以外の被害者支援団体、自助グループの3つに分けて整理されているところです。早期援助団体は警察と連携を持ち、またいずれの団体も地方公共団体から財政的援助を受け、我が国の被害者支援においては非常に重要な役割を果たしているというわけですが、その数は9団体にとどまっておりまして、財政的な基盤も必ずしも安定的とは言えないという状況にあります。
 各国を見ますと先ほどの発表にもありましたが、イギリスの民間支援団体VSは警察と強い結びつきを持っており、組織規模も非常に大きく活発な活動を行っていることもあって、多額な援助や情報提供を受けているところであります。
 VSとは比較できませんが、フランスの民間支援団体INAVEMも警察とは連携を図っているという発表が先ほどありました。
 早期援助団体以外の被害者支援団体については、全国被害者支援ネットワーク加盟団体と、加盟団体以外の団体があります。全国被害者支援ネットワークはご存じの方の方が多いと思いますが、さきほどの早期援助団体のほか、将来的に早期援助団体となることを目指す団体で構成されておりまして、全都道府県には至っておりませんが、加盟団体は42団体に達し、全国規模で活動し、早期援助団体となっていない団体においても多くの団体については地方公共団体から財政的援助を受けております。ただ、活動の中心は無償のボランティアでありまして、加盟団体間で活動内容や財政規模には相当大きな差があり、受けている援助の額も大きく異なっております。
 また、傘団体に当たります支援ネットワーク事務局については、体制が脆弱、人数が少なく、情報提供や研修等、加盟団体への支援が十分に行えないという問題があるということであります。
 全国被害者支援ネットワーク加盟団体以外の団体については様々な団体があるため、統一的な把握はできませんが、これらの団体の中ではDVや児童虐待を対象とする団体を中心として地方公共団体から財政援助が行われております。また、公募型事業に応募して援助を受けるなどの工夫をしている団体もありました。
 公的援助については税金を投入するという性質上、援助の適正な使用やその有効性等に関するチェックをしなければなりませんから、これらの被害者支援団体のうち早期援助団体以外の団体については法人に対してではなく、活動に着目して財政的援助を考えるのも1つの方法ではないかという指摘がなされているところであります。
 先ほどの発表にもありましたが、各国でいいますとアメリカがそういう形態で援助を行っておりますし、イギリスでも性被害支援団体に対してそういう試みが行われているということでありました。
 次に、自助グループですが、自助グループについては定例会等を開催するのに会場の確保や交通費等で会員に負担がかかってしまう、専門家の協力を得るのが難しい、自助グループ同士の連携が十分でないというような問題点が指摘されておりました。自助グループに対しては、民間支援団体に援助することを通じて援助を行うという間接的な形での援助が行われておりますが、支援団体と異なり当事者の団体であるということのほか、早期援助団体以外の団体に対する援助と同じこともいえ、直接的な援助を行うことが可能なのかどうかについてはご議論をいただく必要があります。
 次に、対象となる事務の範囲ですが、どういう事務を対象として援助すべきか。現状を見ますと犯罪被害一般を支援対象とする支援団体について地方公共団体による財政的援助の対象としている事業は相談や面談、広報、啓発、人材育成が中心となっています。一部の地方公共団体では付添いや情報提供、自助グループ支援、運営管理一般も支援の対象としています。
 一方、活動内容に関する問題点といたしまして、特に被害直後における付添いや家事支援等のアウトリーチ活動や自助グループ支援、会員獲得に向けた活動を十分に行えていない、広報啓発活動を充実させる必要があるといった点が指摘されておりました。また、組織運営面では現場や管理運営事務を統括するもの、あるいは支援員としての有給のスタッフが不足しているといった点が指摘されています。
 ヒアリングの結果では、財政的な問題がなければ被害者の様々なニーズに対応した支援をより充実できるということでありましたが、民間団体の現状等を踏まえ、財源に限りがある中で具体的にどの活動から重点的に援助すべきかについて検討してはいかがかと考えているところであります。
 次に、財政的援助に代替し得る人的・物的援助策の内容ですが、ヒアリングの結果等を踏まえ、事務所等の提供、人材育成への協力、広報啓発への協力、税制上の優遇措置等と4つに分けて整理しました。事務所等の提供については、地方公共団体から7団体に対し施設庁舎の一部が提供されているということでありました。また、基本計画においても関連施策が盛り込まれているところで、これらを踏まえましてさらに必要な取組があるかどうかについて検討することとしてはどうかと考えております。
 人材要請への協力については、支援活動を行う者を対象とした研修が十分でない、標準的な研修プログラムがないといった点が問題点として指摘されるとともに、関係団体・省庁からの人材の出向を得たいという要望があることが把握されましたが、これらについては基本的には支援のための連携に関する検討会において検討することとなっております。人材出向につきましても講師派遣という形ですが、基本計画において関連施策が既に盛り込まれておりまして、これらを踏まえてさらに必要な取組があるかどうか検討することとしてはどうかと考えています。
 広報啓発への協力についてもほとんどの地方公共団体で取組が進められており、かつ基本計画にも関連の施策が盛り込まれておりますので、これらを踏まえてさらに必要な取組があるかどうかを検討することとしてはどうかと考えます。
 税制上の優遇措置についても、現在公益法人等改革が進行中の段階でありまして、必要に応じて適宜把握してはいかがかと考えております。
 なお、こうした財政的援助に代替し得る人的・物的援助策についても早期援助団体とそれ以外の団体とに分けて考える必要があるのではないかとの指摘がなされているところであります。
 援助の経路については、現在、地方公共団体が民間団体に対して直接財政的援助を行い、国が援助に要した費用の一部を補助金や交付税措置として負担するという方式になっています。一方、ヒアリングや昨年の基本計画検討会の場では国も直接的財政的援助を行うことがあり得ることを想定し、財政的援助を行うに当たって受け皿となる組織が必要である、また、総合的な支援を行う犯罪被害者保護法人というようなものを設立してほしいといった指摘や意見がありました。
 なお、先にも述べましたとおり、公的援助はその前提として適正なチェックが必要でありますから、援助の経路を議論する際には民間団体の活動の評価、監視の仕組みをどのようにすべきか、あるいはどのような仕組みが実現可能かということも合わせて議論をいただければと考えております。
 最後に財源ですが、現在民間団体の財政的援助の財源は一般財源となっております。一方、昨年の基本計画検討会の場では罰金などを財源とする犯罪被害者基金というようなものの設立を検討してほしいといった意見もありました。
 議論の進め方については、財源の問題を考慮しつつ、被援助団体の範囲や援助の対象となる事務の範囲を検討していくというイメージになろうかと考えます。財源については経済的支援に関する検討会とも深く関連する事項になりますので、同検討会における検討状況も随時見ながら検討していかなければならないと思われます。

○冨田座長 続きまして自由討議に移りたいと思います。ここではまず今事務局から示されましたそれぞれの現状と問題点の整理案について、追加や修正すべき点がないかなどをご議論いただきたいと考えております。また、更なる連携のために取り得る方策や民間団体の援助に関する今後の議論の進め方や各論点に関する検討方針等についてご議論いただきたいと考えております。

○本村構成員 資料3の連携の現状と問題点中、最後のページの連携の現状と課題のまとめについて、基本的には警察が主導とする被害者支援連絡協議会をメインとする協議会はあるにもかかわらず、各単独の機関は同じような同類の機関だけと連携をとっているという縦割りになっていることは事実だと思いますので、その各関係機関を橋渡しする機関がいるということはまとめに書かれているとおりだと思います。ただ、縦割りになってしまっている機関を連携させるに当たって、核となる機関を新たにこの国に置くべきなのか、それとも今現状にあるものをうまくネットワークをするために運営のやり方を考えるのか、もしくはそのコーディネーターという方を置いて縦割りになっている各機関を橋渡しをする人をつくるのかというところをそろそろ具体的に考えていくべき時期かなと思っております。
 この課題のまとめというところには、最後の3行ですが、支援を行う際の留意点、関係機関・団体の役割、支援の内容、連携先等の関係機関・団体への周知や関係機関・団体に伝達すべき情報に関する指針の提示、実務者レベルの連携を促すための方策を検討する必要があるに加えて、これらを統括する機関の創設の必要性有無、もしくはそれの運営方法等も併せてという文言もいるのではないかなと思っております。

○林構成員 連携ということですが、法テラスのことでこの間弁護士と話する機会がありまして、その方がおっしゃるには、ずっと1時間ぐらい話を聞いていたら本当の被害者じゃなくて、そういうところへ相談するマニアの人だったと。結構たくさんいらっしゃって、私も当事者の会を立ち上げた時に、電話のうちの大半は被害者ではないのにそれを装う相談マニアみたいなのがおって、ものすごくいろいろなところにいくみたいです。連携をするあたっては、本当の被害者のデータというのも必要だが、真の被害者でない相談マニアみたいな人たちのデータを関係機関・団体で共有することも必要ではないか。

○冨田座長 被害者情報の共有については、一方で詳しい情報の提供が求められているのと同時に、一方でプライバシーをどこまで確保するかということも検討項目の中に入っておりますので、そこに含まれる問題として今後議論していけばいいのではないかと思います。

○山上構成員 連携に関する取組のところで、民間援助団体については、実際の直接的な支援をして、被害者にとって一番必要なところに取り組むときには、このケースについては保健所に行かなきゃいけないとか、児童相談所に行かなきゃいけないとか、あるいは弁護士のところに行って支援を相談してくるとか、あらゆる有機的な連携の要になる部分をするわけです。連携というのは上から組織としてつくるというよりは、被害者にとって最も重要な支援、ニーズに応える支援を広げていけば自然とその周辺にできていくものであって、連携を全体で見ることも大事ですが、有効な支援ができるよう活動を活発化させれば自然とこれを中心に連携が広がっていくと思います。そういう意味で、有機的な連携を今あちこちの組織で、少しずつ地域において広げているので、さらに有機的な連携というのはそういう地域社会の中で広がっていくものだと思います。民間の支援団体の取組といった、被害者のニーズに応える活動を中心にして、連携を拡げていくことも重要だと思います。

○長井座長 実際の支援、連携の現場できめ細かい、配慮のある対応や紹介が行われれば結構なのですが、被害者の心情及びニーズと、連携に関わる方々の認識及び配慮との間にはかなり差があるように思います。団体から団体、機関から機関への紹介で、連携の担当者はよいと思われるかもしれませんが、利用する被害者はむしろ個人から個人へという紹介をされた方がよほど安心なさると思います。連携に携わる方々がご自身の役割をよく理解していただけるよう、「顔の見える連携」といいますか、「連携担当者の方々が互いの顔が見える関係を築いた上で、担当者個人が責任を持って他の機関や団体等の個人を紹介する」という文言を入れていただければと思います。

○本村構成員 イギリスにおける犯罪被害者の支援に係る基金について、イギリスでは2004年4月から犯罪被害者基金を運営を始めたとのことですが、これを管理しているのは内務省になるのでしょうか。

○奥村構成員 サーチャージについては、ビクティムズファンドのことですか。

○本村構成員 はい。

○奥村構成員 これについては、2004年のDV犯罪及び被害者法の14条によって設置されたという形であります。そのお金は内務省の管轄でありますが、現在、ITシステムがうまく機能していないとのことで、これを使って被害者支援に充てるわけではなく、現実にもう既に始まっている犯罪収益を原資としてやっているということであります。従って、現在はまだサーチャージを基にしてやっているわけではありません。今後ITシステムが制度化され、うまく機能するようになれば、それを使っていくということでありました。

○本村構成員 性犯罪等を含めた支援組織の助成基金として活用しているとのことですが。

○奥村構成員 ボランタリーがコミュニティセクターを基盤とした性犯罪被害者支援に、特に性犯罪の場合はトラウマとかPTSDの被害も精神的な被害も特に強く、対応が十分ではないということで、今現在はそれを中心に行っておりますが、今後は交通事故被害者とか被害者遺族に対する支援対策にも活用していきたい。これは被害者補償制度とは全く別ものだという説明を受けました。

○本村構成員 ドイツにはこういった基金はありませんが、フランスには犯罪被害補償基金(FGTI)というものがあるということも教えてもらいましたし、今イギリスにも犯罪被害者基金があり、アメリカにも犯罪被害者基金があって、それをOVCが管理しているということでした。フランス、イギリス、アメリカはこういった基金があって、それを管理する団体としての公的機関があって、OVCはその基金をもとに犯罪被害者支援団体に支援をしたり、プログラムをつくったりしているとのことでした。イギリスもそれをやり始めているということでしたし、フランスは犯罪被害者補償制度の財源として使うということで支援とか民間団体は使っていないということでありました。
 今後議論する上で、日本において、一般財源から犯罪被害者の支援、経済的補償は別として、民間団体やこういった連携をつくる上で当然資金がいりますが、罰金、反則金、賦課金等を特定財源にし基金化して、それを運用する団体をつくって、その機関が日本の犯罪被害者支援や資金の流れすべてを把握するような団体をつくるのか、それとも今の現状で一般財源から補助金や助成金のような形にするのか、もしくは各支援団体が行った支援に対して査定する機関があって、プログラムに対しては実費を払うようにするのかとかいったところも含めて今後の議論で具体的に発議させていただきたいと思います。その上で、更に新しい団体がいるのかいらないのかとか、まずそこをかっちりと決めないといけないのかなと思います。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 今最後に出てきました基金の問題は、経路をどうするんだ、財源をどうするんだということで、一番大きな問題になってまいります。それは、経済的支援に関する検討会の財源とも絡んでまいりますので、ぜひ活発な今後の議論をお願いしたいと考えております。
 もう1つ、連携のネットワークにおける核となる機関については、連携のネットワークの検討会はまず今ある現状を前提としてどうやったら効果的にネットワークできるんだろうかというものを考えていただくというのがまず基本で、そのための人材育成だとか研修だとかコーディネーターとかいった効果的な制度を考えるというのが基本的にはございます。ですから、そこをまずきちんと固めた上で、その上で何かやはりもっと全く別のものがいるというような話になればそれはまた考える必要があると思います。まずは、現状でどこをどうしたらもっと被害者のためになることができるかというのを十分にご議論いただければと考えております。

○番構成員 民間団体への援助に関して、どういう団体のどういう活動に対して援助をするのかという1つ大きな問題と、財源は経済的支援に関する検討会が中心で考えるとしても、どういうルートでその援助をしていくかという大きな問題があると思います。
 それから、もう1つのどういう団体にというとき、早期援助団体と早期援助団体ではないところと、これは明らかに確かにメルクマールで分かれるのは事実ですが、日本の現状を考えますと、9団体を別枠にして手厚くやってもはっきり言って意味がない。つまり、全国になければいけないものが9団体しかなくて、ましてその9団体というのはかなり数的にもなかなか増えていかなくてようやく9になったという印象を持っています。そうであれば、ネットワーク加盟団体の中の早期援助団体を希望しているようなところに対して底上げを図るといいますか、全体としてのアップを図るような形で援助を考えていければと思います。そういう意味合いでは、どういう活動にというのもそういうところの活動が活発になるような方向で考えたいと思います。ですから、どういうところとどういう活動というのはかなりリンクして考えていくべきなんだろうと思います。
 ただ、論点整理については特に私は異論はなくて、これ中心にやっていけばいいと思いますが、1つ非常に難しいなと思うのは、DVとか児童虐待とか別枠でありまして、私はDV事件をたくさんやっていますが、別枠でいろいろな援助をどこまで取り込むのかということは非常に問題なので、これからそれについても大きな問題なのかなと思っています。
 それからもう1つ、連携のところですが、私が関係しているのは日本司法支援センターで、確かに基本法、基本計画では非常に役割が期待されておりまして、これは今後被害者支援において大きな役割を果たしてほしいと願っておりますし、果たさなければいけないと思いますが、現状はかなり厳しい。これは将来的な観測であってまだ情報を収集している段階ですが、実際はかなり日弁連と協議して犯罪被害者支援の方はバタバタとやっている状況で、ようやく、この連携指数も精通弁護士の紹介が1、2、3ぐらいまでいってるかなという感じで、これもまだ協議しながらやっている最中だということで、法テラスの役割をもう少し重視して、中身の重視ということでどのように法テラスを使っていくかということはこちらから逆に提言して、法テラスの方に投げかけていくというようなことでもいいのかなと思っています。

○山上構成員 早期援助団体のことが出ました。ネットワークとしては早期援助団体をできるだけ増やしていって、それ全体で全国に連合体をつくるということを今目指しているわけです。確かにまだ少数ですが、基盤を整備して早期援助団体になれたものが9団体あるわけです。それを国がもし補助できるなら、それを目指してほかの団体も努力しますし、それになれるように別の枠で援助していただくということが可能であればいいなと私は思っております。
 また、現状からの連携を深めるということでしたら、やはり今被害者支援にしっかりと取り組もうとしているところがいろいろ困難にぶつかって、その連携を求めながらいろいろな壁にぶつかるものですから、ほかの機関・団体が協力しやすいような体制をつくることが非常に大事ではないかと思います。例えば、都民センターではいろいろなケースがありますが、児童相談所に本来対応してほしいケースでもなかなか拒否されて受けていただけないとか、当然児童相談所のケースなのに、犯罪被害に関わると全部こちらで見ろというようなことになってしまったりとか、あるいはようやく今基本法ができて、少しずつ状況変わってきましたが、被害者のための住居を探すのでもさんざん苦労していた、といったことがあります。窓口が非常に柔軟に有機的に動いて、適切に対応できるような仕組みをつくっていただければと思います。
 更に、恐らく被害者団体あるいは自助グループでも自分たちがこういうことをしたいと思っても、一体どこに行けば有効な援助が得られるかというのがわからない。例えば、いろいろなシンポジウムとか、勉強会を開くときでも、公的な施設などを無料で開放してくれると随分助かると思うのです。連携という意味では、被害者支援の問題で活動している人たちを、みんなで援助しやすくするシステムをつくるということが非常に有効ではないだろうかと思います。

○警察庁犯罪被害者対策室長 私どもとしましてもやはり早期援助団体が指定されていくということは非常に重要なことだと思っておりますので、警察としてできる限りの援助をやっていきたいと思っております。

○奥村構成員 現在、早期援助団体は全国で9団体ということでありますが、これがなかなか全国にすべて各都道府県に指定団体ができることが望ましい、それはぜひ実現しなきゃいけないわけですが、そのための施策というのが非常に重要になってくると思います。財政的援助の場合について、もし財政的援助として公的な補助金という形で出すとしますと、やはり信頼のおける組織、民間団体といいましても信頼のおけるところでないとそれは世間の納得はないだろうと思うのです。そのためにもきちんとした対応ができる組織であることが必要だと思います。
 例えば、イギリスでは、イギリスのビクティムサポート(VS)以外にもたくさんの民間団体、支援団体があるのですが、ビクティムサポート(VS)だけに出している状況です。それは、内務省の政策であるわけですが、やはり危機介入からできる、そして短期、中期、長期の支援できる組織として存在して、やはり警察からの情報なども入ってくるわけなので、そういう情報管理がきちんとできる組織でないとこれはまずいだろうということです。もちろん早期援助団体以外のところでもそういう仕組みを持つことは理屈としては可能ですが、やはりそれは法的な裏打ちがなければまずいのではないかというふうに思います。
 現在あります早期援助団体以外の団体もできるだけ早く民間団体にできるような、早期援助団体になるような仕組みの構築が必要ではないかと思います。
 それから、もちろんいろいろなお考えで国の動きとは、あるいは自治体等の動き、公の機関との動きとは一線を画した支援活動というのも当然あり得るだろうと思いますし、それはそれとして行うべきですが、公的な補助金という形で支援に援助するということについては、やはりイギリスのVSなり政治的にも宗教的にも透明といいますか偏らない組織のところであることが絶対必要条件ではないかと思います。ですから、いろいろな考えや思想を背景にした支援団体もあっても当然いいと思うのですが、それは今我々がここで議論しているところとはちょっと違うのではないかということで、早く早期援助団体の全国ネットが構築されるような仕組みの検討が必要ではないかと思います。そうしたときに、各省庁や地方自治体の連携ということが求められてくるわけですが、いわゆる縦割り行政の中で、お役所の中では非常に難しいところがありますが、被害者を核としてそれぞれの担当部局が何とか情報交換して、被害者相談窓口みたいなのをセットしていこうということと、いろいろなパートパートがそれぞれ連携をしていく際に、それをつなぐものとして、現にある組織の活用、その1つの選択肢として民間被害者支援団体というのもが考慮の1つになるのではないかと思いました。

○冨田座長 1つは、やはりこれからの民間機関の在り方として早期援助団体の活動というものを民間機関としては充実させていく必要があると思いますので、この立ち上げ支援等も十分行っていく必要があると思います。もう1つは、早期援助団体であれそうでない団体であれ、公的な基金から財政的な援助を受けるときの基本的な資格と申しますか要件というものについて、一体どういう団体がそもそも対象となり得るのかと、その辺は今後かなり議論する必要があるなと思いました。

○林構成員 DVとかストーカーとか性犯罪というのは犯罪の進行形の人が多いわけです。そういった人たちが殺人の被害者に至らないうちにちゃんと保護できるようにすることも大事だと思います。予算措置できるところは早くやって、一人でもいいから命が助かるような状況をつくってもらえたらなと思います。早くやるものは早くやるように予算措置できればしていただきたいなと思います。

○山上構成員 やはり連携というときには地方公共団体、杉並区のような団体がすると、その中にあるいろいろな資源が非常に有効に生かせるものですから、連携を考えるときにやはり地域での、地方公共団体がまずそういう内部での連携がしっかりできて、被害者にちゃんと窓口で応じるということができると随分内容は充実してくるのではないかと思います。

○冨田座長 今までのご意見ご議論を踏まえまして、事務局の方から何かございましたらお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 特にございませんが、貴重なご意見いただきましたので、本日の議論を踏まえて、支援のための連携に関する検討会、民間団体への援助に関する検討会各々について、論点等を議論しやすい形にしてお示ししたいと考えております。

○冨田座長 事務局の方で本日の議論の整理等必要な対応をお願いしたいと思います。
 最後に事務局から何か連絡事項がありましたらお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 支援のための連携に関する検討会は次回12月11日月曜日の午後1時から、民間団体への援助に関する検討会は12月7日の木曜日午後3時からを予定しております。場所については追って正式に連絡をさせていただきます。
 11月25日から12月1日まで、ご案内のように、初めての被害者週間ということで、中央大会を11月27日に三田の共用会議所で開催したいと考えております。それから、秋田県と神奈川県と大阪府が大変熱心に取り組んでいただきまして、25日が秋田大会、27日が中央大会、29日が神奈川大会、12月1日が大阪大会ということになっております。今のところ出席者については調整中でありますが、大阪大会には高市担当大臣もご出席のご意向を示されておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○冨田座長 これをもちまして第6回の支援のための連携に関する検討会、第6回民間団体への援助に関する検討会の合同会議を終了いたします。
 本日は長時間にわたりどうもありがとうございました。


▲ このページの上へ

-

警察庁ホーム > 犯罪被害者等施策 > もっと詳しく知りたい:犯罪被害者等施策推進会議等 > 各検討会の開催状況 > 民間団体への援助に関する検討会 > 第6回議事録